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Webライティングの教育を広めたい
2023年、明けましておめでとうございます。
私は名古屋にあるWebコンサル会社の経営者で、大学の非常勤講師をしています。
大学ではWebライティングの講義を受け持っています。
私の知る限り、Webライティングの授業は全国で私のものしかないようです。
今年最初のnoteでは、私が経験してきたWebライティングの教育の「過去」「現在」を紹介しましょう。
2022年よく読まれた記事No.2「文章力を上げる意外な本1選!知らないと損する至極の一冊」の後半編とも言える話題も登場します。
一緒に旅する感覚で読んでいただけたらうれしいです。
文字数10000文字ほど。
1. いまの学校教育の課題
旅の前に、いまの学校教育の課題についてお伝えしておかなければなりません。
Webライティングはニーズの高い反面、日本では教育の追いついていない分野です。
インターネットの普及により、Web上で文章を書く機会が増えました。
紙で読まれる文章の書き方は国語の授業で習います。
しかし、Web用の文章の書き方については教わることがありません。
10代からWeb上で情報発信することが当たり前の時代。
Web上での表現力が、そのまま個人の将来にも影響を及ぼします。
2. Webライティングの授業の誕生
Webライティングの授業は、2019年東海学園大学ではじまりました。
何か他校にない特色のある授業がしたいと考えられていたそうです。
大学から「Web上での表現力を上げる授業」をしてほしいと依頼を受けたとき、どのような授業にしたらよいか、考えました。
人文学部なので、ライティングがよいのかな?と思いつつ、一年目はWebの歴史やWebサイトのしくみ、Webリテラシー等も盛り込んだ授業を行なっていました。
私が授業を担当するきっかけとなったのは、2017年名古屋大学大学院でWebマーケティングの授業を受け持った際お世話になった先生からの紹介です。
3. Webマーケティングの授業(大学院)2017
大学院では、主に講義形式で授業していました。
ちょうど大学が起業家育成プロジェクトを行なっていたころ。
学校が支援して学生を起業させる試みです。
参加していた学生から、プロジェクトのメインは集団でアイデアをたくさん出し合うこと(ブレインストーミング:略ブレスト)だと聞きます。
「いまは企画を考えるのが流行りなのかな?」
私は講義形式の授業を行なっていましたが、一回ブレストの授業をしてみることにしました。
※起業家育成プロジェクトは、東海地区では国立5大学でのみ実施されており、全国的にも珍しいです。
授業中、大学院生から受けた質問。
「ペルソナってターゲットみたいなものですか?」
ペルソナとは、特に重要で代表的な架空の人物像のことです。
ターゲットは属性です。
ペルソナには属性に加えて、趣味や好きなこと、日常の過ごし方、今後の課題や希望など人らしさがあります。
ペルソナについての質問は、そのうちなくなるでしょう。
なぜなら、簡単ではあるものの、新課程高校の情報の教科書に載っているからです。
情報は2025年から大学入学共通テストの受験科目になります。
誰もが知っていることになるに違いありません。
4. Webライティングの授業(大学)2019〜
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1. 授業内容
大学院ではグループに分かれてブレストしていましたが、大学では(Webライティングなので)一人で行う一人ブレストに。
「Webツールを使用して調査する」「分析する」「企画立案する」といったWebライティングの前段階から、ライティング、リライトまで各自作業する形で進行します。
一年目は講義形式が多かったのですが、二年目以降、どんどん学生が主体となる演習形式を増やしました。
三年目にWebライティングの演習メインの授業という最終形態が完成します。
2. 授業の様子
授業はパソコンのある大きな教室で行なっています。
マイクを使わないと後ろまで声が届かないくらいの広さです。
あまり前にはおらず、学生のところへ行ったり、一番後ろから全員のパソコン画面を見たりして進めている時間が多いです。
3. 授業の流れ(90分)
今日の授業の課題を提示
説明
各自作業
前のスクリーンにレジュメを映し、授業前半で今日取り組む課題について説明します。
後半は各自パソコンを使って手を動かして学びます。
来週までに課題を提出。
だいたい授業外学習時間は週平均2時間です。
次の週には、(他の人の課題も見られるように)提出された課題から5つくらい紹介し、前回の授業を振り返ります。
全員素晴らしいので、名前は出さず特徴的なものを紹介するようにしています。
4. 2023年のシラバス
「シラバス書かないといけない」
noteを書いていて、シラバスの締切がもうすぐであることを思い出しました。
学生は、毎年賢くなっていきます。
そんなに説明しなくてもわかるようになっていきます。
※若いほうがITリテラシーが高いという意味です。
2022年から、ありがたいことに教科書ができたので進めやすくなりました。
学生の理解度が向上し、表現力も伸びました。
もともと教科書があったほうがやりやすいのでほしいと思っていたのですが、いま振り返ると教科書を作るのはだいぶ大変でした。
ここからは、教科書ができるまでの出来事を紹介した上で、2022年の中高特別授業についてお話していきましょう。
5. 教科書ができるまでの出来事
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1. 知り合いの先生に執筆のお願いに行く
私は日頃はWebコンサルタントとして、クライアントの黒子として働いています。
表に出る人間ではありません。
私の手元には授業で使ってきたレジュメが大量にあります。
レジュメを渡せば、どなたでも書いていただけると思います。
そこで、信頼できる先生に書籍執筆のお願いをしに行きました。
先生の業績になるので快く書いていただけるのではないかと予想。
ですが、先生がおっしゃるには、私が書いたほうがよいと。
理由はわからないのですが、信頼している先生がそうおっしゃるので、自分で書くことに決めました。
2. どうしたら出版できるんだろう?
「よし!書こう」と思ったものの、どうしたら出版できるのかわかりません。
出版関係に詳しい元編集者でライターの方に相談しました。
「いま出版業界は不況なんです」と言いにくそうに切り出されます。
「ちょっと難しいのではないでしょうか」と教えていただいた私が出版できない3つの理由。
Twitterやnoteのフォロワー数が少ない、本が売れなさそう。
当時(2021年)のフォロワー数は、Twitter10くらい、note20くらいと記憶しています。出版社の編集者という文章の専門家に「文章の書き方」を教える本の企画を説明するのはハードルが高い。
紙媒体の人はWebライティングを下に見ているから、受け入れられなさそう。
本音を教えていただけたこと、大変ありがたいです。
そうか、うまくいく確率は低いということか。
3. 飛び込む
そこで、ダメ元で出版社に飛び込むことにしました。
まず、企画書をしたためます。
書店のIT関係の棚の前で、教育系の書籍を探しました。
その書籍の出版社名をチェック。
出版社さんのホームページのお問い合わせフォームに企画書を送ってみます。
すると、思いがけず1時間ほどで返信いただき、何回かのやり取りを経て出版が決まりました。
こんなにさらっと決まると思いませんでした。
大変ありがたいです。
4. 細部まで丁寧に書く
書籍を執筆することは初めての私。
3年間大学の講義で使用したレジュメをもとに、10代から大人までわかるようにと再構築し文章化します。
私が文章を書く上で、最も心がけていること。
それは「頑張ればできることなのに誰もしないこと」をとことん頑張ることです。
細部まで調べて書く努力は、誰でもできる努力です。
しかし、誰もしない努力です。
例えば、何年のところは年だけではなく何年何月何日と記載。
正式名称、略式名称、用語の意味など、他で調べなくても済むように掲載しました。
マイナビ出版編集の角竹輝紀さんはじめ多くのみなさんのおかげで、無事執筆や校正も終わり、2022年3月に刊行されます。
5. メディアで紹介される
出版から一ヶ月も経たない2022年4月18日、拙著が岐阜新聞に大きく掲載されることになりました。
このとき初めて新聞記者さんからインタビューを受ける経験をします。
(記者さんは紙媒体の方なので)厳しいご意見をいただくかもしれないと思っていたのですが、思いがけず、好意的なお言葉をいただきました。
「我々既存メディアの人間が勉強しないといけないこと」
4月25日にはWebメディア「ナゴヤビト」に、書籍紹介の記事が掲載されました。
長文で詳しく紹介してくださいました。
翌月には、週刊エコノミスト5月24日号で「話題の本」として紹介されます。
6. 中学国語の教科書の存在を知る
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メディア掲載を受け、母校の中学校と高校に書籍を寄贈させていただきました。
まず、中学のお話をしましょう。
1. 新課程中学国語の教科書がハイテク
校長先生は少し前まで教壇に立たれていた国語の先生。
そうお聞きしていたので、事前に国語の教科書を読もうと思い立ちます。
教科書を多く取り扱う書店「ちくさ正文館書店」(名古屋市千種区)さんを訪れました。
実は、2021年秋に高校の情報の教科書はチェックしていた私。
書籍執筆の見直しをした際に、情報の教科書と合うかどうか確認したのです。
小中高の国語の教科書をチェックしたのは、このときがはじめて。
まさか、国語の教科書にWebライティングに関わることが掲載されているとは!
ブレインストーミングが中1国語の教科書に載っていることに衝撃を受けます。
マインドマップを学ぶって最高にいいな。
中学だと「マッピング」っていうんだな。
中1の最初に学ぶ内容に最も感動しました。
「情報を整理して書こう」
1. 目的や相手を明確にして題材を決める
2. 情報を集め、整理する
3. 構成を考える
4. 下書きをし、文章にまとめる
5. 学習を振り返る
最後の「5.学習を振り返る」は発表です。
書き方の流れが中1国語の教科書にも載っている!
マーケティングやライティングの仕事をしている人ならまだしも、書き方の手順を学ぶ機会は少ないです。
教科書には大人が勉強してこなかったようなこと、例えば、スピーチの仕方、インタビューの仕方、メールの書き方等が載っていて驚愕します。
文章の型が出てくるのは中学と知ります。
(小学校にも文章の型はやんわり出てきますし、はたらく人にインタビューして新聞やホームページを作る部分もあります)
いまの中学生は、こんな先進的な教育を受けているんだな。
2. 中学に書籍を寄贈
母校は、noteを使って情報発信している中学校です。
つまり、生徒がWebライティングを行っている学校です。
書籍を渡しに行ったときに「Webライティングの授業をしましょう!」という話になったのですが、クラス数が多すぎ実現しませんでした。
公立なので全クラス同じように授業しないといけないのですが、私は本業があり、スケジュールが合わなかったのです。
noteさんが授業されたことがあるそうで、内容はかぶらないとのこと。
note教育さんは回数制限なく、希望があれば何回でも出前授業されているそうです。
後からnote教育さんとオンラインで交流する機会がありました。
note教育担当者さん「Webライティングのご著書を拝読したのですが、noteの出前授業とは全くかぶらない内容ですね」
3. 国語の教育について知る
校長室で、校長先生からいまの中学校の教育について多くのことを教えていただきました。
いまの国語の位置づけについて教えていただいた3つの貴重なこと。
全教科生徒によるプレゼンテーション形式の授業。
国語が「話す」力をつけるための位置付け。
教科書はすべてをやるのではなく、状況に合わせて補助的に使うもの。
※学校によります。
4. 革新的な学校教育(中高)
実は、母校の中学を訪れる半年前(2021年11月)、『学校の「当たり前」をやめた。』(時事通信社)の著者、横浜創英中学・高等学校の工藤勇一校長先生にお会いし、1時間半ほどお話をお聞きしていました。
生徒が主体となりプレゼン形式で授業が進んでいく、わからないところはタブレットでその道の先生(大学教授など)に質問するしくみができているなど。
画期的なIT活用による教育改革(教育DX)が行われていると知り、驚愕したことを覚えています。
できる子はどんどん自分で勉強していき、できない子はやり直しが何回もできるタブレット学習。
個人個人に最適化した学習により学力が向上します。
先生の負担も軽減され、はたらきやすくなります。
「私立の学校だからなのでは?」と思っていましたが、公立中学校でも同じようにプレゼン形式の授業が行われていることに驚きました。
※学校によります。
5. IT活用教育の普及にはあと10年はかかる
工藤先生に午前中お会いしたその日、午後は経済産業省を訪問。
『教育DXで「未来の教室」をつくろう』(学陽書房)を上梓されたばかりの浅野大介さんに「教育DXはすべての学校で進んでいるのでしょうか」とお聞きしました。
「あと10年はかかるでしょうね」
タブレットの支給は2020年4月から。
活用状況は学校により異なり、学校ごとに試行錯誤の状態。
ご著書にある先進的なモデル校のように、すべての学校に教育DXが浸透するのにはまだまだ時間がかかりそうです。
7. Webライティングの授業(高校)
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1. 高校に書籍を寄贈
中学同様、母校の岐阜県立大垣東高校に書籍を寄贈させていただきました。
校長先生「(この本の内容は)『総合的学習の時間(総合)』に使えると思います」
「総合的学習の時間」では、自分自身の課題に取り組み、みんなの前で発表します。
中学でも校長先生が「総合」という言葉を発していらっしゃいましたが、「そうごう?」状態でした(笑)。
後から検索して調べましたがよくわかりません。
体験していないから当然です。
私の印象では、総合は大学院の研究みたいなもの。
母校には普通科と理数科があります。
理数科では、大学と連携した研究活動が行われています。
学会で発表してくると、大学入試で加点されるというメリットがあるそうです。
※すべての高校に理数科があるわけではありません。
教育DXの書籍を読むと、世界レベルの研究をしている学校も紹介されています。
総合は基本的には調査するのだと思いますが、調査という次元にとどまらず研究まで行なっている学校もあることに驚きます。
母校はおとなしい学校という印象を持っていたのでさらに驚きました。
2. 授業前の打合せ
7月19日授業当日。
授業前、校長室で校長先生と教頭先生とお話していたときに出た話。
Webライティングの文章の型は、論理的でわかりやすい話し方の型と同じだからプレゼンに使える。
日頃生徒たちは何を言っているのかわからないときがあるから、結論から話す型を知ってもらうのは生徒のためになる。
※母校は学校公式noteのない学校です。
公式noteのない学校のほうが一般的です。
3. 授業
Webライティングに興味のある生徒20人を対象にした講義形式の授業をさせていただきました。
■授業概要(50分)
0) Webライティングを学ぶメリットの説明
1) Webと紙の違い
2) Webの文章の型
Webと紙ってどんな違いがあるのでしょうか?
授業前半では、各自タブレットを触って感じたWebと紙の違いをみんなの前で発表。
Webの特性を考慮すると、Webではどう書いたらよいのでしょうか?
代表的な2つのWebの文章の型(どちらも結論から述べる型)を紹介します。
具体的には、PREP法(プレップ法)とSDS法(エスディーエス法)について学びました。
例文を生徒に声に出して読んでもらう形で進行。
授業後のアンケートという名のテストでは全員全問正解。
選択式だからというのもあると思いますが、手応えを感じました。
授業には読売新聞、中日新聞の記者の方が取材に来てくださいました。
熱心に取材してくださり、大きく報じていただけたこと、大変ありがたいです。
8. Webライティングの授業(中学)
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1.学校公式noteを生徒主体で運営
翌8月には、大阪は泉大津市立小津中学校さんでWebライティングの特別授業をさせていただきました。
いま、noteを運営する学校が増えているのですが、生徒が主体となって情報発信している中学校は、私が調べた限り小津中学校さんだけです。
先生主体が多いです。
noteのお問い合わせからお声がけしたところ、「ありがたいお話」と言っていただけて、授業が実現しました。
2. 授業前の打合せ
小津中学校さんの公式noteでは、ルールメイキング(校則の見直しにより生徒が学校をつくっていく取り組み)をメインに情報発信されています。
授業前に校長先生、主席の先生と打合せ。
校長先生「校則を変える活動とか、子どもが積極的に学校行事をやるということが学力に直結しているとは一切思えないけれども、学力面にすごく影響が出ています。
子どもたちはいろんな活動を通して、友達と話し合ったり、人に納得してもらうにはどうしたらよいか考えたり、自分の意見を表明したりすることをいろんな場面でやっているんですよ。
だから、それが言語活動になっていたり、授業やテストなどの物事にも一生懸命取り組む気持ちになったり。
学力が数字で見たときにすごく上がっているんですよ、この1年半で」
いただいたパンフレット「言語能力×ICT活用力」にはこんなことが書かれていて驚きました。
noteで校則についての投稿文を配信する(中2)。
相手の心に訴えるパブリックスピーキングの実施(中3)。
私「小津中学校さんは、プレゼンテーションを他の学校より多くされているんですか?」
主席の先生「他の学校より非常に多いと思います。
学外から依頼を受けて外部でプレゼンをすることも多いんですよ。
先日は市長室にも行ったのですが、生徒たちは物怖じせず発言していました。
(パンフレットを指して)『ICT機器(タブレットやPCなど)をほぼ毎日、意見交換や調べ学習に使っている』のところ、全国平均10%のところ小津中では73%と、ICT活用力も高いです」
3. 授業
国語科の授業の一環として、中学3年生4クラス(153人)を対象とした同時開催授業。
各教室に先生がいてくださって、私が校長室からZoom配信する形式です。
授業前に国語の先生が校長室に来てくださり「Webライティングの教科書を読んで、この日のために勉強してきました!」とおっしゃったときには、泣きそうになりました。
12万文字以上あるので、読むのにかなり時間がかかり大変だと思います。
授業内容は高校と同じです。
基本オンラインでしたが、ほんの一瞬だけ各教室を回ることができました。
さて、授業が終わり私は撤去作業を開始。
次の授業もWebライティングの授業とのこと。
国語の先生「いまPREP法を使って書こうというのを各教室でやっているところです」
4. 後日
翌日以降も国語の授業時間を使って先生方がPREP法について指導してくださったとお聞きし、感激しました。
国語の先生「あの後の4限や、本日の2限に、Webライティング講座の学びを踏まえたアウトプットをロイロノート(学習支援アプリ)で行いましたが、先生から学んだことを意識して文章記述をしようとする姿が見られました」
生徒全員分の作品に目を通し、12名分をnoteにアップしてくださいました。
大変時間のかかることです。
ご尽力に感謝します。
9. プレゼンの型PREP法の授業(中学)
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1. プレゼンの型PREP法の授業
これまでの中高の授業でいただいた先生方のお声から、私は「Webライティングの授業はプレゼンなど話し方に使えるメリットが強い」、そんな印象を受けました。
PREP法は国語の教科書には出てきません。
教科書には基本形が載っているのですが、基本形よりも応用形のPREP法のほうが社会に出てからよく使います。
教科書にあるといいと思いますが、何か事情があって載っていないのでしょう。
2022年10月にPREP法を「中学で学べたらいいな」と書いたこのnote。
実際にやってみました!
12月13日、ある公立中学校さんでプレゼンの型としてPREP法の授業をさせていただきました。
中2国語の授業枠です。
今回の中学校さんは、noteをやっていない中学校。
(世の中の一般的な中学はそうです)
私は8月の初回打合せからずっとこの日を楽しみにしてきました。
ただ、貧血で一週間寝込んだ病み明けで、声があまり出なかったのが心残りです。
国語の先生に授業前、教科書についてお聞きしました。
国語の先生「いまの子は学ぶ内容が格段に増えています。
国語以外すべての教科の分量が増えているのに、昔と同じ授業時間」
私「すごく大変ですね」
国語の先生「頭がいい、どんどんよくなっていると感じます」
2. 授業の流れ(50分)
授業全体の説明(5分)
PREP法の説明と一斉音読(5分)
文章を作成する(20分)
グループに分かれて発表する(20分)
50分間の授業時間のほとんどの時間(40分間)演習です。
授業全体の説明(5分)、PREP法の説明と一斉音読(5分)の後は実践的な学習へ。
文章を作成する(20分間)。
34人すべての生徒が書き終えました。
半数は10~15分くらいで完了していたので、練習にもう一つ作ろうと呼びかけ作ってもらいました。
半数くらいの生徒が2つ目の文章を作っていました。
グループに分かれて発表する時間(20分間)。
10分ほどで発表が終わったので、さらにグループ内で代表者を決めて、全員の前で発表してもらいました。
皆、はきはきと発表できていました。
私「プレゼンするときに結論から話せば集中して最後まで聞いてもらえるので、ぜひこの『結論』『理由』『具体例』『結論』の型を活用して、今後のプレゼンに活かしてください」
3. 学習到達度
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授業後に回収したプリントをチェック。
ほとんどの生徒がPREP法の型にあてはめて書けていました。
プレゼンの型として授業したので話すためのメモとしてアレンジしている作文もありましたが、学習到達度は91%と高いです。
<学習到達度>
正解31人/34人
(正解にはアレンジが加えられている3作品を含む)
かなり高い到達度です。
授業の様子を見ていたカメラマンから後日送られてきたメールを紹介しましょう。
当方が最も驚いた点は、ほとんど前段の説明がないにもかかわらず、中学生は最初からかなりの部分を理解している事実でした。
大人向けの講座でしたらいろいろと前振りの体験談に始まり、悪い書き方による失敗例を紹介し、ようやく正しい方法の説明へと進むというプロセスを経ておかないと皆さん理解できないでしょう。
4. 中学のうちに学ぶと長く使える
生まれながらにしてWebに囲まれて生きてきたデジタルネイティブ世代のほうが、いまの時代に即した順応性、発想力、感性があります。
PREP法は社会人になってから学ぶことが多いですが、中学で学ぶことにより高校入試の面接や日頃のプレゼンテーションの場で活かすことができます。
大学入試、就職活動、社会人になってからのプレゼンや報告するシーンにおいて、長く生涯にわたって役立つでしょう。
10. 未来のお話
私の今後の展望について最後にお話しましょう。
1. 大器晩成
私は老子の「大器晩成」という言葉が好きです。
世の中でよく使われる「遅咲きの花、大人物は年をとってから成功する」とは違う解釈です。
実は、「大器晩成」には裏の意味があります。
辞書にも載っていません。
ですので、ほとんどの人は知りません。
裏の意味、それは「無限大の器は完成することがない」。
これでよいと思わずにずっと成長していく人、学び続けていく人が大人物であるという意味です。
私は一生学び続ける人になりたい。
2. 日本のIT教育の発展に貢献したい
日本財団が2019年に実施した「18歳意識調査」における「社会や国に対する意識」の国際比較によると、日本人で「自分で国や社会を変えられると思う」は約5人に1人の最下位でした。
自分のことを「責任ある社会の一員」だと考える日本の若者も約44.8%と他国の3分の1から2分の1。
子どもだけの話でしょうか。
大人でも社会の問題に対して「自分は関係ない」と他人事のように思っている人もいるのではないでしょうか。
私は社会の問題、例えば自分の業界でいうと、日本におけるIT教育の遅れについて、自分事として認識したい。
自分がいまできることは何かを考えて、行動したい。
自分の学んだことを自分だけのものにせず社会に還元し、世の中をよい方向へ変えていける人になりたいです。
いま、小中高の教育が発展しているので、いづれ大学ではより高度なことができる時代になるでしょう。
私は私ができる精一杯のことを。
2023年、行動していきます。
3. 2025年くらいに来る
いま学校でnoteを運営しているところが増えてきています。
学校のブログを生徒が更新しているところもあります。
いまは、まだWebライティングは珍しいものですが、2025年あたりになると、多くの学校で自然とやっているのではないでしょうか。
▼noteは、学校向けに無償提供されています。
4. 最後に
2022年、お忙しいところご協力いただいた学校関係者様に心から感謝いたします。
本当にありがとうございました。
2023年、よいご報告ができる年です。
フォローがまだの方は、フォローしていただくとnote更新時に通知が届きます。
今年もよろしくお願いします!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
【2025/2/27追記】新刊出ました!
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