エストニアの学校訪問と教育理論の授業
10月8日火曜日 曇り
今日も一日中用事あり、午前7時に起床して散歩に行く。まだ夜明け前でカドリオル公園も街灯が光っている。
旧市街をまわって寮に戻り、急いでシャワーを浴びる。で、午前9時過ぎにバスに乗ってペルグリッナ ・ジムナジウムへ学校見学に行く。ここはタリン大学と提携して教育改革を推進している小中一貫校で、僕たちのプログラムの講師のサロメが段取りをつけてくれていた。今回はオランダからエストニアを訪ねている修士課程の学生たちと合同の訪問見学である。現地に着くともう20名以上のオランダ人の学生(と言っても皆、現役の教師たちで社会人だ)と僕のタリン大学教育プログラムのクラスメイトが講堂に入って、改革推進リーダーのティーナの講義を待っていた。
ペルグリッナ・ジムナジウムではあらかじめ与えられる教科書に沿って授業を行うのではなく、教育の独自性と教師たちのコラボレーションにより、教育改革を推進している。いわゆるIB(国際バカロレア)の探求型学習に近い。周一回の家庭学習なども通じて、生徒の自主性を高めている。もし可能であれば日本の学校制度にも応用できると良いのだが。
ティーナの教育改革の講義の後は学校の食堂でランチをとらせてもらう。が、時間が遅かったのか、スープとヨーグルトとパンしか無かった。それでもオランダ人の参加者たちと交流できて有意義な時間が過ごせた。
新しく出来たオランダ人の学生たちと再会を約束して、僕たちタリン大学生はバスで大学に戻る。学校の近くのバス停でバスを降りるが、僕だけ近くの倉庫みたいな酒屋、Super Alcoに寄っていく。チリと米国産の赤ワインを2本買った。とりあえず寮の自分の部屋に置いておくために。
寮で簡単に昼ごはんを食べて、午後2時15分からのエストニア語の授業に出席。相変わらず先生のLeaのテンポの良い授業で90分、脳みそをエストニア語で絞る。これが終わるとすぐに午後4時からの教育学の授業に行く。今日の授業は論文のアサーション(主張・論点)の表現の仕方を学ぶ。それを用いて、いくつかの有力な教育学の概念(行動主義、認知主義、社会的学習理論、人間主義、構成主義)の優劣を議論する。もちろん、議論の練習としてだ。僕の担当は構成主義だったが、これは知識の獲得が受動的なものではなく、学習者が自らの経験や活動を通じて知識を「構成」するという理論で、比較的新しい包括的なものなのでその有利性を主張するのには便利だった。
今日の授業でもしっかり宿題が出て、午後6時ごろに授業が終わる。僕は寮に戻って、木曜日にオランダ人の学生たちとの共同セッションで使うための日本の教育制度を解説する資料を作ろうと思った。が、なぜかすごく疲れた感じがして、そのまま寝てしまった。
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