[書評]リチャード・コシミズ近著
リチャード・コシミズ節全開の快著
本書を読む人はリチャード・コシミズの独特の視点を期待するに違いない。
その通り、本書はその独特の節回しが全開であり、ファンは快哉を叫ぶことだろう。
類書にはない、独特の記述を引用してみる。
ワクチン接種を進めたい大富豪たちの多くが、二重国籍者であり、米国とイスラエルの国籍を持っている。(8章)
え、何? と多くの読者はここで目が点になる。何の話? BCGについての話の途中に何の脈絡もなく、この文章が挿入されている。名人芸というしかない。それにはわけがあり、イスラエルはBCGの予防効果を潰しにかかっているのだ (本書に典拠あり)。
潰す役目を負った論文が掲載された医学誌については、こんな記述もある。
「イベルメクチンは効果ない」という捏造論文を掲載して、世界の医学界の顰蹙を買ったJAMA誌なる超一流医学誌 (8章)
な、何? と、またもや、読者の目は点になる。そうなの? 知らなかったと息を吐くひとが続出する。〈偽論文でBCGの芽を摘み取った〉のであると著者は指摘する。
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あるいは、〈ビタミンDや亜鉛を補ってやれば、発症をかなり防げると思われた〉という記述。そんな主張を〈WHOも厚労省も、「根拠がない」と一蹴した〉という。著者はこんなコメントを寄せる。
根拠がないというなら、ワクチンが最も根拠がない。(8章)
ぎゃふんである。
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本書によれば、前の首相が追加で備蓄を指示した200万人分の薬Aは、厚労省の特定の人物が管理している。
これについて、著者は次のように推測する。
そのうち、(中略) 200万人分の在庫は、試用期限が切れたため、やむなく、廃棄処分したといった虚偽ニュースが、目立たないように、控えめに流されると予測する。(17章)
はたして、当たるだろうか。注意深く見守りたい。
よもや、〈国民の下僕〉たる厚労省の役人ともあろうものが、「100万人で構成されるという大富豪の(中略)グループ」(後述) にこっそり渡すのではないだろうな。誰に仕えているのか、そのとき、誰の目にも明らかになろう。いや、〈処分〉された薬の行方など国民に分ろうはずもない。
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本書は薬Iについて書いてある。本書によると、その薬は、そもそも
毎年、アフリカなどで無償で配られ、住民たちは、寄生虫予防のために、年1回、服用していたのだ。(18章)
実際にこの薬を
年1回飲んでいる国では、(中略) 感染率が極端に低い。日本の民間研究者である末吉氏が、この面白い関係を発見したのだ。(18章)
本書で言及されている、同氏がまとめた資料によると、2021年4月1日時点の調査で、薬Iを使用しているアフリカの31カ国の合計で、総人口1,031,970,000人中、感染者数は1,099,264人、10万人あたりでは107人、死者数は17,591人で、10万人あたりでは1.7人である。
一方、アフリカのそれ以外の国26カ国の合計で、総人口351,420,000人中、感染者数は3,141,090人、10万人あたりでは894人、死者数は94,863人で、10万人あたりでは27.0人である。
[日本語のウィキペディアによると、アフリカには56カ国あり、総人口は11億人である。上記の末吉氏のデータを合計すると数字が違うが、数え方が多少違うのかもしれない]
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しかし、前者のようなアフリカ諸国も安心しては いられない。本書の指摘にあるように、〈G7の会合では、巨額の資金を出して、アフリカで(中略)大規模に接種する〉方針が打出されている。これについてのリチャード・コシミズ節は辛口である。
大富豪(中略)たちは、ブラック・アフリカンがあまりお好きでないようだ。(19章)
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本書は、リウマチ治療薬の薬Tについてもふれている。
米国FDAが薬Tについて緊急使用許可を出しているが、その理由を著者は、薬Tが薬Aや薬Iの〈代わりにはならない〉からと推測している。
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先にふれた〈大富豪グループ〉については。本書19章でふれられている。章のタイトルは「ビル・ゲーツ・ワクチン大魔王と大富豪クラブ」と、ふるっている。
マイクロソフト社の創業者としては変わった命名に見えるが、本書によれば、彼は〈私財をなげうって、七箇所のワクチンメーカーに資金援助しているほか、WHOにとって「米国に次ぐ」巨大スポンサーでもある〉とのことである。さらに、WHOのテドロス事務局長は、〈ゲーツ氏が斡旋して事務局長に就任させた〉という。
氏がこの称号を拝命したのは今回が初めてではないようだ。本書によれば、〈ゲーツ氏には、過去に、インドやアフリカで何万人もの子どもたちにワクチンの実験的接種を無断で行ったとする批判がある〉という。そんな経緯があるから、今回の氏の〈暗躍は、捨て置けない〉と著者は述べる。
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〈大富豪グループ〉の中でも、2009年5月5日、ニューヨーク・マンハッタンの邸宅で行われた会議 (「マンハッタン会議」) に参加した面々は有名人が多い。
デーヴィッド・ロックフェラーJr、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロス、マイケル・ブルームバーグ、テッド・ターナー、オプラ・ウィンフリー、ビル・ゲーツらである。議論のテーマは「世界の人口増大をいかに食い止めるか」であった。この会合のことは複数の大手新聞 (英国タイムズ紙など) の一面トップを飾ったという。
本書には次の一文が書かれている。
日本の自公連立政権は、長い間、マンハッタン会議にご参加になった大富豪の皆さんの支配下にある。(19章)
なんと、日本にもこの面々は深い関係があったのだ。
それだけでは ない。メディアもまた、抑えられている。
世界の大手メディアは、例外なく、マンハッタン会議に参加した大富豪たちの持ち物である。(19章)
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最後に、著者の言葉を。
〈命を拾うのに220円は、お安いではありませんか。〉
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