男の価値は麻婆豆腐で決まる!
麻婆豆腐 - それは至高
麻婆豆腐 - それは命の輝き
麻婆豆腐 - それは全にして一
麻婆豆腐 - それはこの世の全て(ワンピース)
『麻婆豆腐に賭けた男たち(民明書房)』より抜粋
Memento・Mabo(麻婆を想え)
こんにちは。
男の料理研究家の佐藤道尚です。
皆さん『麻婆豆腐』と言えば何を思い浮かべますか?
そう麻婆豆腐ですよね。
私の料理の原点は麻婆豆腐にあり、自分にとっての最高の麻婆豆腐を作り上げるためだけに20年以上料理をしてきたと言っても過言ではないくらい麻婆豆腐が好きなんです。
ちょっと文章がおかしかったとしても、それは麻婆豆腐愛ゆえだと思って魂で理解していただきたい。
ちなみに私の麻婆初体験は中学時代に読んだ「中華一番!」という漫画の第一話で主人公のリュウ・マオシンが作っているものを真似したのが始まりです。
月2000円の小遣いを叩いて作った麻婆豆腐
当時はレシピサイトなんてありませんでしたし、そもそもインターネットがまだ影も形もない時代でしたから、レシピを調べるのも今とは比べ物にならないくらい大変でした。
ちょっと話しがずれますが基本的に書店でオレンジページやレタスクラブなどの料理雑誌や、料理研究家の出しているレシピ本をいちいち購入してレシピを調べる必要があります。さらに調味料を揃えるにしても、流通が今より貧弱だったので近所のスーパーに中華料理用のものがあるかどうかも怪しかったりします。いまは「テンメンジャンが無いならみりんで代用するか」とか、それがどんなものか想像できるので味の方程式を組み替えてアレンジできますが、知識も経験も無かった当時は、それが無い事でどんな味になるのか分からないのでレシピどおりに材料を揃えるというだけでもかなり冒険でした。
そんな中で「中華一番!」は麻婆豆腐に入っている材料が分量こそ書いてないけれど全て描かれていていて、それを読んだ私は
「おっ?これなら作れそうじゃない?」
と思って当時、月2000円もらっていたお小遣いの大半を叩いて材料を買い、単行本を台所に置きながら、主人公のマオの作り方を模倣してがんばって作りました。
初めて作った麻婆豆腐は、正直微妙な味でした。今思うと、スープの素とか調味料が足りておらず、一味も二味も足りなかったように思います。
それでも、初めて本格的な中華料理を作った高揚感で美味しく感じました。
さらにその後も繰り返し作るきっかけとなったのが、今は亡き父がちょうど麻婆豆腐を作ったタイミングでやってきて、一口食べて
「お、旨いな」
と感想を漏らしたことが結構うれしかったのも記憶に残っています。
この体験がきっかけで、自分で料理を作って食べる以外にも、友人に食べさせて「旨い」と言わせることに喜びを感じるようになり、今の料理人としての人格形成に繋がっている気がします。
麻婆豆腐がQOLを爆上げする
さてここまで私の麻婆豆腐の原風景について紹介しましたが、麻婆豆腐があれば人生の質は劇的に向上します。
想像していただきたい。
もしあなたが仕事で失敗して、嫌なことがあった時。寒風吹きすさぶ冬の家路を凹みながら歩いていたとします。どうしてあんなことを見落としていたのか・・・嫌な光景がフラッシュバックします。
しかしそんな状況でも、もしも家に帰ったときに熱々の麻婆豆腐が用意されていたら?
旨みの溶け込んだ熱々のピリ辛肉餡の茶色。
形の残った豆腐の白。
唐辛子の色が溶け込んだ油の赤。
香りを引き立てる葱の緑。
カラフルな見た目だけでもテンション駄々上がりなのに、それを炊き立ての白米と一緒に掻き込んだら・・・?
あなたの脳内は幸せ物質満たさせ、1秒前までの悩みは全て吹っ飛びあなたの精神状態は見事にリフレッシュされることでしょう。
その満ち足りた時間はそのまま活力へと転化され、あなたは翌朝「もう一度がんばろう」と一歩を踏み出す力へとなることでしょう。
ことほど左様に麻婆豆腐とは、あなたの人生を大いに豊かにしてくれること請け合いです。
以下にそんな麻婆豆腐LOVEな私が20年かけて模索し続けているレシピを掲載させていただきますので、皆様の麻婆豆腐ライフの一助になれば幸いです。※正解ではなく数あるレシピの一つです
■佐藤家の麻婆豆腐(2人前)
・豆腐 1丁
・豚ひき肉 300g
・長ネギ 1本
・ニンニク 1かけ
・ショウガ 1かけ
・にら 1/2束
・干ししいたけ(薄切り) 10g
・酒 大匙2
・醤油 大匙1と小さじ1
・オイスターソース 大匙1
・テンメンジャン 小さじ1
・トウチジャン 小さじ1
・豆板醤 大匙1
・味覇 大匙1.5
・お湯 2カップ
・ごま油 大匙2
・片栗粉 大匙1
1.長ネギ、ニンニク、ショウガ、ニラをみじん切りにする
2.干ししいたけはお湯1カップで戻しておく
3.中華鍋にごま油大匙1を入れて熱し、弱火でネギ、ニンニク、ショウガ、テンメンジャン、トウチジャン、豆板醤を入れて炒め香りを出す
4.ひき肉を加え、さらに炒め合わせて、しいたけと戻し汁を加える
5.味覇を入れ、味を見ながら醤油、オイスターソースを加えて味を調える
6.豆腐を適当な大きさに切って、入れて少し煮る
7.ニラを加えてひと混ぜする
8.豆腐に火が通ったら、水溶き片栗粉でとろみをつける
9.ごま油大匙1とラー油少々を廻しかけ、香りをつけたら完成。