どうしよう〜? に、どうする?
教育のためのTOC 駅伝 Advent Calendar 2021の1日目の記事です。
先日、妹から「やっぱりお風呂沸かした方がいいよねえ…?」のLINEが来ました。「寒いし・・」と。
きたこれ。ぶっちゃけ・ザ・どちらでもいいお悩み。
前からこうしたやりとりがちょいちょいあるので、ちょっと質問を試してみました。
「どうしよう〜」と言われたとき、避けたい返答
ちなみに、以下のような返答はなるべく避けたいと思っています。
理由は、本人の気持ちに沿わないリスクがあるから。これを冒すと、余計に話がややこしくなって疲れたりするからです。
それにそもそも自分が言われても嫌だしな。
「どっちでもいいじゃん」「いちいち言ってこないの」と突き放す・・・本人はどっちでもよくない
「風邪ひくと良くないから、お風呂にしたら」と決めてあげる・・・いやだから本人はそう思ってないから言ってきてるわけで
加えて、「だよねえ、寒いよね」と共感して話につきあうには、
わたしも疲れている平日の夜。
今回、どう返すのがいいかを少し考えて、その結果質問してみました。
「(「リスクを回避する」以上に)やりたいことは何?」
「”寒いから(しゃーなしで)お風呂に入る”、
“風邪をひくと嫌だからお風呂にするか” ではなく、
”○○したいからお風呂に入る” というのはないの?」
これに対して返ってきた答えがこれでした。
「ささっと済ませて、本を読んで、早めに布団に入りたい」
えー、じゃあ「寒いからお風呂に入りたい」ってわけじゃないのか。
「本読みたいとか、そういうのあるんじゃん。
○○したくないから、じゃなくて、○○したいから、の方を取ったらどうだろう?」
「よし、じゃあ熱めのシャワーを浴びて、本を読むよ!」
うんうん、本当にやりたいことがあるからこうしようと決められたら、それでいいって思えるね。
わたしも彼女の決定に余計な口を出さずに済みました。
自分で決めることの価値
この質問を発した直後に、これは無意識にクラウドの要望を意識した質問になっているなと自分で認識できたので、後の祭りではありますが「これってなんかクラウドみたいだよね」と妹に持ちかけ、さらに少しやりとりして彼女の言葉を確認して、図にしました。
彼女は「どっちにしようかな」と持ちかけてくる前から、「熱めのシャワーにしようかな」とはうっすら思っていたようです。
そこでわたしがちゃべちゃべと*前述の避けたい返答の例のようなことを言えば、「自分でちゃんと決められた」と思える機会や成功体験、うれしさを奪うでしょう。
(*ちゃべちゃべと=お節介にも、の意味の石川弁)
また、自分が決めていないことをやるのは、ただでさえ寒くて億劫な入浴が、さらに億劫になるでしょう。
そうならなくて良かった。
シャワー後の読書の時間は、きっと充実したものになったのではないかなあと想像しました。
実際、本人も「なんだかバラバラの紙をトントンと整理してもらった気分だ」と言っていました。
この裏にあった、わたしのジレンマ
今回のことは、もしかしたらわたしのクラウドでもあったかもしれません。
今回の解決策を取ったことで、以下のようなことができたと思います。
妹本人が考えることで、わたしは省エネできる
「教育のためのTOC」のフレームワークを使うことで(厳密には図を描きながら話したわけではないけど)、わたし自身にとっても意義のある会話になるし、それはつまり良い話し相手になることにつながる
妹は、自分で納得のいく結論が出せる(出せた)
こうして書いてみるとこのクラウドで出た解決策は、家族との話の場合に限らずとも、人の課題に自分のパワーを投資しすぎて結果的に人疲れする、というわたしにとってより一般的なシーンにおけるひとつのアイデアかもしれないと感じました。
今回は幸い取るに足りない話題で試したことではありましたが、こうしてフレームワークや質問に頼ることができれば、自分のリソースをよりうまく使えるのだなと思えた体験でもありました。そしてそのことがまた、相手に気持ちよく振る舞える余裕をつくるという好循環につながるのかもしれませんね。