オランダからこんにちは!#11 ‐伝統工芸編‐
連載11回目、今週のテーマは「伝統工芸」です。
こちらオランダは、不要不急の外出禁止のQuarantine期間が早くも2ヶ月目に突入しました。もはや日にちや曜日の感覚がなくなり、まさにこのお兄さんのような感じですね。この方、毎回段ボールに「ひとこと」を書いて投稿しているのですが、なかなか風刺が効いていて面白いです。
さて、本題に戻りましょう!
今回はオランダを代表する伝統工芸品、デルフト焼きをご紹介します。
歴史や種類、工房、お値段、デルフト焼き関連のお土産品などについてお話し、最後に一押しのアンティークショップを紹介したいと思います。
*デルフト焼き*
デルフト焼きは、デルフト(Delft)という街やその付近で1600年代から作られている歴史ある陶器、焼き物です。白地に青色の絵付けが施されているため、デルフトブルーという名前でも知られています。爽やかな青が印象的ですよね。繊細な絵は、絵付師によってすべて手作業で描かれています。
*デルフト焼きの歴史*
デルフト焼きが作られるようになったそもそものきっかけについて、少し触れたいと思います。
その昔、貿易船で世界を股にかけていたオランダ東インド会社(VOC)が、1600年代初頭の中国製の磁器を盛んに輸入していました。良質で繊細な絵付けが特徴の中国の磁器は、富裕層のあいだで人気のコレクションアイテムとなり、オランダの陶器職人にもとても大きな影響を与えたそうです。
当時の中国王朝「明」の皇帝が1620年に亡くなり、王朝自体が1644年に滅亡するとともに、中国製の磁器の輸入も途絶えてしまいました。(*その後は、中国磁器の製法をもとに発展していた日本の伊万里焼も盛んに輸入されていたとか) こうして、オランダの陶器職人たちは中国製の磁器からヒントを得て、独自の絵付けを施したデルフト焼きを作り始めたわけです。何でも最初は真似から始まる、ということを表す良い例ですね。
*王室が認めるただ一つの工房*
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