葡萄色に輝く
トビカズラの花。
日本国内では4ヶ所にしか自生していないという貴重な花が、佐世保市内の九十九島で自生していると知ったのは、こちらへ越してきて1年ぐらい経った頃。しかも、九十九島の無人島、時計島(トコイ島)に渡らずとも、九十九島パールシーリゾートの長尾半島に人工交配させたトビカズラがあるとのことで、毎年、時期になると楽しみに出かけています。
もともとこのトビカズラは、中国中西部に広く分布している、マメ科トビカズラ属の常緑つる性植物で、日本では、当初、熊本県山鹿市菊鹿町相良に1本のみ自生が確認されていました。相良のトビカズラはアイラトビカズラの名で知られていて、樹齢千年以上、1952年には国の特別天然記念物に指定されています。
ところが、2000年9月に長崎県佐世保市の九十九島の中にある時計島(とこいじま)に自生しているのが発見され、また、その後、久留米市と天草市でも確認されましたが、その4ヶ所のみということで、国内では貴重な花となっています。
昔、源平の戦火で相良寺が焼き討ちされたとき、千手観音がこのカズラに飛び移り無事であったという伝説があり、トビカズラの名前もこの飛蔓伝説に由来するといわれているそうです。
現在、佐世保市では、人口交配により、長尾半島の他、九十九島動植物園・森きららでも見られるようになり、トコイ島まで渡らずとも、手軽に花を愛でることが出来るようになりました。
ちょうどGW頃が花の最盛期。今年は見に行くのにちょっと出遅れてしまい、GWの連休明けの5/8やっと行くことが出来ました。今年は開花がだいぶ早かったそうで、花ももう終盤でしたが、見事に、たわわに実ったまさに葡萄のような花を見ることが出来ました。
ちなみに、九十九島パールシーリゾートの駐車場に車を停めたら、そこから長尾半島までは海沿いに歩いて約15分程。5/31まで休業中のパールシーリゾートですが、駐車場はオープンしていて3時間までは無料です(場所によりますが)。→パールシーリゾートは5/16から長崎県内在住の方限定で営業再開となりました。だからか、昨日、今日と遊覧船が動いていて、久しぶりに、遊覧船の船のぼー、ぼー、という音が聴こえてきていました。
お天気が良かったので、海がとってもきれいで歩いているだけで気持ちいい。
瀬渡し船乗り場の横を通り過ぎ、長尾半島へ。
ちなみに長尾半島を九十九島遊覧船の船上から見たところが↑の写真。正面奥右手の屋根のようなものが見えているところが、トビカズラが植えられているパーゴラです。ベンチも置いてあって、ちょうどトビカズラで日陰も出来て、汗ばむ夏のような暑さの日だったので、ベンチに座って海を眺めながら癒されました。
露出をかなりプラスにふってますので、明るく葡萄色に見えますが、実際には日陰にあると黒に近くて、ぱっと見、花に気づかない人もいるかも、と思えるぐらいでした。
でも、光に透けると、まるで宝石のようなアメジスト色の輝きがとてもきれいでした。
パーゴラを見上げると、鈴なりのトビカズラの花。
なんとも言えない匂いも漂っていました。近くを通りかかった家族連れのお父さんはいい匂い、子供は臭い、とw 決して葡萄のような甘~い香りではなかったかと(;^_^A
花期も終盤とあってか、見頃を終えた花が、見ているそばから、ぼとぼと落ちていたので、拾ってみたり、暫し、撮影タイムを楽しみました。
その間にすれ違ったのが、家族連れ一組と、ウォーキングの男性が一人×2人ぐらい。いつきても、静かでお気に入りの場所です。
長尾半島先端から眺める九十九島の海。遊覧船が動いていれば、すぐ目の前を遊覧船が通るところを見ることが出来ます。
トビカズラの他にもこんなお花。満開を迎えていたシャリンバイ。
白い小さな花です。
同じく白い小さな花がこちらも満開でした。トベラの花です。
新緑の緑がまぶしくて。
空の青さと太陽の光と緑と。
足下には、小さな小さなニワザキショウの花。大好きな花です。マクロがあれば、色々遊べるんだけれどもね。いずれまた。
3月後半、まだ遊覧船が運休となる前、久しぶりに、九十九島を巡る遊覧船に乗りました。いつもは上から九十九島を眺めていますが、水面に近い目線で愛でる九十九島もやっぱり良かったです。お天気が良かったのでまた格別でした。撮影枚数が多くなってしまったので、動画編集しようと試みているのですが、キャプションと音楽の挿入にてこずっていて、いつになることやら・・・(笑)なので、先に写真だけでも近いうちにご紹介したいと思います。