M1出れなかった。


M-1グランプリの1回戦に出場することができなかった。

エントリーしてから毎日のように公式サイトで自分たちのコンビを検索し、やっと出場予定日が加わったと思えば定員オーバーで抽選と発表。
それでも出れると信じて3日前にもわざわざ相方の住む福岡へ行ってネタ合わせをした。

我々は完成したネタに自信を持っていた。
自信といっても確実にウケると思っていたわけではないし、1回戦を突破できるかどうかも怪しかった。
実際にカラオケで合わせたネタの動画を送った知り合いのほとんどが良い反応を示さなかった。
それでも今の技術、発想、練習量の中で自分たちのベストが出せるネタだったと思ってる。
ウケを意識した媚びたボケはほとんど切り捨てて、たとえウケなくとも自分たちがやってて楽しいネタを作った。
(オーストラリアに住む元恋人は「めっちゃいいじゃん楽しそう」という感想をくれた。さすがよく分かってくれている。)

"自分の100%が出せるネタだから滑っても評価されなくても楽しめるわ"

相方は満足気にそう語っていた。
いや、滑ったらあかんねん。

とはいえもちろん私も心を躍らせてその日を待っていた。


今日抽選に外れて出場が叶わぬことが分かった。

ショックだった。
漫才なんてしてないで本業に取り組めということなのだろうか。

奇しくも相方から抽選外れたと連絡が入った時、
私はMから説教を受けていた。(Mとは本業の師匠)

よりによってこんなタイミングでくるかと。
これだから人生はおもしろい。

Mはその時私にこう説いた。

"お前の100%を出せ。100%を出すために準備から100%従事しろ。100%でない時はなんとなくだ。なんとなく俺に合わせるか、なんとなくそれっぽくするかだ。見てたら分かる。伝わってくる。それならお前は俺の土俵に上がってこれない。俺と同じことをしなくていい。なんなら俺が考えてないようなことをやって欲しい。それではじめて俺の土俵に来れる。そしたら本当の意味で2人で相談ができるはずだ"

この言葉に心をぶん殴られている中届いた通知には相方から「外れたっぽいわ、出れん」と書いてあった。

きっと本業で自分の100%も出せずに漫才で相方の100%と対峙することなんてできないよという神かご先祖からのお導きだろう。

100%を出しているMや相方の隣で"なんとなく"を出す私じゃコンビは務まらんのだ。
奇妙なことにMも相方も似たようなことを私に伝えてくれた。

私はまだまだ舞台に立てるような人間ではないのだろう。
悔しいが、これを受け入れなければ目的地までの道を見失う。
今は与えられたチャンスの中で自分を100%出すために素振りをする時だ。
そしていつでも切れるように刃を研いでおくこと。


というわけで我々M1初出場は幻となりましたとさ。

来年は出れるもん全部出てやるさかい!
チキショー!!!

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