僕のものではないよ、だけど僕が見ている間は 僕のものなのかもね
ムーミン谷で暮らすムーミン一家とその仲間たちが繰り広げる心暖まる物語の劇場版「ムーミン谷の彗星」。
原作はフィンランドの画家・作家のトーベ・ヤンソンのスウェーデン語で出版された小説です。
ムーミンとスナフキン、フローレンとの出会いを描いた幻の作品だそうです。
youtubeで公開されていたので、観てみました。
この映画の中で(動画の15分目くらいから)、こんなやりとりがあります。
スナフキンが谷間にキラキラ輝くガーネットの畑があることを話します。
それを聞いた欲張りのスニフは、ガーネットが宝石だということを知ると欲しくなってスナフキンに尋ねます。
(スニフ)
それ、スナフキンのもの?
(スナフキン)
僕が見ている間はね。
自分で綺麗だって思うものは世界中のものだって僕のものさ。
今回のフィンランド旅行では、オーロラを見ることはできなかったけれど、たとえ見れたとしても持ち帰ることはできません。
オーロラは見れなかったけれど、北欧の低い太陽の輝きや白い雪に覆われた透明な空気が流れる雪景色は、確かに私が見ている間は私のものでした。
この地球には美しいものが数え切れないほどあって、私たちがそれに五感で触れるとき、その瞬間は所有することができるのですね。
ルーブルのミロのヴィーナスもモナリザも、その前に立ったとたん私たちのものになります。
フィンランドの北極圏のサーリセルカで借りていたアパートの暖炉の火も、その前で燃える火を見つめていたときは、その温もりもパチパチいう音も確かに私のものでした。
パリの日常に戻っても、それは色あせることはありません。
水道の蛇口をひねると出てくる水は美しく透明で濁りの欠片もありません。
雲の間から覗くオレンジ色の陽の光は、いつ見ても違っていてまるでダンスをしているかのようです。
こんなにも美しい地球に生かされている私たちはなんて幸せなんでしょう。
これ以上、何を所有する必要があるのでしょうか。
所有するのではなく経験することを楽しみたくて私たちはこの地球にやってきたのですから。
ユネスコ世界遺産に登録されているフィンランドのスオメンリナ島の空です。
この日は、異例の暖冬で気温が4度くらいありました。
息子がこの島をたいそう気に入ったので、一気に気温が下がって零下になった大雪の翌々日にもまたフェリーに乗って訪れました。
同じ場所に同じ時間帯に訪れたのに、こんなにも違う景色。
自然のマジックですね。
何でも自分のものにして持って帰ろうとすると難しいものなんだよ。
ぼくは見るだけにしてるんだ。
そして立ち去るときにはそれを頭の中へしまっておくのさ。
そのほうがかばんをうんうんいいながら運ぶより、ずっと快適だからね。
ムーミン作品の中でも最高傑作として有名な劇場公開映画『ムーミン谷の彗星』を収録(78分)したDVDブックです。ムーミン一家がムーミン谷に引っ越してきたところから、人気キャラクター「スナフキン」「フローレン」たちとの出会いまでが描かれた初期の作品。日本語吹替は人気声優の高山みなみ他、有名声優陣。
🔗 MOOMIN DVD BOOK 【劇場版『ムーミン谷の彗星』収録・78分】 (宝島社DVD BOOKシリーズ) 大型本 – 2013/5/25
こちらはこの映画の原作の小説です。
<内容紹介>
長い尾をひいたおそろしい彗星が地球にむかってくるというので、いつも静かなムーミン谷は大さわぎに。ムーミントロールは仲よしのスニフと遠くの天文台へ出かけ、彗星をしらべてくることに。道中、スナフキンや可憐なスノークのお嬢さんと友だちになるけれども、ぐんぐん彗星は近づいてきて……。
世界中で愛されているフィンランドの作家、ヤンソンが描く「ムーミントロール」のお話は全部で9つ。このお話は、幻の第1作「小さなトロールと大きな洪水」が発表されるまでの長い間、第1作とされていたものです。(以上、アマゾンの紹介文より)
<おまけ>
もう一つ、スナフキンの名言でいいなって思ったフレーズをお送りしますね。
いずれどっかへいくだろうさ・・・・・・。
それともどこへもいかないのかもしれないぜ・・・・・・。
どっちでもいいさ。このままで、とてもたのしいじゃないか
元記事:僕のものではないよ、だけど僕が見ている間は 僕のものなのかもね(ミカリュス・ブルガリスの心の薬箱)January 06, 2017 23:01:10
テーマ:気づき