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ただの蚤の市(レオポルド広場)

少し前に、毎週土曜日に開催の蚤の市に行って来ました。アート市場のおっとりとした雰囲気とは正反対です。これぞ欧州正統派蚤の市って感じで、いやもうぐっちゃぐちゃです。ブラジャーとかパンツまで売ってます(もちろん中古)。

玉石混交というよりは石っころしかない。玉はどこだ
アンティークっぽい小汚いドールも売っていたが怖いです。動力がないのに夜中に動き出しそうなんですけど……

私は前からほしいと思っていたレトロタイプのランプを見つけたのですが、直接値段をきくとふっかけられるのではと用心しすぎて、結局売り手の威勢のよいおばさんをウォッチングするだけの人になってしまいました。

そのうち、そのおばさんともう一人のおばさんの間で絨毯の値段交渉が始まりました。売り手がつけた値段は400ユーロ。めちゃくちゃ畳みかけます。「今決めればこれを車まで運んでやるけど、さーどーする!!! もうすぐこの店舗も片付けるし、早く決めなよ」ってブロークンなドイツ語でプレッシャーをかけます。いや、まだ午前中だし、店舗たたむとかないっしょって聞いているだけの私も心の中でつっこみます。しかし買い手もなかなかのもので、ここにシミがあるとか、色がどうのとか、そんなに金がないとかプレッシャーをぬるくかわし、最後は別のものも買うからと150ユーロで手打ちにしていました。相手のペースにのったら負けだということなんでしょう。地味に素晴らしい値切りテクを垣間見た気分になりました。実践できるかどうかはまた別の話ですが。

売り物だけど土足OK。これが150ユーロって高いのか安いのか……。

蚤の市はほとんどのものに値段がついていないので、買いたいものがあれば値段をきくところからが交渉になります。そこでカモ認定されると高値掴みしてしまいますから、はじめが肝心です。私が心がけていることは、1. なるべく貧乏くさいかっこうで行く、2. 相手の言い値の半額以下、場合によっては3分の1以下をカウンターオファーする、3. 沈黙しても自分からは口を開かない、の3点くらいです(大したもの買いませんが……)。それでも、年をとって図々しくなってやっと前よりはましな交渉ができるようになってきたかもと感じるレベルです。ストリートの交渉はそれなりに難易度が高いです。そして、語学力はそこまで重要ではない気がします。むしろ、冷静さと図太さとある程度の鑑定眼がまんべんなく必要となる感じでしょうか。

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