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04、ピロリ菌はどこから来るのか

いったいどこから来るのか

外から来る(感染する)ピロリ菌は胃の中で生存している、それだけでも嫌な奴ですが、いったいどこから来るのでしょうか。胃は消化器のひとつですから、口から入ってくるんだろうなという予想は出来そうです。

しかし、今のところ正確なことは分かっていません。「おそらく」というレベルで、

 ①口を介した感染
 ②または幼少期の生水摂取

この辺りではないかと考えられています。

そのためでしょうか、上下水道が十分に普及していなかった頃に幼少期を過ごしてきた世代の人の感染率が高いようです。とくに団塊世代以前の感染率は約80%と高い状態です。反対に、若い世代の感染率は低くなっています。なにやらA型肝炎ウイルスの時の話に似ていますね。

感染経路は3つほど考えられています。

一つ目は口から口の感染

最近の研究では、ピロリ菌が口から侵入すれば感染することは間違いないらしいというところまで分かってきました。それに加えて、大人になってからの日常生活や食生活では、ピロリ菌の感染が起きる機会はほぼないと考えられています。そうなると、ピロリ菌の感染はほとんどの症例が乳幼児(5歳以下)なのではないかということになりますね。

幼児期の胃の中は酸性度が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいためだからというのがその根拠です。

最近では母から子へなどの家庭内感染も疑われています。ピロリ菌に感染している大人から小さい子どもへの、食べ物の口移しは注意が必要です。

二番目は糞口感染

ちょっと考えたくない話ですが。

こちらも最近の研究ですが、人の便からピロリ菌が発見されたという報告がありました。検便などで調べたのでしょうか、先ほど書いた内容からすれば、おそらく上下水道が完備していない時期に感染したのだろうと想像できます。

トイレの後の手洗いがいいかげんな場合などはどうなるのか、その辺りまではよく分かりません。

三番目は飲料水からの感染

井戸水などの問題はこちらかもしれません。

上水道が整備されていない昔は、水を採るために井戸を使っていました。その後衛生的な観点から、井戸の場所はトイレから何m以上距離を取るといった規定ができたりもしました。しかし雨が降ると、トイレの水かさも、井戸の水かさも増えたといいます。実際のところ、衛生的にはどうだったのでしょう。

因みに、今回参考にした資料によると、キスでピロリ菌は感染しないとのことでした。
いろんな人、安心しましたか?


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