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フォークロアと文学

今日はあるところでフォークロアと文学についてすこし話した。

両者はあまり関係ないようにも見えるけれど、たとえば英文学だと関係ないどころのさわぎではない。チョーサー以降、シェークスピアに至るまで、フォークロアの一部門、民話は豊富な題材の供給元であり続けている。

一例を挙げると、シェークスピアのロマンス劇『シンベリン』が基づく民話は16の地域にみられる。

フィンランド、エストニア、リヴォニア、リトゥアニア、ラップ、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイルランド、バスク、フランス、スペイン、ドイツ、オーストリア、イタリア、チェコ

ほかにも例は枚挙にいとまがない。

ユーラシアの東と西に位置するロシアとアイルランドで口承文芸がことに豊かに保持されてきたこと。その理由をうまく説明したひとはまだいないけれど、ともあれ宝庫であることに間違いない。

その文脈からラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の民話、あるいは民話の再話もまた生まれてくる。

すると、アイルランド、ロシア、日本をむすぶ口承文芸の流れがうっすらと見えてくる。いまは隠されていて目には見えないけれど、半世紀以上まえに遡ればその伏流ないし底流は鈍い光を放ちはじめる。

逆の方向、ロシア、アイルランドと来て、大西洋をわたってアメリカやカナダには到達したのだろうか。

Bush, Ireland

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