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カレンの人たちに教えてもらった機織り②



カレンの村で、機織りができるようになったら
織ってみたい物がありました。
みんなが赤ちゃんや小さい子たちを
おんぶするのに使う布。

首が座る前の小さな頃から横抱き抱っこで
なんなら走れるくらいの大きさになっても
おんぶに使えます。
ただの布なので、サイズが自由自在。
しかも、おんぶで寝てしまったら
そっと前に回しておろし、
結び目を解けば寝かせることもできます。

柄は、赤と白で作るもののようで
わたしは白地に赤いしまに決めました。

まずは経糸(たていと)を張っていきます。
師匠のおばさんが、
黙って準備をして、糸を巻き始めます。
いつものように解説はなしで。
でも今度は、いつ交代しても困らないよう
しっかり見ていました。
いくつか穴の空いた平たい木の板に
穴のところに細い木の棒が立ててあり
そこに糸を巻いて、
大きな平たい楕円の輪っかを
作っていくイメージです。
両端1.5メートルくらいでしょうか。
二、三歩行ったり来たりしながら
巻いてゆきます。

白糸を20  回巻いた後、
糸を変えて赤い糸で5回巻く、
の繰り返しのよう。
いよいよわたしの番です。
しっかり心の中で数えながら丁寧に。

20回終わったら色を赤に変えます。
今日は順調、と思い始めた頃
「はい、色変えて」
まだ19巻きの時に声がかかりました。
あっやっぱり数え間違えてたか‥
ところが今度は20になっても
声がかかりませんでした。
おばさんは「まだ」と言うばかり。
22 でようやく「バリ(もう充分)」
OKが出る時もありました。

わたしは元々
たくさんの数を数えたり、
長さや量を測るのががちょっと苦手。
こう書くとなんだか恥ずかしいけれど
数えるたび違う数になったり、が
よくあります。

最初は、また自分の数え間違いかと
思いましたが
それにしてもちょっと多すぎ?
こんなに真剣に見ているのに。
「おばさん、いくつごとで色変えるの?
20?じゃない?」
すると

「数えてない」

「目で見て、ちょうどいいな、
と思ったら変える」
とのこと。
なるほど!

その時は売っている糸でしたが、
手で紡いだ糸ならなおさら
糸自体の太さが均等とは限りません。
目で見て、ちょうどいいな、と思ったら
それが一番ちょうどいい。
そりゃそうに決まってる!
それに、自分で使うものなんだもの、
自分が「いい」と思うのが一番です。

こんな考え方なら
わたしにも続けられるかも、
と思った機織りスタートでした。


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