高校生と考える「こどもの気持ちと権利」
高校の授業で「こどもの気持ちと権利」について、お話をさせていただきました。
こども・若者が安心して、自分らしく過ごせる社会になるよう、
令和5年4月に「こども基本法」が施行されましたが、
自分らしく暮らせる前提には、一人ひとりが大切にされている環境があることが必要です。
こども基本法のなかでは、児童の権利についても触れられているため、
こどもの気持ちにも近くて、社会の状況にも意識を向けることができる高校生にも、あらためて知ってほしいと考えました。
ただ、伝えなければいけないことはたくさんあるのだと思いますが、
私は権利の専門家ではありません。
また保育士としてこどもたちに関わってきた中で、
こどもの気持ちと権利について正しくあれたかと問われると、
正直なところ自信を持ってやってきたと答えることができません。
そんな私が、高校生に伝えられることってなんだろう。
権利の概念を学んでも、権利が守られている時に感じる気持ちや状態、
またはその逆で守られていない時に感じる気持ちや状態がイメージできなければ、
言葉だけが宙に浮いてしまいます。
伝えるよりも、考えるきっかけを作ることならできる。
そこで、こどもの行動を事例としてあげ、
「こんな時、みんなだったらどうする?」とグループで対話をしながら、
こどもの人権について考えてもらいました。
中には、すぐに判断できない事例も。
こどもの気持ちを尊重したいけれど、そうも言ってはいられない状況。
むしろそちらの方が多いですよね。
自分の幼い頃を思い出し、こどもの立場で考えたり、おとなの目線で考えてみたりと、こども・おとなの間を行きつ戻りつしながら考える高校生たちの様子が印象的でした。
こども基本法では、基本理念の中で、
「全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、自己に直接関係する全ての事項に関して意見を表明する機会及び多様な社会的活動に参画する機会が確保されること」
が大切に考えられています。
要するに、こども・若者がどんな意見でも言えること、活動できることの機会を、
もっと創っていきましょうということです。
今回の授業で、自分の経験や考えを語ってくれたように、
今後社会の中に、そのような機会が増えていくのだろうと期待しています。
そうなっていった時に、私たち周りのおとなたちがするべきことはどんなことがあるのだろう。
それについても、おとなたちが自由にディスカッションできる機会が必要かもしれません。
5月5日のこどもの日から、「こどもまんなか児童福祉週間」なのだそうです。
『すきなこと どんどんふやして おおきくなあれ』
素敵な標語です。
また、授業をさせていただくにあたり、こちらの絵本を参考にさせていただきました。こどもにもわかりやすく描かれていますので、ぜひ手に取ってご覧いただきたい1冊です。