[書評]Jostar と仲間たち
JOSTAR『世界怪物大作戦Q (世直しYouTuber JOSTAR が闇を迎え撃つ!)』(ヴォイス、2021)
不思議なJOSTARの世界にふれる
キラッキラッの本である。
機会があれば、ぜひ手に取ってみてほしい。表紙が本当にキラッキラッに輝いている。
YouTuber (YouTube動画を制作し配信する者) として知られるJOSTAR ジョウ☆スターと仲間たちが世界の怪物たちについて縦横無尽に語る本。というか、本格的な議論に入る前の〈お通し〉のような位置づけである。
それにしては、全篇総カラーの300頁。一見すると、ド派手である。実際、登場する面々はYouTube界の有名人が十数名。
全員が蘊蓄を傾けて、読んでいるほうが頭が痛くなるかというと、全然そんなことはない。文体は読みやすく、レイアウトもすっきりしている。
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いったい何を論じているかというと、世界の怪物たちである。といっても、空想上の怪物ではなく、論じる面々にとってはリアルな存在である。
え、そんなものが現代の世の中にあるのか? と誰しも思う。が、本書を軽やかに読み終える頃には、読者ひとりひとりの中に、それぞれの〈怪物〉像が浮かぶことだろう。
ある人にとっては、くっきりと、別の人にとっては、うっすらと。人それぞれに、受け止め方は違うだろうが、ともかく、何らかの興味は掻きたてられるに違いない。それこそが本書のねらいではないか。ここに登場するYouTuberたちは、世の中の真実を真剣に考えていることだけは確かだ。
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ごく簡単に本書の内容を紹介する。
著者はJOSTAR ジョウ☆スター。音楽・映像プロデューサーにして、YouTubeのコンサルテーションも行う。本書が初の著作。
本書に登場する彼の仲間のYouTuberは次の通り。あくあ、蜜咲ばぅ、まむろ朋、シネマッツン、直家GO、レイア、阿部美穂、岡本一兵衛、JOKER、あおみえり、宮崎優衣、葉山なつみ、渚志帆。彼らへのJOSTARのインタビューが4章に収められている。
一人も聞いたことない。だいたい、YouTuberってなに? という向きには残念ながら本書は向いていないかもしれない。おそらく、本書がターゲットにしているのは、日頃、TVや新聞などは見ず、ソーシャル・メディアやYouTubeや仲間や本などから情報を得ている人びとだ。
その人びとに共通するのは、既存メディアの影響や洗脳をほとんど受けていないことである。だから、世の中の動きを知らないかというと、評者の私見では、むしろその人びとのほうが鋭く世の真実をとらえている。
この人びとは、ネット・オタク的な人びととも、また少し違う。インターネット上に氾濫する情報よりも、むしろ、自分の体験や、信頼できる仲間やYouTuberなどからの情報のほうを重んじる。JOSTARのように本ばかり紹介するYouTuberもいて、むしろ情報の吸収には非常に貪欲である。
評者はこの方面に詳しいわけではないが、これらのYouTuberのインタビューの中でも、レイア氏 (スピリチュアル・カウンセラー) と岡本一兵衛氏 (元役者) のそれには、度肝を抜かれた。軽い調子で綴られる本書の中で、彼らの話は、あまりにも重いので、そこから底が抜けて地球の裏側に達しているのではないかと思うほどである。
5章は、彼らの座談会を収める。テーマは2つあり、1つめは、あなたにとっての怪物とは? というもの。ここでさまざまな〈怪物〉が言及される。心の奥に棲む怪物を挙げる人も多いが、目に見えない霊的存在としての怪物を挙げる人もある。エイリアンなのか怪物なのか見分けがつかない存在を挙げる人もある。
2つめのテーマは現下の感染症って、結局どうなの? というもの。意外にも、罹った人が周囲にいないという事実を述べる人が多い。
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評者が個人的にいちばん興味深く思ったのは、3章である。〈地球と関わりの深いエイリアン13種〉が紹介されている。わずか7ページという短さだが、著者のJOSTARはおそらく、ここが書きたかったのではないかと想像する。
13種のそれぞれについて、その特性と、チェックポイントが簡潔に述べられる。チェックポイントとは、あなたがどの星と縁があるのか、どの星出身なのか、ということを見分ける目安である。
13種は次の通り。アークトゥリアン、アガルタン (地底人)、アヌンナキ、アンドロメダ、グレイ、シリウス、ディノノイド、ドラコニアン、ビーナシアン、ブルー・エイビアン、プレアディアン、ベガ、レプティリアン。
知っている人は知っていると思うが、これらについては、詳しい文献が山のようにある。ただ、ディノノイドについての言及は本書で初めて見た。
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最後に、5章の座談会で、現下の禍々しい状況への解決策として、レイア氏が天界から受けたメッセジを引用する。
「危機的な状況を変えていくには、祈りと感謝の心を大切にしながら、集合意識レベルで変わらない限り、この状況は変えられない」
このメッセジを受けて、レイア氏はこう語る。
〈ですから、やはり方向性が同じ者で手と手を携えて一緒に未来を創造していく、という意識を持つことが大事ですね。〉
JOSTAR氏はこれを〈集合意識レベルで人類の意識転換が必要ということですね〉と言う。このようにポジティヴに生きたいものである。