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失敗や恥が怖くなくなる、不思議な言葉


人前に立つ仕事をしていると、よく聞かれる。

「大勢の前でマジックが失敗したらどうしよう、って思うことありますか?」

結論から言えば、実際に大勢の前で失敗したことがある。でも、それはもう怖く感じなくなった。

今回は「失敗や恥」に打ち勝つ、エンターテイナーとしての考え方を伝えたい。

具体的に何を失敗したかと言えば、ショーの演技中に道具が破損してその演技が続行不可能になったこともあるし、道具とは無関係に外部の音響機材が演技中に故障したこともある。

プロフェッショナルとしての責任があるので、その場では道具の破損をお客様に素直に打ち明けて謝り、予備の演目を誠心誠意披露した。

音響に関しては現場の音響担当者がいたため、自分が直接関与することはできなかった。
このときは自前で持ち込んだ小型スピーカーでマイクだけ復活させ、予備のトークマジックを披露して復旧まで場を繋いだ。

ショー現場の関係者は全員仲間だと思っているので、なんとか復旧の時間を稼ぎ、お客様を別の方法で楽しませるのがその状況での自分の役目だと判断した。みんなで何とかすればいい。

何が言いたいかというと、「これまで大体のことは何とかなってきたから、もう恐れなくなった」のだ。

もちろんクライアント様ありきの仕事なので、最大限の準備をし当日のショー開始直前まで不安要素は潰しているし、練習も日々しっかりとやり込んでいる。

それでも、現場ではトラブルや失敗が起こることがある。だから恐れるのではなく、備える。

人が失敗を恐れる理由は一つだ。

「失敗したらその先どうなるか分からず、そして他の人の前で恥をかく」から、自分含めてみんな失敗と恥が怖いのだ。

大勢の前に立つ自分も最初は失敗が超怖かった。ステージの上で失敗したら、なんか多分死ぬんじゃないかと思ってた。

そんな自分は、今ではこう考えている。

「失敗したらどうしよう」ではなく、「失敗したらこうしよう」

万が一の際にどうするかまで考えておけば、不思議なほど落ち着いて行動できるし、結果的に失敗もほぼ無くなる。

人前で失敗して恥をかこうが、死ぬわけじゃない。
ましてや、大勢の人前で仕事でステージに立たない限りは、尚更大丈夫だ。
エンターテイナー思考でいれば、失敗と恥の重圧に勝てるようになる。

「もし失敗したらこうしよう、それまでは思いっきり挑戦しよう」


今日の一枚は、箱根神社で飲んだおもしろジンジャーエール。
ネーミングめちゃくちゃシュールだけど、デザインカッコよくて最高です。

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