michi1983

映画、ブラックミュージック、旅、カメラ、妖怪をこよなく愛する、しがないサラリーマン。 短編小説や絵本、映画の感想、旅の記録などを気の向くままに書いていきたいと思っています。 スキやフォローを頂けますと、とても喜びます。 また創作活動を通していろいろな人と繋がっていけたら幸いです。

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マガジン

  • 韻詩人の戯言

    ポエトリーリーディングに憧れて。 少し韻を踏んだリズミカルなポエムを綴っています。

  • ショート小説集:みじ語り

    ショートショート、短編の物語集です。 ジャンルは、ホラー、SF、ミステリー、ファンタジーなどです。 あなたの暇つぶしの傍らに寄り添えますように。 ※参加企画 ・毎週ショートショートnote【たらはかにさん企画】

最近の記事

ヒーローと怪獣〜1分しまうま〜

かつての少年の部屋にはポスター マーベルDCに海外のヒーロー そんな彼も今や中間管理職 やる気のない若手がやたらと鼻につく そんな彼に訪れた千載一遇のチャンス 彼が見つけたのは変身用のシマシマのパンツ 早々に訪れた地球のピンチ 男はここぞとばかりにチェンジ 変身したのはただの巨大なシマウマ ペガサスでもゼブラーマンでもなく単なるシマウマ おまけに始まった60秒のカウントダウン 目的地はヒーローと怪獣がもつれ合うベッドタウン 時間なく猛スピードで目的地に直行 人も家もなぎ倒し

    • ロイエー・スドレの貴婦人〜結婚式ゾンビ〜

      これから語るのはとある結婚式会場での話 よくある喜劇にも似た神秘的な悲劇 黄色いドレスに身を包む美女の右手に刀 その姿まるでキル・ビルのユア・サーマンさながら 目の前には唸りあげる腐りかけの紳士 参列者も船を漕ぎ出す真夜中の珍事 腐りきって床に落ちた右手の薬指に指輪 その代わりと言ってはあんまりなゾンビの首に首輪 結婚とは奴隷生活だと神父の真っ黒なジョーク ゾンビよりも雑食な人権団体がそれに噛みつきゴング ここに語るのはとある結婚式会場での話 よくある喜劇にも似た神秘的

      • サルが空からやってきた 〜10人の証言〜

        〜さかもと だいすけ(小学1年)の日記より〜 あさ、おきると大きなサルのにんぎょうが、大きなおみせがあったところに立っていました。パパもママもびっくりしていました。ぼくもびっくりしてこわかったけど、泣きませんでした。ママにえらいねとほめられました。 〜日野山 武志(西川市市長)の演説より〜 西川市と東山市の境に巨大なサルの人形ができて3日が経ちます。現在、各機関が総力を上げて調査をしておりますが、誰が何の為にどのようにして作ったのか、未だに全容は解明されておりません。私たち

        • 贖罪

          スマホの着信音で男は目を覚ました。 横を見ると見知らぬ女性が横たわっている。 男はベッドを抜けると着信履歴を確認した。 山本からの電話だ。 男が掛け直すと山本はすぐに電話に出た。 随分久し振りに電話をする気もする。 取り止めのない話をして電話を切る。 スマホの時計は深夜1時36分をさしていた。 男はベランダに出て煙草に火をつけ、空を見上げる。 そういや、山本ってもう死んでたっけ。 遠くで救急車やパトカーのサイレンが聴こえる。 男は煙草を吹かしながらベランダの下を覗くと数十

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        • 韻詩人の戯言
          2本
        • ショート小説集:みじ語り
          5本

        記事

          神様時計

          「ちょっと聞いてくれよ」 いつも面倒臭い白川くんが、いつも以上に高いテンションで絡んでくる。 「この前、東京バンズ横の路地で神様に会ったんだよ」 既に嫌な予感しかしないが、とりあえず聞いてみる。 「神様ってどんな格好してんだ?」 「髪も髭もボウボウで、ボロボロの服着て、浮浪者みたいな格好だな。  あ、でも杖持ってたから、あれは神様だよ」 「それ、浮浪者だろ」 こいつは何をもって神様と認識してんだ。 「話はここからだ。驚くなよ、神様から時計を買ったんだ。  寿命を削った分だけ

          神様時計

          ぴえん充電

          最愛の人と結ばれた日、友人達と夢を叶えた日、娘が生まれた日、両親が亡くなった日、娘が嫁に行った日、妻が旅立った日…。 「もう止めてくれ」 ご主人様が私に『ぴえん充電装置』を止めるように言った。 ぴえん充電装置は心を揺さぶられた日を追体験し、感情を取り戻す装置だ。 「充電器がいつまでも使えないのと同じで、この装置を使っても、涙はおろか心を感じることすら無くなってしまった」 ご主人様は寂しげな目で私を見て、感情を失うことがこんなに痛いとはな、と言った。 彼の心が動かなくなった

          ぴえん充電

          黒い手袋の女性【毎週ショートショート:読書と石鹸】

          私のバイト先の喫茶店に常連の女性客が来た。 以前はご主人と一緒に来ていたが、ここ半年くらいは1人で来ている。 また、前はよく詩集などを読んでいたが、最近は桐野夏生の『OUT』や京極夏彦の『魍魎の匣』、島田荘司の『占星術殺人事件』などの推理小説に仕切りにペンで線を引きながら読書をしている。 そして、手には黒い手袋。 女性は席に本と鞄を置くや否や、詩集がどうのと言いながら、トイレに駆け込んだ。 これもいつもの光景で、短い滞在時間に何度もトイレに入り、備え付けの石鹸が急激に減ってい

          黒い手袋の女性【毎週ショートショート:読書と石鹸】