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資格の性格

世の中にはとても数多くの資格があって、何を学べばよいのか迷ってしまう事も度々です。そして、その資格には様々な種類がありますが、共通していることは「何かを行うために必要な、あるいはふさわしいだけの技量があることを示す条件や立場」ということです。様々な分野がありますが、医療に関する場合は特に、何らかの資格が必要になってきます。

医療従事者が持つ資格にはたくさんの種類がありますが、分類の仕方で結構内容が分かれてきます。分け方として分かりやすいのが「国家資格」と「公的資格」といった分け方でしょう。大雑把に言えば国家資格と言えば国が認定しますし、公的資格なら各自治体が認定します。もう一つ、民間資格いうものがありますが、これは民間企業や団体が独自に認定・発行する資格です。国家資格や公的資格とは異なり、法律などの規定に基づくものではありません。

順に説明していきます。まず国家資格ですが、国家資格と聞くと何かとても権威があるように聞こえるかもしれません。しかし、実際に保持者の話によると、あまりそのようなことは気にしていない人も多いようです。私が保有している臨床検査技師も国家資格の一つですが、同じ仕事をしている周囲の人も皆保有していますので、別に何か特別感があるわけではありません。私は医療関連のモノしか分かりませんので、他の分野の国家資格保有者がどのように考えているかについて、本音の部分は分かりません。

資格の話題では、その権威よりも資格自体が取得しやすいかどうかの難易度の方が話題になることが多いようです。ただ、社会的に祭り上げられている資格もあるような気はしますが・・・。また、個人的な話になりますが、詳細まではよく知らないというような国家資格もありますので、実際にはかなり奥の深い世界なんだろうなと思います。

さて、この国家資格ですが、それを規定する法令等が存在します。それに基づいて国や地方の公共団体、あるいはそれに準ずる機関が試験を行います。資格を保有することで、ある分野の特定の能力や知識を持っていることを公的な機関が証明する形をとっているんですね。ですから、国家資格を持つことで一定の社会的な立場や地位が保証されますので、社会からの信頼性を得ることが期待できるものとなります。

公的な資格の場合は政府機関や自治体、あるいは業界団体などが認定する資格です。国家資格に比べると法的な拘束力は強くないようですが、国家資格と同様に特定の分野の専門知識や技能を証明するものとして扱われ、それによって社会の中では一定の信頼性があるものとされます。

先に少し触れましたが、このほかにも民間資格というものも存在します。これは各種団体や企業、学校などが独自の審査基準を設けて認定する資格や検定のことですが、名称などはあまり認知されていないことがあるかもしれません。資格取得の目的や内容もさまざまで、特定のスキルや知識を証明するものとして活用されます。種類や内容も多岐にわたり、ビジネス系の資格がある一方でIT系の資格があるなど、中には認定する企業や団体名が名前に入っている資格も存在します。

医療の分野でも、おそらく民間資格の範疇になるんじゃないかと思うような認定資格が多数存在しているんです。医療の分野でのこのような民間資格がどのような位置づけになるかというと、まず国家資格、あるいは公的資格を保有していなければ、医療機関などでその業務に就くことが出来ません(助手という立場は除きます)。これらは、仕事をする上で基本的に必要なものとなりますが、当然ですが、中にはスキルアップやキャリアアップを目指す人が出て来ます。そのため、各学会などが独自にスキルや知識を持つ人を育てる意味で資格を発行するわけです。ベースとなる国家資格や公的資格の上に、学会などが認定する資格(民間資格といってよいでしょう)を積み上げていくといった感じですね。こうなると、一定の知識もスキルも同時に保有していることが認められるわけですが、この場合の資格は一度取得すればそれでお終いというわけにはいきません。一定の期間ごとに更新のための手続きが必要になります。その時に、手続きだけで済む資格もあれば、更新のための試験を課せられる場合もあります。キャリアアップも結構大変なんですよ。

さて、もう一つの分類について書いておきます。その業務を行うにあたって、「業務独占」という場合と、「名称独占」という場合の二つが存在します。業務独占はその業務を行うことが出来る資格が限定されているものなので、それ以外の人が行えば違反となります。原則として罰則が与えられますが、名称独占の方はそういった規定がありません。名乗ってはいけないという程度の拘束なので、罰則を受けることもないと思われます。ただし、そういった人が医療機関で医療行為に近い業務に就いていた場合は、物議を醸すことになるでしょう。その医療機関自体も、信用に関わってくるかもしれません。

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