推しを語る②-2:泉谷駿介
どうも、陸上競技が好きなゆーすけです。
推しを語る第二弾として、現在男子110mHの第一人者である泉谷駿介選手を取り上げます。
今回はその後編です。
前編はこちらから。
なぜ推すのか
なぜ私は泉谷選手を応援しているのか。
それは日本が世界との距離があったこの種目において、
メダルが現実味を帯びるほどの記録を出した可能性の塊だからです。
世界との距離
この種目はどれくらい世界と距離があったのか。
2012年ロンドンオリンピックに1人も出られなかったほどです。
400mハードルでは為末大さんが世界陸上で2回の銅メダルを獲得しましたがそれとは対照的です。
泉谷選手はそれくらいの実績を出しうるポテンシャルを秘めています。
2022年には、3回13秒2台をマークしており、安定感も出てきました。
メダルの現実味
日本記録の13秒06は衝撃的な記録でした。
この記録は100mに換算すると9秒90に相当します。
日本記録が9秒95ですから、どれだけのレベルかがわかります。
東京五輪では、記録が出場選手中2位(資格記録有効期間)で、メダルが期待されていました。
しかし結果は0.03秒及ばずに準決勝敗退。
あまり話題にはならなかったんですが、かなり惜しかったんですよ。
きっかけ:セイコーGGP
私が彼を推し始めたきっかけは2019年のセイコーゴールデングランプリです。
大学2年生の泉谷選手は社会人の選手に混ざって国際大会に出場しました。
結果は、泉谷選手が1着。
当時の日本記録を上回りましたが、追い風参考で惜しくも公認記録とはなりませんでした。
シニアの選手に勝って見せたのです。
驚きました。
ある程度善戦するとは予想していたものの、正直ここまで来るとは思っていなかったです。
ただ、社会人の選手も黙ってはいられません。
彼らが競り合って記録が伸びることとなります。
3人での日本記録更新の頻発
この種目の日本記録は2018年までアテネ五輪のときの記録(13秒39)でした。
10年以上塗り替えられない状態が続いていたのです。
その状態を破ったのが金井大旺選手でした。
日本記録の更新幅は0.03秒でしたが、重い扉が開かれた瞬間でした。
ここから金井選手、高山峻野選手、泉谷選手の3人が好記録を連発します。
歴史的名勝負:2019年日本選手権
高山選手が翌年日本タイ記録をマークすると日本選手権でも日本タイ記録。
泉谷選手も同タイムとなり、日本記録保持者が3人という珍しい状態となりました。
しかも、大雨という悪条件のレースでした。
2019年夏以降
金井選手、高山選手はドーハ世界陸上に出場。
高山選手は決勝進出なるかという夢を見せてくれました。
一方で、泉谷選手は直前のケガで欠場を余儀なくされます。
世界のレースをみて、華やかさ、怖さ、そして出場できない悔しさを嚙みしめたのかもしれません。
2021年の春までに、金井選手、高山選手、泉谷選手の3人が東京五輪の参加標準記録を突破しました。
筆者注:
東京五輪から参加標準記録の意味合いが変わり、要求されるタイムがそれ以前より急激に上昇。
参加標準記録が発表された当時の日本記録より、遥か上にあった記録水準です。
大記録へ:東京五輪代表選考
2021年の東京五輪の代表選考は熾烈を極めました。
代表選考会である日本選手権では、出場枠最大3に対し参加標準記録が突破4、目前の選手が1。
誰に代表になってもおかしくないし、誰が落ちてもおかしくない状況でした。
しかし、決勝で事件が起こります。
2人が不正スタート(いわゆるフライング)で失格となったのです。
再スタートで泉谷選手が13秒06の日本新記録。
世界と真っ向勝負できるタイムです。
ついにここまで到達しました。
要因
ここまで記録が向上した要因として以下が挙げられます。
自国開催のモチベーション
スタートの改善(日本選手が1台目までを1歩少なく走るようになった)
切磋琢磨するライバルの存在
もし、金井選手が扉をこじ開けなければ。
泉谷選手が跳躍専門の選手になっていたら。
高山選手が日本選手で最初に参加標準記録を突破しなければ。
ここまで行かなかったかもしれません。
これから
2022年9月、泉谷選手の姿はハードルの前ではなく、走り幅跳びのピットにありました。
本人によれば、「最近踏み切りが弱くなってきた」とのことで、走り幅跳びに出場したようです。
私は、「泉谷選手は身長の小ささを踏み切りの強さでカバーする選手だ」と思っています。
幅跳びの出場の知らせを聞いて、なるほどと思いました。
まあ、専門種目絞ってなかったんかいなとは思いましたが(笑)
結果は自己ベストをマークし優勝。
世界陸上オレゴンの代表2名にも勝ってしまいました。
まだこの種目で日本人の決勝進出はありません。
しかし、泉谷選手のアベレージは着実に上がっています。
ブダペストやパリ五輪の決勝に、彼の姿があることを願うばかりです。
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