AI時代の文章、誰が書いているかが重要になる
前回ChatGPTの記事を公開したところ、多くのマガジン登録、Twitterシェアをいただき、ありがとうございました!
きつね0号@あおさんにはnoteで取り上げていただき、ありがとうございます!
ChatGPTなどのAIツールによる文章作成が世間をにぎわせている今。
アメリカの学校ではすでにChatGPTの使用が禁止されています。
国際会議ではChatGPTなどのAIツールで科学論文を書くことが禁止されました。
日本でも、多くの学校で使用が制限されることが予想されます。
私はWebコンサルタントで、大学の非常勤講師をしています。
数日後に大学でWebライティングの授業がはじまりますが、ライティングにAIツールを使うことを許可しないことに決めました。
AIツールの登場よりいったいどんな社会になるのか?
Web上の文章は、何が書かれているかより誰が書いているかが重視されるようになるでしょう。
Googleの時代からChatGPTの時代への変化を紹介した上で、私がAIをライティングに使わない理由、AI時代を生き抜くための考え方を述べましょう。
1. Googleの時代からChatGPTの時代へ
1. Googleの歴史
Googleは2000年に日本に上陸しました。
Googleの使命
私は2007年からYahoo!関連ホームページ制作会社にてWebディレクターとして勤務していました。
Yahoo!検索ユーザがGoogle検索ユーザより多かったころ。
Yahoo!検索エンジンに上位表示させることに特化した会社で働いていた私の思い。
Googleは公序良俗に反する危ない情報を多く載せている。
Yahoo!は日本向けであり安全性が高い。
しかし、時は流れ、Googleの検索エンジン技術が進化したため、Yahoo!は2010年7月27日にGoogleの検索エンジンを自社に採用します。
いまでは(2023年2月時点)、日本の検索エンジンのシェアはGoogleが約78%とダントツです。
2. Googleの検索上位表示基準
Googleは検索結果の上位表示に主に3つの基準を採用していると考えられます。
他のサイトからリンクされている(被リンク)
オリジナリティの高い内容(コンテンツ)
専門性
最近では、専門性が重視されるようになりました。
実際には200以上の指標があり、上記3つは代表的なものです。
3. 誰が書いているかが重要
専門性については、E-A-T(専門性、権威性、信頼性)が重要と公言されています。
2022年12月15日には、より適切な評価のためにE-A-TにE「経験」が追加されました(E-A-T-E)。
実際に製品を使用している。
実際にその場所を訪問している。
誰かが経験したことを伝えている。
実体験をもつ人が作成した記事が、専門家の記事よりも高く評価される場合があります。
4. ChatGPTの出現
Google一強のなか、2022年11月30日にAIチャットサービスChatGPTが誕生!
ユーザ数はたった2カ月で1億人を突破しました。
MicrosoftはChatGPTを開発したOpenAIに巨額出資。
ここからMicrosoftの逆襲が始まります!
Google「やばい!」
Microsoftは、いままでぱっとしなかったMicrosoft検索エンジンBingにChatGPTの機能を搭載。
※いまではGoogleChromeでも拡張機能WebChatGPTを入れれば利用できます。
危機を感じたGoogleは3月21日にChatGPTに対抗したBardをアメリカとイギリスで公開しました。
※日本ではまだ公開されていません。
5. ChatGPTは社会を大きく変える
これまで検索エンジンにキーワードを打ち込んで様々なサイトを閲覧、「ああこれじゃない」と答えを探し求めていた人々。
チャットの場合は文章で質問するので、より個人に合った情報を教えてくれます。
一度スマートフォンを使った人間がガラケーを使えないように、いづれ多くの人々が検索よりもチャットする時代になるでしょう。
ただし、まだChatGPTは不正確な情報をドヤ顔で言いますので、検索が急になくなることはないでしょう。
6. AIによって消える仕事・生き残る仕事
AIツールの登場により便利になる分、デメリットも。
多くの仕事がなくなってしまうのではないか?
アメリカでは弁護士が失業すると言われています。
他にも、翻訳家、システムエンジニア、資料作成などの業務的な仕事は減少するでしょう。
Webライターさんを例に挙げると、Web上の情報をまとめるだけの仕事は減っていきます。
一方、専門的な内容、インタビュー記事、ニュースなどのリアルの世界の一次情報を書く仕事は今後も残るでしょう。
2. AIをライティングに使わない理由
1. AIはWeb上の情報の寄せ集め
私はAIツールをライティングには使っていません。
Web上の情報の寄せ集めだからです。
Notion AIを例に述べます。
NotionAIは、ChatGPTよりも速く、正確で、自然な文章を作ることができるAIです。
用意されている多くの指示のなかから一つ選んでクリックするだけで、指示どおりの文章が出来上がります。
指示のなかには「長くする」「続きを書く」もあり。
理由や具体例を入れて長くしてくれます。
ありふれたことを爆速で書きはじめるNotion AI。
(私が言いたいことじゃなくて一般論だな)
無駄に文章を引き伸ばしてしまうだけの場合も多いです。
2. Web上の情報は少ない
リアルの世界とWebの世界を比較すると、Web上の情報は少ないです。
もともとGoogleの創業者は「世の中のあらゆる情報をWeb上に載せたい」と語っていました。
Web上に一次情報が少ないことも問題です。
AIには最新情報が反映されていないことも多いです。
※AIに最新情報が出るようになりましたが、本当にいままさにこのときの情報はありません。
3. オリジナリティを大切に
1. オリジナリティがすべて
私はいつも誰ともかぶらない内容をnoteに書いています。
情報元として使うのは、本や実体験。
例えば、入手困難な半世紀以上前の本、海外の最新研究結果を自分の意見を加えて紹介しています。
ところで、文章術の本は人気があり、どんな職業の人が書いても売れている印象があります。
書かれていることの根本をたどっていくと、あるアメリカの文章心理学者にたどり着きました。
私がこの方の考えを紹介する記事を書いたら、私が初めてWeb上にこの方を登場させることになります。
(いつか紹介できたらいいな)
2. 専門家が書くべき
AIには、正しい情報と誤った情報が混在しています。
専門家は、正しい情報かどうかを判断できます。
判断は人間にしかできません。
書く作業はAIではなく専門のライターが行わなければ、不確かな情報をWeb上に撒き散らすことになりかねません。
3. 経験のある人間が書くべき
専門家が書く以外にも、経験のある人が書くのもよいでしょう。
Google検索でも、専門家が書いた内容よりも経験のある人の記事を上位表示させる場合があると前述しました。
昨年の大学4年生が書いてくれた記事(の概要)を2つ紹介します。
4. 誰が書いているかが重要
ゆうた さんが拙著『一生使える Webライティングの教室』の感想を書いてくださいました。
ありがとうございます!
「自分が何者であるか(が大事)」と、一番伝えたかったことをずばっと言い当ててくださって、うれしいです!
記事はオリジナリティが大事であり、「誰」が書いたかが重要です。
文章力は内容よりも重要ではありません。
内容がよければ読みにくくても読まれます。
その上で、内容よりも書いた人のほうが大切です。
例えば、発達障がいの当事者である西川幹之佑さんが書かれた『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』は当事者の視点から書かれているので大変価値があるのです。
これからAIライティングの記事が増えると予想される世の中、ますます書いた人物が「誰」であるかが重視されるでしょう。
3. まとめ
一言でまとめますと、AIツールの誕生により、「誰」が書いたのか、書いた人の属性や背景がより注視される世の中になるでしょう。
私はAIツールはライティングではない別の使い方をするとよいと思っています。
次回、おすすめの使い方を紹介します。
[2023/4/22追記]
後半編「Notion AIで文章力を上げる3つの方法」を公開しました!
※本記事で使用している写真(アイキャッチ画像含む)は、Canvaで画像生成したものをPhotoshopで加工したものです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
お礼
いつも私の記事をTwitterやnoteで紹介してくださるみなさんへ
いつもありがとうございます!
励みになります!