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海外移住時に日本の携帯番号を維持したい問題

ベルリンに来るとわかって悩んだのが、携帯電話のことです。日本の番号がなくなってしまうのは困りますが、かと言って携帯電話の契約も月々2,000円から3,000円くらいはしていましたから、それを2回線維持するのも高くつきます。

色々調べたら楽天モバイルだと、外国でも2GB使えて、日本の番号を維持できて、日本への通話はドイツからでも独自アプリ(Rakuten Link)を通したインターネット通話であれば無料ということが判明しました。0120番号にも普通にかけられます。それでいて基本料金は税込み1,000円ちょっとということで、私は迷わず楽天に乗り換えました。似たサービスはAhamoも提供していますが、外国滞在期間に2週間くらいの制限があります。対する楽天は、そのような制限を設けていないのです。

そうすると、ドイツではスマホ2台持ちになって不便だなと思っていたのですが、楽天で買ったスマホがデュアルシム仕様だったのです。つまり、ドイツで契約した回線のシムカード(バーチャルシムですが)を日本から持参したスマホに入れられたので、1台で2回線を持ち歩けて非常に便利です。ドイツの回線はTelekomを選びました。

端末は、1円スマホ(Rakuten Hand 5G)を選びました。ドイツでもばっちり動いて、特に不便なく使えています。また電話をかける時は、ドイツの回線か楽天回線を選べるようになり、その選択を間違えなければ、予期せぬ電話料金が発生することもありません。

移住直後は、まず住民登録をしたり銀行口座を開設したりしないといけないので、すぐにはスマホの契約までできません。そんな時に楽天の回線があって、自由にネットにアクセスできたり、夫婦間で連絡がとれるのは本当に助かりました。三木谷社長はモバイル事業で楽天をつぶそうとしているとか批判されて大変ですが、こんな素敵なサービスを展開してくれて一個人としては感謝しかありません。(株を買ってささやかなお返しをしたいところですが、非居住者は株を買えません。モバイル事業を立て直したら、次は楽天証券で非居住者向けサービスの展開も期待したいところです。)

ここまでが楽天モバイルのメリットです。
デメリットもまとめておきますが、デメリットはメリットと比較にならないくらい小さいものでした。
1. 東京の家に楽天の電波が届かなかった
いわゆるプラチナバンド割り当て問題で、いざ楽天に乗り換えたらうちに届く電波がゼロという状態でした。固定のネット回線を解約した後は、実質ネットなし状態になりました。電話をしたい時は大通りまで出て、楽天電波がつながったら電話というよくわからない状況で移住直前の数日を過ごしました。が、今は東京もどんどん基地局増設してますというお知らせが来ているので、状況は改善していると思います。また、家の電波が悪ければ、楽天モバイルから無料で電波を強くする機械(Rakuten Casa)も借りられます。うちはあと数日しか日本にいないという状況で、しかも家のネット回線もなくなったので、Casaは諦めました。

2. (独自アプリを使って電話するときに)楽天の電波が弱いと、電話番号が「不通知」になる(日本国内でも、外国から日本への電話でも)
ネット電話なので、楽天の電波状態が悪いと、WIFI電波に切り替わります。多分そこらへんの関係で番号通知ができなくなるようです。それで日本に電話をすると相手に警戒されてとってもらえなかったりするので、番号が通知されるよう、真冬に電波がキャッチできるバルコニーから日本に電話したりしました。

3. ドイツでも場所によって楽天電波はちょっと弱め
地下鉄やデパートは電波が入らないことがよくあります。でも街中であれば、通信速度は東京と大して変わらない感じです。ドイツの携帯電波も建物内は弱いので、デュアルシムでもこの問題はあまり解消されていません。
(2024年5月11日追記:ラジオニュースで聞いたのですがベルリンの地下鉄中に4G電波が届くように、光回線敷設工事が先日完了したそうです。逆に言うと、地下鉄で電波がキャッチできない問題は楽天とそのパートナー会社のせいではありませんでした。)

4. それまで使っていたスマホを使い続けることができなかった
これはまぁしょうがないかなと思います。スマホを買い替えたおかげで、意図せず夫婦そろってデュアルシムスマホをゲットできたので、結果的にはその方がよかったです。

5. 稀に日本からとんでもない時間に電話がかかってくる
日本の番号がそのままなので、普通に電話がかかってきます。夜中の2時にかかってきた電話に寝ぼけ声で対応したりしました。相手は私がドイツにいるとは思っていないので、しょうがないです。「こんな時間に寝てるのかよ」と相手に思われてるなと、私が勝手に思って恥ずかしい点がささやかなデメリットですが、楽天モバイルのせいではないですね。

(2024年5月11日追記)
6. ドイツの警戒アラートが受信できない
ふと気づいたのですが、日本から持ってきたスマホだと「緊急地震速報」のようなものがドイツで受信できません。先日ベルリンの金属工場が火事になって有害ガスが出たかもというときは、警戒アラートがじゃんじゃん出たらしいですが、我々のスマホは沈黙していました。

一時的な外国滞在で楽天モバイルを使う人の体験記はそこそこあるのですが、長期滞在者の感想があまりないようなので、まとめてみました。私はこれで市役所や年金ホットライン(0120番号)などにも電話していますが、通話クオリティにも満足しています。一時帰国するときは、ローミング設定を切り替えればいいだけなのでその点も手軽です。

これから移住や留学や長期滞在を考えている方には、とにかく楽天モバイルが一押しですというお話でした。ニッチなところで三大キャリアとの差異化を図っているということかもしれませんが、本当にありがたいことです。


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