[書評] 我が名はヨシュア
松久 正『我が名はヨシュア』(明窓出版、2020)
イエスの真意は1割も教義に反映されていない
イエスの本当の教えがローマ帝国の意向で操作されて伝わっているとする説は多い。
本書の特色は、イエスが行なった奇蹟で聖書に記述されているもののうち本物を列挙したあとに、イエスの真意をダイレクトに伝えているところだ。
こうしたことについても諸説あるのだが、本書は著者自身が伝えているところに特徴がある。
もう一つ、類書に見られない特色としては、ユダと卑弥呼にふれていることだ。
ユダについては『ユダの福音書』のことについて言及があり、卑弥呼については第14代の卑弥呼についてふれている。
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本書は3つの章からなり、第1章が「ジーザスが本当に伝えたかったこと」という題のとおり、イエスの真意を述べる。
第2章が質疑応答集になっており、著者がさまざまな疑問に答える。
第3章は本書が伝えることが日本人にとってどんな意味をもつかを述べる。
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本書は著者による著書の分類のうち「マニアックな方向け」となっているが、分量は150ページほどしかなく、マニアが読んだとしたら物足りないかもしれない。
しかし、例えば、Jack Angelo などの本の読者で、Yeshua としてのイエスに関心を持っている人が読めば、得るところはあると思われる。
特に、第1章の終わりの「これからジーザスの魂意識エネルギーを降ろします」で始まる25ページは、類書では読めない、迫力のあるもので、一読の価値はある。
なお、2020年刊の本書が新約聖書の書換えとすれば、2022年刊の『NEO人類創世記』は旧約聖書の書換えにあたる。
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