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ある日の訪問看護から♯10 SOS
在宅療養がスタートする時
朝電話が鳴り、オンコール。
前日に病院を退院し、在宅療養をスタートし、訪問看護も利用開始となった方の息子様より電話。
利用者であるお父さんは、全介助に近い状態。
息子さんと2人暮らし。
息子さんはご自宅でお父さんを介護するのは初めて。
お父さんが自分でトイレに行こうとして、
ベットから落ちてしまったので、
助けてほしいとの電話。
訪問すると、
息子さんがお父さんに怒鳴り散らしている。
何故1人で動いたのか?など。
激昴していると言う状態。
床に横たわっているお父さん。
失禁もしている。
そのお父さんにけたたましい怒りをぶつけている、息子さん。
息子さんの怒りは止まらず、
声をかけるが、
私の声も聞こえてないほど。
どうしようか、悩んだが、
まず排泄ケアにとりかかる。
少し息子さんが落ち着いてくる。
排泄ケア後だいぶ落ち着き、
『1人じゃどうにもならなくて…』と。
何とも言えない表情の息子さん。
ベットへの移動を一緒にお願いすると、
手伝ってくれる。
お父さんに申し訳ないと言う。
息子さんは、すでにいっぱいいっぱいになっていた。
ヘルパーさんの介入も始まる予定であったが、退院後1日でめいっぱいな状況。
息子さんと話をしていると、お父さんを介護したいという気持ちは伝わる。
そして想像以上にこの1日が大変だったと。
ケアマネさんに状況報告すると、
息子さんとも話をし、
訪問看護の利用を増やし、
ディサービスの利用を早々に開始することになったとの連絡が入る。
┈┈┈┈
翌日
訪問診療のクリニックの看護師さんより電話あり。
朝に息子さんより電話があった。
お父さんに手をあげてしまったとの事。
自ら隠さず連絡した息子さん。
きっとSOS 。
その日からお父さんは、ひとまずショートステイの利用が開始となった。
お父さんと少し離れ、今後どうするかあらためてどうしていくのか。
┈┈┈┈
利用者さんだけでなく、
介護するご家族にとって、
訪問看護やヘルパーを利用したとしても、
24時間介護するのはご家族になる。
覚悟ややる気を持っても、
実際の負担は大きい。
少しずつ介護に慣れていく事ができる人もいるが、困難な人もいる。
手をあげてしまった息子さんの辛さを思うと心苦しくなる。
今回は幸いにも、私たち訪問看護や訪問診療クリニックへ、SOSをくれた息子さん。
私たちを頼ってくれた事で、状況を知り、関わる職種が連携し、速やかに対応する事ができたのだと思う。
どこにもSOSを出せず介護している方は、世の中には多いのではないのかと思う。
┈┈┈┈
在宅療養開始時は、
介護者もはじめての経験であったり、
これまでの生活スタイルを変えなければならなくなったり、
訪問看護、ヘルパー、訪問診療医など人の出入りや対応も多くなり、
負担やストレスを感じる方も多い。
パニックを起こす介護者も少なくはない。
そして、老老介護という状況も多い。
在宅療養スタート時に、看護師の関わりで気をつけている事がある。
介護に関して最初から満点を求めず、
少しずつ一緒に慣れていこうという姿勢。
できていない事があっても、よっぽと命に関わるような事でなければ、見守り、絶対に責めたりしない事。
オムツが前後ろ逆でも良し。
排泄物がきれいにふけてなくても良し。
訪問した時に、それをカバーしていれば良いし、それが私たちの役割であると思う。
そして現在、色々なサービスがある。
どのようなサービスを利用したら良いのか、
どのような体制でサービスするのが良いのかをケアマネージャーさんとも連携しながら、
まずは、
介護が嫌なものにならず、
大切な人を憎まず、
自分を責めず。
介護する方も穏やかに、
尊敬するお父さん、大好きなお母さん、かわいいお子さんと お家で良い時間が過ごせたら
良いなと思うのです。
ある日の紫陽花がきれいでした💠
*˙︶˙*)ノ" 𖤣𖥧𖡼.𖤣𖥧 𖤣𖤥𖠿𖤣𖤥