バンクシーを探して@ベルリン
先日見に行ったバンクシー展に感銘を受けたので、早速バンクシーのオリジナルグラフィティを探しに出かけてきました。なにせヒマなので、こういう時のフットワークは(比較的)軽いです。
バンクシー展にヒントがあったSophienstraßeをまずは目指します。
Sophienstraßeは、大して長い通りでもないのに、いくら探してもねずみのグラフィティがありません。誰かに切り取られて売られてしまったのでしょうか? それとも、塗りつぶされた? 何があったのかネットで関連情報を探したのですが、何も見つかりませんでした。とにかくここにバンクシーはもうないです(多分)。
有力(?)情報によると、バンクシーは2000年代にベルリンに住んでいたということです。しかしソースが不明なので、正確な情報なのかどうか判断がつきません。いずれにせよ、そのころのグラフィティがミッテ地区を中心に残されているそうです。上の記事を書いた方は、いくつかのグラフィティを特定しているようですが、詳細な情報は公表していません。目利きは自分でバンクシーを発見してくれということでしょうか。
目利きではない私の目には、ステンシルのグラフィティが全てバンクシーに見えます。
ネットで別の有力情報を得ていた私はここで諦めず、次の場所に向かいました。Sophienstraßeからほど近い場所に「Kunsthaus Tacheles」(Oranienburger Straße 54)という建物があり、そこにバンクシーの壁画があるというのです。この建物の歴史も長く、過去には色々あったらしいです。ナチの尋問に使われたり、デパートが入ったり、最後はアーティストが占拠してベルリン市とひと悶着あったということです。その経緯も面白そうですが今回のテーマはバンクシーなので、詳細はウィキペディアの記事に譲ります。
このKunsthaus Tachelesは、最近きれいに修復されて、歴史的趣がありながらモダンな建物に生まれ変わっています。
そしてこの中庭を歩いていくと、外から見えないのですが、入って右側にちょっとしたスペースがもうけられている場所があり、そこにぴゅっと入るとバンクシーの壁画が、監視カメラつきできれいに保存されています。外から見るとまったくわかりませんので、注意が必要です。
数年前までは、このグラフィティが反対側からじかに見えたようなので、ベルリンの都市再開発の速さには唖然とさせられます。昔の写真と、見え方をくらべてみてください。私の頭には、「手に取るなやはり野に置け蓮華草」という句が思わず浮かびました。
とりあえずひとつはバンクシーのオリジナル壁画が見られたので満足しました。鑑賞眼を鍛えて、マイナー作品もこれからこつこつ探していきたいと思います。
余談ですが、このKunsthaus Tachelesが、中庭でFriedrichstraße 112A/Bの建物とつながっています。ただし、今は壁で隔てられて行き来はできません。後者はぼろぼろですごい有様なのですが、それなりに趣があって面白いです。そのためこちらもあわせて見学することをお勧めしようとしたら、修復工事が始まって入れなくなっていました。こっちもKunsthaus Tachelesのようにモダンに生まれ変わるといいですね。
なお、Friedrichstraße 112A/Bの建物に向かって右側に何やらアーケードがあり、そこをくぐると中庭を通じてKunsthaus Tachelesに行けます。欧州の中庭文化はなかなか素敵で、ワープして思いもよらないところにぽっと行けたりもするので面白いです。