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ベビーハンドリングテクニック

聞き慣れない言葉だと思います。これは、赤ちゃんへの日常のケア、つまり取り扱い方(ハンドリングテクニック)のことを指します。

以前の記事で、この赤ちゃんの日常ケアを正しくできなかった場合、片方の筋肉だけを使ってしまったり一方に向いたままになったりして、それが向き癖や体の使い方の左右差を生んでしまうことをお話しました。
言い換えれば、正しいハンドリングを行うことで赤ちゃんの歪みのない発達を促すことができます。

このハンドリングテクニックについて知ったのは、私が代表理事をつとめる一般社団法人 国際母子ケア協会で「バランシングセラピー」セミナーの講師でもあるカリン先生からでした。彼女は小児理学療法士で、長年の経験からこのバランシングセラピーをパートナーの小児科医トーマス先生と一緒に生み出した方です。ドイツの理学療法士や赤ちゃんを扱う専門職では当然の知識と技術が、遠い日本ではまったく知られていないということにお互い驚いたのを覚えています。

私が助産師として活動していくなかで、まず私が受けた教育がベースになっているはずですが、思い返しても赤ちゃんの取り扱い方について学んだ記憶はまったくありません。まさに「見様見真似」で、病棟の助産師がやっているように私達助産師学生も赤ちゃんを抱き上げたりおろしたり。沐浴の仕方や授乳の介助などはもちろん学びましたが、赤ちゃんを扱う基本動作はまったくもって「やって当然」の動作と捉えられていたようです。
今から考えると不思議なほど、基本的な動作を教えられないことにまったく疑問も持っていませんでした。

しかし赤ちゃんの発達を専門に学んでいくと、私が当然のように行っていたことや疑問にも思わなかったことを再検証する必要性が見えてきました。「本当に正しいのか?」「エビデンスに基づいたことなのか?」は実践することすべてに当てはめていくことが必要です。昔のように「技術は盗め」といった根性論では通用しなくなっていますし、行っていることすべてはエビデンスに基づいてなされなければなりません。

もちろん日本で行われていることで、ドイツではまだまだ認知されていないこともあるのだと思います。一方的に日本の技術や臨床が遅れているとは思いません。どこであろうとも、実践している事柄をいろいろな角度から照らし合わせ、それが間違っているとしたらその時点で修正が加えられるべきでしょう。
その一つがこのハンドリングテクニックだと思います。

日本の助産学の教科書に取り入れるのを待つまでもなく、学生や臨床から変えていくことで将来的には教育の内容として取り入れて欲しい事柄ではありますが、まずは今、扱っている赤ちゃんから正しい扱い方をしてもらいたいと思い、セミナーやワークショップを行っています。
助産師会出版セミナー
去年から開始し、すでに250名近くの助産師が学んでくれています。助産師学生も100名近くが習得しています。
この知識と技術が一般的なケアとして臨床で使われるようになるのが私の願いです。それにより妊娠中や産後すぐからハンドリングが正しく行われ、前回の記事のように生後3ヶ月での赤ちゃんの変形性斜頭症の出現率や増悪を軽減できるのです。これは将来的な赤ちゃんの体の使い方、一生にわたって使う体の基盤をしっかりとしたものにできることを指します。

現在では、このハンドリングテクニックを学び、教えられる助産師は全国にいます。ぜひお近くの教室で習ってください。妊娠中や両親学級などで学ぶことで、パパもママも赤ちゃんが生まれてすぐから正しい取り扱いができるようになります。
この赤ちゃんの正しい扱い方によって、赤ちゃんの持っている可能性が最大限発揮できる体の基盤を作るお手伝いができるのです。

より多くの方がこの技術を学び、ベーシックケアとして周知されることを願ってやみません。

*この記事の目的は、赤ちゃんの発達に長年関わってきた助産師カーティーが赤ちゃんの健やかな発達を願ってより良いケアと正しい知識を皆さんと共有したいと思って解説しています。ぜひフォローやスキ♡してくださいね!
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知識と技術は皆さんと分かち合うことで、さらに磨きがかかります!自分だけのものにしないでドンドン積極的にオープンに出し、基本的な赤ちゃんのケアとして広まり、健全な発達を遂げてしっかりした基盤のある体を使いこなせる人生を送れるよう発信していきます☆彡

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