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COMME des GARÇONS HOMME DEUXのポリ縮絨ジャケット

初めてのポリ縮絨ジャケット

2018年頃から久しぶりにコムデギャルソンで洋服を買うようになった。
1シーズンに(なんとか)1着、といった感じで。

当時、オンオフOKなユーティリティなジャケットを探していた。ちなみに個人的にはコムデギャルソンといえばテーラードだし、以前から縮絨、特にポリエステルの縮絨シリーズに憧れていた。
(ちなみにお店の方は「エステル」と呼ぶ)

僕には手が出なかったけど、2004年SSで展開されたジャケットがとても印象的だった。皺の入ったポリエステル地に歪んだ飴色のボタン、袖からはみ出たグレーの裏地。無理して買うか悩んだけど、あっという間にシーズンが終わってしまった気がする。

2004SS?個人的にコムデギャルソンのポリ縮といったら、
このイメージ。
3つボタンのパターンが欲しかった。
EVER GREENで復刻されていたような気がする。

幸い2019年SSのHOMME DEUXはポリ縮のシリーズが展開されていた。当時はセットアップで買うという発想、コーディネートのイメージが無かったので、ジャケットだけ購入した。

と書くと、あっさり買ったように思われるけど、10万円近い洋服を買うにはそれなりの覚悟が必要だったし、もちろん妻に相談してから購入した。

買ったのはコレ。
ポリエステル縮絨の独特の風合いと美しいシルエットに一目惚れだった。使い回しも利くし、実際のところ今日に至るまで最も着用頻度が高いジャケットだと思う。ネイビーということもあり、チノ、スラックス、デニムなど合わせやすいし、夏以外は頻繁に登場する。

サイズはS。174cm、68kgでジャストサイズ。
*今期(2025SS)のポリ縮ジャケットを試着したらMがぴったりだったので、最近はサイズ感が変わってるかも

COMME des GARÇONS HOMME DEUX
AD2019SS
DC-J031 NAVY
SIZE:S
税込で80,000円弱だったような。
製品染めをしているので、タグもネイビーに。
袖が本切羽になっていて、
折り返すといわゆる「ギャルソンっぽい」感じになる。


道具としてのポリ縮絨

買ってから気づいたのだけど、ポリ縮絨素材の服はとても手入れが楽。まず、シワを気にしなくていい(元から皺皺)。だからリュックやスーツケースにポイっと入れて出かけられるので、旅行や出張に大活躍。

そして洗える。ネットに入れてエマールでおしゃれ着洗い。もちろん、消耗はするけれど、コットンやウールに比べたら丈夫、丈夫。

さすがに丸7年着ていれば、色落ちや生地の傷みもあるけれど、消耗も味と思えるくらいに馴染んでいる。

毛羽立ちは毛玉クリーナーでケア。
さすがに肘がテカってきた。


良いものは高いという価値観

このジャケットは僕にとっては高い買い物だった。
でも、既に7年以上も着続けているし、この服への愛着は深まるばかり。今となってはポリ縮絨のジャケットが他に2着あるけれど、初めて買った憧れのジャケット、そして唯一のネイビーということもあり、代わりは未だに見つからない。

コムデギャルソンの製品は、消費としての衣服と対照にあることを実感させてくれるジャケットとなった。

確か以前、川久保玲さんがインタビューでこんなことを話していた。本意が伝わらずに誤解を招いてしまい、一部の人たちからバッシングされたそうだ。

若い人たちが考えたり作ったりする楽しみや必要性を忘れていくのが心配なのです。たとえば、ジーンズ1本が何百円なんてありえない。どこかの工程で誰かが泣いているかもしれないのに、安い服を着ていていいのか。いい物には人の手も時間も努力も必要だからどうしても高くなる。いい物は高いという価値観も残って欲しいのです。

https://www.asahi.com/fashion/topics/TKY200912170283.html

とにもかくにも、このジャケットとの出会いが僕にとっての服選びの方向性を決定づけることとなった。

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