見出し画像

フランス 2022年の生活水準と貧困について

2024年7月にINSEEが、2022年の生活水準と貧困についての統計を発表しました。貧困率は横ばいでしたが、貧富の格差の依然は大きく開いています。


フランスの貧困率

2024年7月、フランスの統計機関INSEEが発表したデータによると、2022年のフランスの貧困率は14.4%で、前年とほぼ変わらず高い水準を維持しています。具体的には、一人暮らしの人が月々1,216ユーロ(約19万円)以下で生活している人々が約910万人に達していることを意味します。特に、新型コロナウイルス関連の支援策が終了したことで、自営業者や単身世帯では貧困が深刻化しています。一方で、労働市場の回復により、給与所得者の貧困率は減少しています。

2022年のインフレ率上昇

2022年、フランスではインフレ率が急上昇し、+5.2%に達しました(2021年は+1.6%)。これに伴い、エネルギー価格の高騰や生活必需品の値上げが国民生活に大きな影響を与えました。フランス政府はこの状況に対応し、エネルギー価格への補助金や生活支援金の給付といった対策を実施しましたが、依然として所得上位20%の富裕層と下位20%の貧困層との格差は大きく残されています。

生活水準

フランス本土に住む人々の2022年の年間生活水準の中央値は24,330ユーロで、前年からわずか0.1%の減少にとどまりました。しかし、最も裕福な世帯と最も質素な世帯の格差は依然として大きく、不平等の指標も高い水準にあります。

特に、貧困ライン以下で生活する世帯では、衣服や暖房、食事の質を抑えるなど、生活が厳しくなっています。都市部の大家族や単親家庭はその影響を特に強く受けており、生活必需品へのアクセスも難しくなっている状況です。

まとめ

貧困率自体は横ばいであるものの、困窮者の数は900万人に達しており、10年前と比べて増加傾向にあります。経済的な不安定さや不平等の拡大を解消するため、政府や社会全体での長期的な支援が必要です。2023年のフランスの貧困率は、さらに増えるのではと個人的に感じています。INSEEの統計結果を見ていると、右派と左派のメディアでの扱い方が異なり、同じデータでも視点次第で全く違うストーリーが展開されまるのは興味深いです。


いいなと思ったら応援しよう!