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別にいいじゃん、離婚遺伝子/不倫遺伝子

 一夫一婦制に向いていない人、つまり
広く浅くいろんな人を愛したいタイプと、
ひとりの人を一途に愛し続けたいタイプ、
遺伝子的にはほぼ半々の割合なのだそうです。

ちなみに、
表題の「離婚遺伝子」と「不倫遺伝子」は
実は同じものです。
男性に出ると「離婚遺伝子」
女性だと「不倫遺伝子」と呼ばれるんですって。
脳科学者の中野信子さんの本で知りました。

 わたしには、不倫遺伝子があるのだ、
とずっと思っていました。
そんなに気が多いわけでも
ないかもしれないけれど、
一人の人に一途に、みたいな
忠誠心もないし。
いつ何が起きるかわからない、
みたいな危うさを自分に感じていて。
自分で感じるくらいだから、
そりゃ元夫は不安だったんじゃないかな
と気の毒に思います。


 わたしの父は再婚でした。
それを知ったのは、父が癌で亡くなる直前
わたしが二十歳の時。
みっつ上の姉の他に、あと二人、
もっと大人のお姉さんがいる!
そう聞かされた時は、期待に胸が躍りました。

しかし現実はそう甘くはなく‥。

姉やわたしが生まれた頃には
両親は結婚していたと思うのですが
どうも、ふたりの関係には、世間的には
「不倫」とされる時期があったようです。

腹違いの姉や、父の先妻との対面から
そうだったらしいな、と感じただけですが‥。
自分では何も知らなかった間に
憎まれ、疎まれていたことも。

自分でも不思議なのですが、
そのことについて
両親を責める気持ちや
汚らわしいとか不快に感じることは
なかったと思います。
ただ、その時から、
自分には不倫の遺伝子、
不倫のカルマがあるのだろうな、と
信じ込んでしまったようです。

いつかこの件で
父と同じように少しだらしない
弱いところが露呈するとか、
または逆の立場になって
制裁を受けるのかもしれないな、
と思っていました。
図らずも勝ち組側になってしまった
罪悪感とも言えるでしょうか。


最近まで
その罪悪感を大事に大事に連れて
人生を旅して来ましたが、
つい最近になって
「別にどうでもいいじゃん」
って。

早いもん勝ちの問題でもないから
結婚してからもっと強い運命の人に
出会っても何も不思議じゃないし、
そもそも人と人なのに
誰かのモノ、みたいなの
なんでなの?


わたしは
ポリアモリーでも(たぶん)ないし、
今はパートナーがいないので
本当にどうでもいいんですが、
早くそういうのを責め立てない
社会になるのを見たいなぁ


そんなふうに考えていたら
カルマ的な罪悪感も
消えてきたように思います。


なんでこんなこと書きたくなったのかというと、
きっかけは、Tverで「グランメゾン東京」
を観たことでした。
鈴木京香さん演じる倫子さんが、
自分は愛人の子だ、って
生い立ちを話す場面が出てきます。
そのことは、話の筋的には
必須じゃないと思うのだけれど
とてもさらっと扱ってくれたので
救われた気がしました。
ちゃんと立派な大人になっている人を見て
安心したのかな。
罪悪感なんて要らなかったんですね。

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