ん あうん
あうん…という言葉があります。
「阿吽 あうん」とは、サンスクリット語で最初と最後を意味する言葉です。
「阿」(あ)は口を開けて発する音声であり字音の始め、「吽」(うん)は口を閉じる音声であり字音の終わりとなっています。
これは万物の始めと終わりを象徴することから、寺や神社などに置かれる狛犬の獅子は口を開けている「阿」と口を閉じている「吽」が一対になっているのです。
日本語の「あいうえお」の語順も最初が「あ」で始まり、最後が「ん」で終わるのは偶然の一致でしょうか?
赤ちゃんが産声を上げるのは、初めて吸い込んだ空気を思いきり吐き出す声、この世に誕生した第一声です。そして死ぬ時は『息を引きとる』という言葉の通り、吸った息を吐かなくなったことを肉体の『死』であると一般的に云うのでしょう。
結局のところ我々は『息を吐くこと』で始まり、『息を吸うこと』と終わる、私たちは極端な話し、一瞬一瞬で生きては死に、死んでは生きているのかもしれません。
人間の肉体は有限ですが、魂は輪廻転生を繰り返して、「あ」から始まり、「ん」で終わり、また「あ」に回帰する、半永久的にループする存在ではないかと勝手に考えています。
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