画像の下の文「キャプション」は本文の2倍読まれる?
「書籍の表紙を撮影してWeb上に写真をアップしてもいいの?」
いただく質問のなかで、写真に関するものはたまにあります。
世の中、AI 関連のニュースも多く、著作権についての関心度が高くなっていますね。
しかし!
画像の下の文、画像の説明文である「キャプション」については、一度も質問をいただいたことがありません。
▼キャプションをオレンジ色で囲んでみます。
キャプションはよく読まれる。
(しかし、一般的なWebページでは画像を載せて終わりが多い気がする)
そこで、今回はキャプションについて説明しましょう!
その前に、最初の質問にお答えします。
「書籍の表紙を撮影してWeb上に写真をアップしてもいいの?」
書籍の表紙を撮影して、Web記事やSNSにアップしても問題ありません。
確認の必要もありません。
詳しくは、別記事で著作権専門の弁護士さんから教えていただいたことを紹介する予定です。
今回は、キャプションについて!
キャプションを入れるメリットから書き方まで紹介します。
■ この記事を書いている人
・Webコンサルタントで、大学の非常勤講師。
・Webライティングの講義を担当している。
1. キャプションは読まれやすい
1. 人にとって重要なのは画像よりも文字
人は画像より文字の部分を見ている。
人は画像を補助的に見ており、主に見ているのは文字の部分です。
これは、2020年刊行の"How People Read Online" の調査データで明らかになっています。
2. 画像は補助
画像は文章の補助なので、画像だけで理解してもらおうとすると問題が起こります。
例として、飲食店のメニュー表を挙げましょう。
メニュー表全体の写真(50点ほど載っている)。
キャプションなし。
本文では「こちらの写真はメニュー表です。この金額、ものすごいですね!」とある。
全体を写しているため、メニュー名や金額が小さく、何が書かれているか見えません(つぶれている文字もある)。
金額が高いのか安いのかも説明がないのでわかりません(「ものすごい」と言われてものすごい困ります笑)。
人はWeb上で解読させられることに強いストレスを感じます。
書き手は「写真見てよ。写真に載っているでしょ」と思うかもしれません。
しかし、説明文がないと理解しづらいのです。
写真があったとしても具体的に何の写真かを伝える必要があるでしょう。
3. 画像の下の文は本文より読まれやすい
「広告の父」と呼ばれたデイヴィッド・オグルヴィによると、平均すると、写真の下のキャプションを読む人は本文を読む人の2倍いる。
デイヴィッド・オグルヴィ(1911年6月23日 - 1999年7月21日):
88か国で事業を展開したイギリスの広告会社WPPの社長。
売れる広告の調査のために当時のレートで約15億円かけた。
1963年1月刊行の『ある広告人の告白』("Confessions of an Advertising Man") は100万部を超えるベストセラーに。
オグルヴィの調査は、紙媒体の広告を対象にしています。
Webでは具体的な平均値はわかりませんが、視線追跡調査からは同様の傾向が見られます。
Webでも画像の下の文字は本文より読まれやすいです。
オグルヴィ「写真の下にキャプションをつけずに使用することは決してすべきではない」
参考:lannigan.org "How to Create Advertising that Sells" 参照2024年11月22日
2. Webでキャプションが必要な3つの事情
Webでは紙媒体同様「読まれやすい」という理由以外にも、下の3つの理由からキャプションが必要です。
通信環境の影響を受ける
画像は重いため、通信環境が悪いと文字が表示されていても画像部分だけ表示されないことがあります。音声読み上げに対応する必要がある
視覚障害のある方が画像の情報を聴覚を使って得られるようにする必要があります。興味のある人が記事にたどりつけるようにする
検索エンジンに画像の意味を知らせることにより、興味のある検索ユーザーが記事をみつけやすくなります。
キャプションを入れることにより、通信環境対策、視覚障害者対応、検索エンジン最適化と3つの事柄が実現できます。
実は、画像の意味を伝える方法はキャプション以外にもあります。
しかし、キャプションに情報がすべて入っている場合は他の方法を使う必要はありませんので、ここでは省略します。
3. キャプションの書き方
ここからは、どうやってキャプションを書いたらよいか例を挙げて解説していきましょう!
私は「なぜ画像を入れる必要があるのか、意図を示す」ことが重要だと考えます。
なぜその位置にその画像があるのか。
どうしてその画像がなければならないのか。
具体的であること、画像の持ち主を示すことも大切です。
1. 事例
あなたは、下の画像を見て、何の写真だと思いますか?
会議室のような場所に人が集まって座っている。
前にスクリーンがある。
何かの発表会?セミナー?講演?
写真だけではわからないですよね。
これは「官公庁でのWebライティングの研修」の写真です。
私が伝えたいことは何か?
ちょっと言語化してみます。
官公庁の方々がnoteを使って情報発信する時代になっている。
依頼をいただき、Webライティングの研修講師をさせていただいた。
みなさん真剣に取り組んでくださった(終了後には質問に来てくださる方も!)。
具体的な情報、「どこで」「いつ」「誰が撮影したか」も振り返ってみます。
某所にて
2023年2月20日
筆者の関係者による撮影
※場所を明かす許可をいただいていないので、名前や場所はふせます。
さて、キャプションを作成してみました!
前半に伝えたいこと(意図)、後半に具体的な情報を入れています。
伝えたいこと:官公庁がnoteの書き方を積極的に学ぶ時代になってきている。
具体的な情報:Webライティングの研修(講師は筆者、某所にて2023年2月20日に筆者の関係者が撮影)
意図を伝えてから詳細情報を具体的に簡潔に書くことがポイントです。
※必要な情報だけでかまいません。
※キャプションは改行しません。
2. 著作権の所在を明らかにする
誰が著作権を持っているかを知らせるために撮影者名を書き添えましょう。
忘れがちなのは自分が撮影者の場合です。
自分ではわかりきっているので入れない傾向にあります。
しかし、読み手は誰が撮影したのかわかりません。
どこかでひろってきた画像かと思われてしまうこともあります。
自分で撮影した写真はオリジナルで価値の高いものです!
例えば、下の形で文の終わりに書き添えましょう。
「筆者撮影」と書く。
自分の名前を書く(例「撮影:山田太郎」)
4. まとめ
1. キャプションは重要
本文よりキャプションのほうが読まれやすい。
Web特有の事情を考慮する。
キャプションを入れることにより、通信環境対策、視覚障害者対応、検索エンジン最適化と3つの事柄が実現できます。
2. キャプションの書き方
写真の場合の事例を挙げて、書き方を紹介しました。
大事なポイントは2つ。
写真を入れた意図を伝える。
具体的に伝える(どこで、いつ、誰が撮影)。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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