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地域創生の型No.3 大学を核とした地域共創

週明けの朝、社内定例の中で、地域での共創を成功させるための仕組みについて議論になりました。何かの成功事例があったときに、その成功要因として「キーマンが居たから」とか「結局は人が大事」みたいな結論が導き出されているケースって多いですよね。
でも、そんな事言ってるから、「車輪の再発明」が繰り返されて各地でゼロから取り組むような無駄な事が発生しているのだろうと思います。今回は地域で共創を起こすための仕組みについて考えました。特に、自治体や大学等研究機関・団体の方々に読んで頂きたいです。

なぜ共創が大事なのか?

人々が抱える課題や社会課題を1社の製品、1社のサービスで解決できることもありますし、昔はそれが多かったのだと思います。現在では技術の高度化が図られてもなお解決されない課題が残り、テクノロジーの進化のスピードが速く、人口構造やグローバル化といった環境の変化が激しい中、複雑化する社会課題を1つの企業、1つの自治体で解決することが難しい状況にあります。だからこそ、産学官民といった多様なステークホルダーによる「共創」が重要視されてきました。

なぜ共創はうまくいかないのか?

共創は多様なステークホルダーを巻き込む必要があります。共創の目的(ゴール)への「共感」があって集まったステークホルダーであっても、それとは別にそれぞれの目的(狙い)があって参加しており、見ているユーザが違ったり、得たいメリットが異なるので、「総論OK、各論NG」という状態になり、前に進みません。例えば、「高齢者」をターゲットとした共創の場合でも企業は「富裕層の高齢者」のみをユーザとしてみていたりするケースなどは容易に想像がつきます。こうした各ステークホルダーの目線や得たいメリットを踏まえ、全体をデザインしステークホルダー間を調整する機能が必要になります。
まず、この調整機能を担える人材がいない、という事が多いのです。

なぜ共創は広がらないのか?

では、うまくいった事例はどうしてなのか?この「調整機能を担う人が居たから」というのが答えです。うまくいった事例には必ず「○○さんというキーマンが居たから」といった結論が導き出されるケースが多いのですが、そこで止まってしまうのはあまりにも再現性が低い。もちろん、その人の魅力やキャラクターが重要なのは当然ですが、車輪の再発明をしないために重要なのは、そのキーマンが➀社会課題を解決する共創スキームをデザインし、②そのスキームにおいてキーマンが有するネットワークを駆使しまたは広げながら各ステークホルダーとの調整機能を果たしたからです。
誰にでもできる事ではありません。

共創の核となる存在の重要性

そこで重要になるのが、地域の大学の存在です。社会アジェンダを整理し、研究成果に基づき科学的エビデンスを社会に提供しつつ、企業等と共にソリューションを開発し、自治体や市民と連携しながら社会に実装していけるのは大学しかない!と思っています。
今後さらに研究者が社会アジェンダを意識することによって、社会アジェンダに基づいた研究が進み、産学官民の4者による共創・社会実装が進められることが期待されます。地域の大学を核に、地域共創を進めていくことが現代の社会課題解決のカギになるはずですが、残念ながら、現状はそうしたノウハウも人材も不足しており、地域の大学がその機能を果たしているとは言い難い状況です。
そこで、私たちは、大学と連携した共創の場づくりや共創人材育成のモデル化を試みています。

共創の場づくりの型と人材育成の型

大学を核にした地域共創のモデル化とはどのようなものか?
1つは「共創の場づくりの型」の試み。そして、もう1つが、その共創の場づくりの型を使って共創を実際に進めていく人材育成の試みです。横浜市立大学の先生方を中心に「人材育成の型」を開発してきました。

1.共創の場づくりの型「クアトロヘリックス(4重らせん)キャンプ」

私たちは産官学民4者による共創を1泊2日で実践するプログラム「クアトロヘリックスキャンプ」を提供しています。クアトロヘリックスキャンプは、たった2日間で社会アジェンダに対する「共感」を形成し、ソリューション開発のための共創を計画に落とし込み、実際のアクション・プロジェクト化につなげることを目的に開発されたワークショップ型プログラムです。

クアトロヘリックスキャンプの構成

これまで実際に開催し、共創Teamが誕生しています。開催レポートもご覧ください。

2.人材育成の型「ビヨンドURA人材育成プログラム」

横浜市立大学の先生方と先ほど述べた共創におけるキーマンたちが持つ素養を分解し「研究成果を活用しセクターを超え共創し新しい価値を生み出せる人材」をビヨンドURA人材と定義し、これからの科学技術イノベーションに向け必要なスキルを身につけて頂けるよう、社会人育成プログラムとして構築し来年度よりスタートします。
11月12日にキックオフイベントがありますので皆さまぜひご参加ください。大企業で新事業開発に携わる方は必見です。

最後に

私たちは複数のCOI-NEXT拠点をサポートさせていただいています。その中で、地域創生のあるべき姿として「大学を核とした地域共創」がその1つであると確信するようになりました。
1つでも多くの地域に共創の輪を広げて行きたいと思っております。取組にご興味のある方はご相談ください。ご一読いただきありがとうございました。


当社が企画‧運営する、日本発のオープンイノベーション‧イベント「クアトロヘリックスキャンプ」は、異なるバックグラウンドを持つ産官学民の4者が協働し、新たな共創の場を創造します。具体的には、特定のテーマに沿って革新的なアイデアを生み出し、実社会にインパクトを与えるプロジェクトの創出を目指します。本イベントでは、地域の強みを生かしたテーマ設定や、参加者(特に地元企業や自治体)の熱量をもとに、共感を生み出し、共創へとつなげる2日間のプログラムと思考のフレームワークを重視しています。
今後も全国各地で「クアトロヘリックスキャンプ」を開催してまいります。キャンプの開催や参加をご希望の地域企業‧自治体‧スタートアップの皆様は、以下の方法でお気軽にお問い合わせ‧ご相談ください。
<自治体・地域企業の皆さま>
当社お問い合わせフォームよりご連絡ください。担当者よりご連絡を差し上げます。(問い合わせ内容は「その他」をお選びください)当社お問い合わせフォーム:https://forideal.jp/contact/
<スタートアップの皆さま>
「クアトロヘリックスキャンプ」にご興味がある方は、当社お問い合わせフォームよりご連絡ください。担当者よりご連絡を差し上げます。(問い合わせ内容は「その他」をお選びください)当社お問い合わせフォーム:https://forideal.jp/contact/
また、当社では、社会のあるべき姿を共に描き共創していく当社パートナーとして、「SDGs STARTUPS」を随時募集しております。「SDGs STARTUPS」の皆様には、当社HPのコミュニティページにロゴを掲載するほか、当社が開催する各種イベント情報をいち早くお届けしています。SDGs STARTUPSとして共創をご希望の方は、上記の当社お問合せフォーム(コミュニティへの参加について)よりお気軽にご連絡ください。



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