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猫飼い初心者、時々「普通」が分からない。

私が猫を飼って3年ほどたった頃、
初めて友人を家に招いたときのことだ。

その友人は大の猫好きで、
小さいころから実家で猫に親しみ、
自分でも数匹飼っている猫飼育の大ベテランである。

その友人が私の猫を見るなり、
放った言葉がこれだ。
「大きな顔だねぇ~」

私は、「かわいい~」と言われるものと思っていたし、
そもそも、
猫飼い初心者の私の辞書の中には、
猫を形容する言葉に「大きな顔」なるものは
存在しなかったので、
びっくりして思わず、
「え?そうなの?」
と聞き返してしまった。

友人曰く、うちの猫は骨格が大きくて、
野良猫界にいたら間違いなくボス猫になるタイプの
猫なのだそうだ。

骨格が大きい猫は頭蓋骨が大きいので、顔も大きくなるとのこと。
もちろん、身体も大きい。
要は全部でかいということらしい。
そして骨格が大きい猫は野良猫界ではモテモテなので、
ボス猫になるそうなのだ(ほんと?)。
だから「顔が大きい」は誉め言葉なのだそうだ(ほんとにほんと?)。
ベテラン猫飼い用語なのか、それとも友人が単に天然なのか、
その時の私には良く分からなかったので、
とりあえず言われるがまま納得した。

ただ、そもそもうちの猫はそんなに大きいのか?
そんな考えも頭によぎった。

私から見ると、うちの猫は、「普通の」「かわいい」猫なのである。
私に甘えてくる小さい生き物なのだ。

しかし、私はその後、
いろんな人にうちの猫を見せているが、
皆開口一番言うのがこれである。
「大きいねぇ」
(ちなみに「かわいいね」と言われたことはまだない)

猫と遊びたいと言って訪ねてきた
従兄弟の子どもなんて、
「でかっ」
といって怖気づき、しばらくうちの猫に近づけなかったくらいだ。
(ま、うちの猫は9割の客人は拒絶するからお互い様なのだが)

なので、うちの猫はやっぱり大きいらしい。
そして野良猫界ではそれは好ましいことのようなので、
私はありがたく客人達の言葉を頂戴することにしている。

ちなみに、数年前引っ越しをしたので、
新しい獣医さんにお世話になることになった。
その獣医院は、獣医院で飼っている猫が待合室でゴロゴロウロウロ
していて、猫への深い愛情が感じられる獣医院である。
そこに初めて行った時、獣医さんに
「大きいですねぇ。この子は野良猫だったらボス猫タイプですね」
と言われてびっくりした。

私の友人といい、この獣医さんといい、猫飼いのベテランには
野良猫界のボス猫を見分ける力があるのだろうか。

何はともあれ「野良猫界のボス猫」認定を受けたうちの猫。
私はうちの猫に前途洋々たるボス猫ライフを捨てさせてしまったわけだが、
それを後悔させないくらいに幸せな猫生を送らせてあげたいと思っている。

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