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【実験】肉を弱火と中火で焼き比べてみたらどっちがジューシー?
こんにちは。
男の料理研究家の佐藤道尚です。
前回、「肉は弱火でゆっくり焼いたほうがいい」という趣旨の記事を書きました。
しかし仮説でしかないので、実際に試してみなければそれが正しいかどうかは証明できないよね、という心の声に従い、実験してみました!
■実験:火加減で本当に差ができるのか?
今回は豚肩ロース肉の塊肉を使って実際に試してみようと思います。
なるべく条件を揃える必要があったので、同じ塊肉から切り出した肉を分厚く切りました。
分厚く切るのは、薄切りではすぐに中まで火が通り強火と弱火の差が出にくいと考えたからです。決して厚い肉サイコーだよね!と思ったからではありません。
これに塩コショウで下味を付けてから計測します。
弱火で焼くほう:162g
強火→中火で焼くほう:155g
7gほど差がありますが、ひとまずこれで比べてみます。
■実験①:まずは弱火でじっくり焼いてみる
ちょっと分かりづらいですが、これがウチのコンロでできる最小限のとろ火です。これ以上はガスが止まって消えてしまいます。
蓋をして内部温度を上げつつ焼いていきます・・・
20分くらいかかってやっと肉の内部温度が66~7℃に達しました。
ちょっと見にくいですが、結構フライパンに肉汁らしき水分が出ててしまっています。
想定と違いますが、この仮説と起こる現象の乖離こそ、実験をやる意味だと思います。ひとまず考察はあとにします。
■あれ・・・?思ったより・・・
焼けた肉を再度計測してみると・・・120g。
最初162gだったので約26%にあたる42gの減少を確認できました。
なんとなく想定していたものより減少率が大きい気がします。
とはいえ、強火で焼いた場合はもっと減るのかもしれません。
ひとまず次は強火→中火で焼いてみます。
■実験②:強火で焼き付けてから中火で火を通す
←弱火 中火→
フライパンに油を入れて強火で熱し、少し煙が出てきたら肉を入れて少し焼き付けます。
その後中火にしたら蓋をして、蒸し焼きにしていきます。
さすがに中火で焼くと熱の通り早いです。7~8分で63~64℃くらいになりました。もう2,3分だけ焼いて中心温度が65℃を超えた時点で、取り出します。
ちなみにこの時点で、蒸発したのかフライパンに水分は付いていませんでした。
■ 衝撃の結果
そして、取り出して重量を計ってみたのがこちら。
えっ・・・!?
こっちのほうが 重い=水分抜けてない じゃん・・・!?
あまりにも衝撃の事実すぎてびっくりしました。
もともとの重さは155gで弱火で焼いた肉より7gも軽いのに、減った水分量は20%にあたる31gでした。
■結果の比較:ほとんど差がない!?
←中火で焼いた肉 弱火で焼いた肉→
※どちらも中心温度65℃まで上げて3分経過しております。少し赤く見えますが温度的には問題ありません。
・弱火で焼いた肉 162g → 120g (42g/26%減)
・強火から中火で焼いた肉 155g → 124g (31g/20%減)
劇的な差が出るはずと思って始めた実験ですが、よもや強火から中火で焼いたほうが水分量が多い結果になってしまいました。
ただ、これで「弱火で焼いたほうがジューシーになる」という説が間違いだったとはまだ言えないと思います。
そもそも焼き方が間違っていた可能性があります。
たとえば今回は蓋をして蒸し焼きにしましたが、実はそれでフライパンに接する部分以外の肉の表面温度も65℃以上になってしまった可能性があります。
実際に蓋をとったときにかなり湯気が上がったので、フライパンの内部温度が65℃以上になっていた可能性が高いです。
ゆえにあえて蓋をせずにもう一度弱火で焼いてみると、結果が変わってくる可能性があります。
またずっと同じ面を熱し続けると、やはりそちら側だけ水分が抜ける可能性があるので、5分おきにひっくり返して熱の伝わり方を両面なるべく均一するのも重要な気がします。
以上、いくつか改善点というか、検証するポイントが見つかったので、また改めて実験を行ってみたいと思います。
そしてこの実験を通して、なるべく定量的にお肉をジューシーに焼く方法を見出していこうと思いますので、ぜひ次回の記事もご期待ください。