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どこで死のうが一緒だ〜カレン族の長老日本へ①〜
二十数年前、カレン族の長老宛てに
東京都の水と森のなんとかフォーラムに
招待が来ました。
パネリストとして登壇してほしいとのことでした。
わたしたち夫婦(当時)は
それをご本人にお渡しする役目を仰せつかって
長老が滞在しているNPOのオフィスを訪ねました。
これこれこういう会議が日本であるそうなんですが
日本に行ってお話ししていただけますか?
すると長老は、間髪入れずに
「行こう」
その場で立ち上がりました。
「まさか今からじゃないです!
会議は2ヶ月後。
今は行けるかどうかのお返事だけ。」
と言ったら
肩からかけたカレンの手織りのバッグから
パスポートを取り出して
「パスポートはいつでも持ってるし、
人間どこで死のうが一緒だ」
長老にとっては
山の上の自宅のある村から
チェンマイの町にでて来るのも、
チェンマイから外国へ行くのも、
どちらたいして変わらないんだな・・・
違うのはパスポートが要るか要らないか
くらいなのでしょうね。
長老のお子さん達が幼い頃
週に一度開いていたという家族会議や
村の人たちや他の民族との連携の中での
リーダーとしての活動
大きな集会での万単位の人の前での演説
タイ国内の著名な学者たちからも尊敬され
国の顔と言える存在になっていること
もちろん、一家庭人や
一人の人間としてのご自身も含め
どれも大切で
どれもその価値に差は無い、
大した事じゃない、
という普段の姿勢そのままでした。
しかも、
人生に必要なものは
全てそのカレンバッグに入っている
という・・・