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聖ミカエル教会で合唱を楽しむ日曜日

12月8日日曜日 曇り
今日は、今はもう天国にいる母の誕生日だ。母と僕の誕生日は1日違いで、よく「バースデイケーキを食べ過ぎたから生まれてきたのでは?」と冗談を言い合ったものだ。タリンの気候は懐かしい函館のそれに近い。今年一杯は1日の最高気温が摂氏4℃を超えることはなく、最低気温は氷点下という日が続くらしい。バルト海に面しているので空気は湿っていて曇りがち、お日様が出ても水平線からあまり登らない、「斜陽の街」だ。こちらにきた当初、寒くて夜が長いエストニアの冬にメンタルをやられないように、とのアドバイスをもらった。が、実際に自殺者が増えるのは春から初夏にかけてのいわゆる五月病によるものらしく、年間を通じての人口あたりの自殺者数も日本より低い(10万人あたりエストニア14.9人対日本17.4人)。というか、日本の数字が高すぎるのだろうか?

昨日は寮の部屋から一歩も出ずに1日を過ごしたが、今日はもう少しアクティブに過ごそう。と思い、まず午前中は近くのハイパー・リミに買い物に行く。ランドリー用の洗剤と豚肉、それにフムスを5個買って帰る。ヨーグルトも買いたかったのだが、売り切れだった。昼ご飯は簡単にお蕎麦をひと束茹でて、ざる蕎麦にして食べる。午後2時過ぎに寮を出て、歩いて旧市街の聖ミカエル教会に行く。今日はここで友人の所属するボーカルアンサンブル、Vox Novaのコンサートがあるのだ。着いてみるともう開場していた。中に入ると、石造りのホールは満員だ。(事前にその友人からメッセージがあり、左側に座るようにとの注意があったのだが見落として)右側の最前列が空いていたので座る。

午後2時半のタリン旧市街、もう結構薄暗い。
聖ミカエル教会のエントランスホール。右手の入り口から会場に入る。
教会の聖堂。左手前方にパイプオルガンが鎮座している。

午後3時、開演。いきなり会場の後ろの方から合唱が聞こえてきた。ああ、最初の一曲目は後ろで歌うんだ。と、おもったら合唱団のみんなが前の方に進んできて、前方左側に並んだ。僕の方からは柱が邪魔だが、なんとか見える。今日のコンサートは合唱アンサンブルにサクソフォンとパイプオルガンが加わったアレンジで、多彩な曲目が楽しめた。教会の内部は石壁と木組みの床で音響効果が素晴らしかった。僕もこんな素晴らしいホールで一曲演ってみたいと思ったほどだ。演奏を録画した曲もあったのだが、ここにビデオは貼り付けられないのが残念だ。

コンサートの最初は会場の後ろで合唱団が歌い出すところから始まった。
僕の席は右側の最前列。青く光る柱が邪魔で、合唱団やサクソフォン奏者が良く見えない。

コンサートが終わり友人と挨拶していたら、僕たちのBFM合唱団の指揮者のラウールも来ていた。聞くとなんと彼の息子さんのグスタフがこのVox Nova合唱団に所属していて、今日も出演していたとのこと。せっかくなので紹介してもらう。

我らがBFM合唱団の指揮者ラウールとその息子のグスタフくん。

終わって外に出ると午後4時半でももう真っ暗だ。そんな中を毎日の散歩で歩き慣れたコースを通って帰る。途中でお馴染みのラッキー煙突掃除人の像があったので、ボタンにタッチして帰る。(彼のボタンにさわると幸運が訪れるとのジンクスがある。)

教会前の路地。午後4時半でもう真っ暗だ。
ラッキー煙突掃除人の像。胸の金ボタンがみんなにさわられてひかっている。

帰る途中にスーパー・リミがあったので、寄ってハイパー・リミで売り切れていたヨーグルトを五つ買って帰る。あと、帰り道の途中で一つ、小さな発見があった。大学の前の電車通りはナルヴァ通りと言うのだが、ここに沿ってワンブロックを占めて建っている細長い、エクスプレス・ビルという建物がある。ここは東から入って西から出る、もしくはその逆が可能だ。本当に寒い日にはワンブロック屋内を通れるというのは貴重だ。些細なことだが、なぜか得した気分になった。

エクスプレスビルの外観
エクスプレスビルの中の廊下。寒い日・雨の日に大手町ビルヂングの中を通るようなもの。

寮に帰ってから今朝買った豚肉を玉ねぎと炒めてトマトジュースベースのスープにして食べた。その後、少しギターの練習。今日は良い音楽を聴いて刺激を受けたので自分も音楽をしたくなったのだ。明日の合唱団のプラクティスを楽しみにして、今日は休む。

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