![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/159020545/rectangle_large_type_2_25fb13e3754bcb177fcafb09cd086baa.png?width=1200)
サイトカインの種類、その3
今回もサイトカインの種類についてですが、残りのケモカインなどを取り上げることにします。
ケモカイン
サイトカインの話の一環ですのでケモカインもサイトカインの一種なのですが、白血球などを遊走させる働き(活性化)があります。遊走性 (chemotactic) という特徴を持つサイトカインという意味でケモカインの名前が付いたという謂れがあるようですね。血管内の白血球を炎症部位に遊走させる働きが一般的ですが、産生される場所が炎症部位ということです。
ケモカインの特徴ですが、分子量が10,000前後の比較的小さな塩基性たんぱく質です。ケモカインもいくつかのグループに分かれているようで、CXC、CC、CX3C、Cの4つのサブファミリーと呼ばれるグループに分類されます。主な働きとして、インターロイキン8のようなCXCケモカイングループは主に好中球を遊走する働きがあります。同様にCCケモカイングループは単球やリンパ球の遊走に深くかかわっています。また、一部のケモカインには二重機能と呼ばれる機能があって、発現部位や濃度に応じて炎症性あるいはは抗炎症性に働く場合があるということです。
ケモカインは現在までに50種類ほどが見つかっているとのことですが、まだまだ新しいケモカインが発見されるかもしれませんね。
腫瘍壊死因子(TNF)
これもサイトカインの一種です。不要な細胞を排除する働きなどを持つ物質で、白血球から産生されます。がんに対して出血性の壊死を起こさせる因子なのですが、最近はさらに研究が進んで炎症を引き起こすサイトカインであることも分かってきました。
働きとしては「がん細胞を破壊する」といった(名前の由来になった)働きのほかに、「傷を治癒させる」とか、「体内に入ったウイルスや細菌を排除する」といった葉なら気を持ちます。しかし、量が増えすぎてしまうと逆に生体にとって不利な状況を引き起こします。すなわち、「炎症を引き起こす」だとか、「動脈硬化や糖尿病のリスクを高めてしまう」などの問題を引き起こします。
現在は関節リウマチや乾癬によって生体内のTNFが増えることが分かってきたため、このTNFのたら働きを抑制する薬が治療に用いられているとのことです。
その他、現在分かっていることとして、以下のようなことが挙げられます。
・腫瘍壊死作用を持つマクロファージ由来である事
・悪液質誘発因子のカケクチンと同一物質である
ちなみに、TNFとはTumor Necrosis Factor の略です。
その他のサイトカイン
造血因子、細胞増殖因子、神経栄養因子など