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【ネタバレあり】シン・エヴァンゲリオン劇場版:||におけるマリの正体についてのぶっとんだ考察

新劇場版の物語の結末については個人的にはすごくスッキリしててもはや内容について考察する必要も無いしなんならどう考察してもどれも正解でしょ!と思っているのですがそれにしてもマリは一体何者だったのかということは自分の中で決めておきたいなと思ったのでざっくりと書きなぐります。因みに現実の安野モヨコだ!とか島本和彦だ!みたいな暗喩とかそういうのじゃなくて物語の中での存在について考えてみようと思います。

まずマリについてわかっていることで気になる部分を整理してみます。

・歳を取っていない

・ゲンドウや冬月、ユイと面識がある

・イスカリオテのマリアとは

以上の点を一つ一つ紐解いてみようと思います。

・歳をとっていない
これについてはQでアスカがエヴァの呪いという表現をしていたのでエヴァのパイロットにはそう言った副作用があるのだなとそのまま捉えていました。マリについてもそういうことなんだろうなと勝手に思っていました。ですがシンエヴァで分かったアスカの状況を見るにアスカの場合使徒に近い状態(≒不老不死)が原因のような印象を受けます。そうだとするならばマリは?マリも使徒なのか?といった疑問が浮かびますがそれについては後でまとめます。
使徒と言えば状況を考察する上でもう1つ気になるシーンがあります。それはアスカが第3村からヴンダーの自室(隔離部屋)に戻った際に爆薬の数が増えていて信用されていないと皮肉るシーンです。そのシーンを見る限りアスカとマリは普段同じ部屋に隔離されていることがわかります。これはつまりマリもアスカと同じかそれに準ずる危険な存在として認識されているということを示唆しています。

・ゲンドウや冬月、ユイと面識がある
マリのそれぞれのキャラクターに対する呼称(ゲンドウくん、冬月先生、ユイさん)であったり、シンエヴァでの過去の出来事の描写や漫画版最終巻のオマケ漫画からマリはエヴァが作られる前から既にこの物語のキーになるキャラクターと面識があることが示唆されています。そして過去の出来事で描写されるマリは破からQ、シンに出てきた姿と大きく変化が無いように見受けられます。
仮に先述の歳を取らない理由がエヴァに乗ることによる副作用であるならばシンエヴァでの姿は少なくとも過去の出来事の描写よりも年齢を重ねている姿でなければ矛盾します。
つまりマリは元々不老不死かそれに準ずる存在だったのではないかという仮説が成り立ちます。

・イスカリオテのマリア
スッキリ終わらせたシンエヴァの中で1番今までのエヴァっぽかった匂わせワード「イスカリオテのマリア」。イスカリオテとGoogle検索しようものなら予測でマリアがついてきてしまうくらいには皆さん気になっているようで。元ネタは恐らく「イスカリオテのユダ」、キリストを裏切ったとされるあのユダですね。マリアは聖母マリアやマグダラのマリアでしょうか。この2つが合わさった呼び名とはどういう事でしょうか。それぞれの聖書での描写を考慮するとイスカリオテ(のユダ)は裏切り、マリアは始まりを暗示しているのではないでしょうか。そしてその2つの要素を持つ者として呼ばれるマリ。
冬月がこう呼んだ時マリは久しぶりにその名前で呼ばれたと言いました。私は比喩表現ではなく新劇場版の世界の神話の存在そのものではないのかと考えました。冬月はマリの正体を知った上で自分の近くに置いていたのでは?

さて大きく3つの要素を切り取って話していきましたがここから正体について仮説を書いていきます。

マリは新劇場版の中でも全く新しいキャラクターということもあって発表された時点から異質な存在でありましたが作中の立ち回りや発言も異質でした。
どれだけシリアスな場面でも何処か他人事のように楽観的な態度を取り、それでいて一貫してヴィレ仲間であり続けました。当事者であるのだけれどもどこか高い次元から状況を眺めているような視点でいるように見えます。ちょっと人間っぽくないように見えるんですよね。人間の真似事をしているという感じです。でもレイみたいに感情を獲得していくようなそういうベクトルではなく高次の存在が低い存在に合わせていくようなイメージです。

そこで私はここまでの違和感をぶち破るために極端な仮説にあてはめてみることにしました。
マリはもしかして人間や使徒よりも上の存在ではないのか?人間であることを大前提にしていたそのパズルのピースが間違いなのではと。
エヴァの世界では人間が知恵の実、使徒が生命の実を食べており、その2つの生命が種の存続をかけて戦うというのが背景としてあります。この2つの実を食べると神に等しい存在になると言われます。新劇場版でこの設定が生きているのかであったりQ以降は実質的に使徒側が脱落したような形になっていいたり曖昧な部分はありますしその解釈も違うぞ!とか言われると何とも言えないのですがそれはとりあえず置いておいて話を続けさせてくださいませ。アスカに関しては第9使徒と同化していたことが示唆されていたので不老不死である可能性があることは先程書きました。マリの場合は始めから神に近い存在であると仮定すれば歳を取らないことへの理由はつけられます。

100歩譲ってこの仮説が合ってるとしてじゃあマリは何者なの?ってなるのですがそこでイスカリオテのマリアというワードが活きてきます。先程も述べたようにこのワードは裏切りと始まりを暗示していると考えます。そして聖書の中にその2つを成した存在がいることをご存知でしょうか。その存在の名は天使ルシファー。聖書では楽園でアダムとイヴをそそのかし知恵の実を食べさせた蛇の正体はルシファーとされています。キリスト教の教えの中ではこの件で堕天したというわけではないのですが最終的には神を裏切り反逆しています。

いきなり天使が出てきていくらなんでもぶっ飛びすぎだろ!って思う方もいるかと思いますがそもそも死海文書に載った内容に沿って儀式を行うと神に等しい存在に近づくことのできる人類補完計画そのものがぶっ飛んでますし、そんな事が可能になる死海文書を記した存在が人類よりも高次の存在だと言うことは明白なのでそれに近い存在が現界していてもおかしくないのかなと考えています。
ルシファーが神に反逆したという物語に沿うのだとすれば神殺しの異名を持つヴンダーを駆り神に等しい存在に至ろうとするゼーレやネルフの野望を砕かんとするヴィレに味方するのも自然な流れだと思います。結果的に全ての槍を使い切り全てのエヴァンゲリオンの抹消に成功しているのでマリの神への反逆は成功したのだと思います。

以下新劇場版世界でのイスカリオテのマリアの歴史(妄想)をまとめます。
・人類に知恵の実を与えて神の怒りによって堕天、人類と近い存在になるが不老不死だけは残る
・長い年月を過ごすが色々あって身分を偽って冬月の研究室に潜り込む。この時人類補完計画の存在を知る?
・さらに破の時間まで進んでここでも身分を偽ってユーロネルフに潜り込みエヴァパイロットの地位を得る。この時加持とお互いの目的の為に協力関係にあった可能性あり。
・ニアサードインパクト前後に現ヴィレメンバーと合流、ここでは素性と目的を明かした上で協力関係に至ったと思われる。
・シンエヴァで全ての槍、全てのエヴァの抹消に成功≒神への反逆を完遂

以上です!
最後のシーンでマリが歳を重ねられていたのは神の世界へのリンクが絶たれて不老不死の呪いも無くなったことを示唆しているのかなと思います。まあ正直最後のシーンは無限にある可能性のうちの1つくらいに見るのがいいと思います。

マリは登場時からその存在の必要性が問われていましたが居なきゃ成立しないというか、現実の比喩的な話としても、物語の中の存在としても彼女が居なければ終わらせられなかったのだと今ならはっきり言えます。
マリについて思うことやルシファー説に対する補強材料はまだいっぱいあるのですが更に文字数増えて収拾つかなくなるのでこれくらいにしておきます。

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