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記憶の種類の話、その1

私たちが求める「記憶」は、一つでもたくさんのことを覚えておきたいというものです。したがって、如何にして忘れないようにするか、覚えて頭の中に残しておくかという事が重要です。そのためは、実践的な話が必要になりますね。ですが、先ず学問的な話をして、今後考えるうえでの参考にしておきたいと思います。ちょっとメンドクサイ話が続きますが、しばらくお付き合いください。

記憶には何種類もあるらしい

記憶というと、すぐ忘れるというような言葉が対のように出てきますが、覚えている内容が時間的な長さと関連するのかどうか、ちょっと考えてみましょう。

時間的な長さという軸で考えてみると、記憶にはいくつか種類があるようです。短期記憶、長期記憶、感覚記憶。どの教科書を見ても、この3つが出てきます。順に見ていきましょう。

感覚記憶、これは外からの刺激によって受けた内容を感覚器(知覚器)が覚えている記憶で、ほんの少しの短い時間でしかないということでした。長さにして、せいぜい1秒程度。例えば、どこかに手や足をぶつけて「痛っ!」とか、そのようなのものですね。一瞬でも注意を向けて危険を避けるといったところでしょうか。あくまで記憶の話です。ぶつけた後にくる痛みや腫れは体の反応ですから、今回の話の対象には入りません。

短期記憶、こちらは感覚記憶ほど短い時間ではありませんが、だからといってさほど長くもありません。短い時間の間だけ記憶しているというもので、しばらくすれば忘れてしまうものです。長くてもせいぜい1分程度でしょうか、文献では数十秒と書かれていました。二度見したりすることがあれば、少しはこの時間が延びるかもしれません。ワーキングメモリという言葉をご存じかと思いますが、この辺りが関係しているようですね。

長期記憶、私たちが伸ばしたい能力として求める記憶力は、どうやらこちらのようです。覚えておきたいことが、その内容がきちんと理解できていれば、なかなか忘れずに残りますよね。そのような場合、普通であれば覚えている内容を言語化できるくらいになっているはずです。つまり、言葉で表現できるということ。表現力や語彙にも左右されるでしょうが、言葉で説明できるのであれば、しっかりと理解できていることになりますから、そう簡単に忘れることも無くなるでしょう。

これを言い換えると、誰かに説明できるくらいしっかりと中身が理解できている事であれば、なかなか忘れることは無いわけですね。「学習の5段階」とか、「ラーニング・ピラミッド」とか、この辺りが分かりやすく図解されています。それによると、学習が進むにつれて理解が深まりレベルが上がっていく、習熟度が高くなっていくという事ですから、何度もそれについて勉強しているということになりませんか。でも、「それだけ繰り返せば、そりゃ覚えるよな」なんて言わないでください。おそらくこれが一番確実な方法なのですから。

つまり、記憶力を伸ばしたいという人は、まずその内容についてキチンと勉強すること、そしてちゃんと理解をしておくこと。更に進んで、その内容を言語化までしておくことですね。言語化出来る事であれば、誰かに教えることが出来ますし、自分もしっかりと理解していていないとできません。

やれやれ(と頭を掻く)・・・。


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