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COMME des GARÇONS HOMMEのバルマカーンコート

やはり20年以上前の話。新卒でアパレル企業に入った頃、HOMME DEUXのバルマカーンコートを持っていた。古着で購入したので、実際は更に昔の製品だったと思う。多分、90年代後半だったような。

薄手のウール素材で、色は黒に近いチャコールグレー。細かいストライプの地模様が入っていた。当時のDEUXは文字通りスーツラインだったこともあり、「ちゃんとした感じ」だった。ちなみにHOMMEからはメルトンのバルマカーンコートが展開されていたような気がする。

印象的だったのは裏地。赤一色だったのだ。
しかもけっこう鮮やかな赤だったので、よく同僚に突っ込まれたことを思い出す。

シルエットは90年代らしく、ゆったり目のラグランだった。HOMMEで展開されていたバルマカーンコートも同じようなパターンだった気がする。
着心地がとても良かったのを覚えていて、これまたボロボロになるまで着続けたものだった。

そんなイメージが頭のどこかに残っていたのか、今となっては定番となっているHOMMEのバルマカーンコートを見た時、何とも言えぬ郷愁に駆られた。

大好きな縮絨素材ということもあり、自分のサイズを見つけた時には妻にすがりついてしまった。

HOMMEのバルマカーンコート

何年前からか定番で展開されていたのは知っていたし、雑誌でも取り上げられることがあったので、ずっと気になっていた。とはいえ(やっぱり)高いし、何となく最近のHOMMEはナウいヤングな人が着るイメージがあって、少し遠ざかっていた。

しかし昨年の秋、偶然立ち寄った六本木のエストネーションのお店で入荷直後の商品に出会ってしまった。

COMME des GARÇONS HOMME
AD2024AW
HN-C101 BLACK
SIZE:XS
¥108,900(税込)
最近のHOMMEのボタンにはブランドの刻印が入っている。
オーバーサイズの場合は袖をまくっても良い感じ。

174cm、68kgの僕はSサイズ、場合によってはMを選ぶことが多いのだけど、今回はXS。以前よりもサイズ感が大きくなったみたい。

XSだけど、袖は手の甲を覆うくらいだし、丈も膝小僧より少し長いくらい。
Sを着てみたらナウいサイズ感の「オーバーサイズ」になった。
少し迷ったけれど、かつてのジャストサイズよりもゆったりしているし、長く着ることも考えるとシルエットに引っ張られすぎないXSを選んだ。


着心地や使用感

ウールの縮絨は暖かい。このコートの生地はやや薄手だけど、目が詰まっているので見た目以上に防寒性が高い。そして軽い。東京の冬ならばこのコートで足りると思う。

サイズ感はXSでも十分にゆとりがあった。
とても寒い日にウール縮絨のジャケットの上から羽織っても、まったく窮屈に感じることは。

言うに及ばず、縮絨なのでシワを気にしなくてもいい。
ロングコートは電車の座席に座る時や折り畳む時にシワなどが気になることがあるけれど、そんな心配は皆無。車もそのまま運転席に乗り込める(服が痛むから脱ぐけど)。

ただし、縮絨なので毛羽立ちはもちろん、毛玉もできやすいし、埃もつきやすい。黒だから特に目立つので、こまめなブラッシングと静電気防止スプレーはマストだと思う。

形はベーシックなのに素材感と細からず太からずの絶妙なシルエットがあいまって、デニムでもスラックスでも合わせやすいので使い勝手も抜群。
長く着続けていきたい、と思わせるコートになった。

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