situasion ONE MAN LIVE「A second day - The immortal envy club“GENESIS”」所感
本日4月6日、行ってきた次第である。
前回のリンワン×オケトーツーマンの記事を書いた時に、良かった、記憶に残るライブの所感はこうしてnoteにしたためていこうと思った。
ただ、そういう気持ちとは裏腹に記憶、やる気はどんどん消失していく。そうなってしまってはこの宣言の元も子も無い為、ライブ当日の帰路の最中にこの記事を書いている。
situasionは、situation(シチュエーション)では無い。シチュアシオン、だ。私は始めシチュエーションだと思っていた。恥ずかしい。
今日の最後のMCで話していたが、彼女達はいわゆる「普通のアイドル」では無い。「普通のアイドル」が一体どういうのを指すのか、それは人それぞれだとは思うが普遍的な平たい知識で述べると「可愛らしい歌詞に可愛らしい曲調、オタ芸に適したリズム感、ビジュアルを全面的に押し出したパフォーマンス」こんな所だろうか。
そういう「普通のアイドル」と比べてsituasionは、可愛らしい歌詞では無い。可愛らしい曲調でも無い。曲調もコロコロ変わる、ライティングは顔を映さず、シルエットを基調とした激しいパフォーマンスがメインという、まさに正反対を地で行く様な存在だ。
私は今となっては地下アイドルの現場に通っていが、数はそれ程多くない。石を投げれば当たる程アイドルの人口が多いこの時代で、それだけの数で済んでいるのは幸いだ。「普遍的なアイドル」が好みから外れているからかもしれないが、、リンワンもそうだし、situasionもそうだ。どこか他ジャンルの香りが強い、地下アイドルというフィールドにいながらも地下アイドルという分類に収まりが悪い、そんなアイドルが好きだからかもしれない。
して、ライブである。場所は前回書いたリンワン×オケトーのライブが行われた場所の隣である、Yogibo META VALLEYである。
このライブハウスはフロアに太く大きい柱があり、ステージのバックがスクリーンになっているのが特徴だ。前回行ったYogibo HOLY MOUNTAINは模範的な箱だったのに比べると、こちらは幾分クセのある作りをしている。フロアの形も横に長く、特に柱に視界が阻まれてステージがよく見えない場所もある。
今回はS、A、B、Cとフロアチケットが区切られており、SはFC限定、AはFCと一般で販売された。BとCは一般で、私はBチケットにした。
Sから順にフロアに入場となり、明確にSとAB、Cはパーテーションで区切られていた。とはいえAとBは同じフロアなので、少し闇鍋感もあったのは確か。1番最後の入場であるCは、柱を含めた奥の場所でありフロアが見えにくい場所である。
フロアの場所に加えて、特典にも違いがある。Sはペンライト、AはインストCD、Bはランチェキ&ペットボトルホルダー、といった具合だり価格はSが1万、Aが6000円、Bが2000円、Cは500円。特典の事を考えると、Bがお得では無いか。貧乏根性が発動した私は、Bにしたのだった。まぁ、フロアがAと同じだったというのもある。
16時のオープンを機に、続々と客が入場していく。入場前はそこまで人が居ないイメージだったが、いやいや、中はパンパンでは無いか。少なくともオープンしてから続々と入場してきたので、開場前の人数で侮ってはいけないなと感じた。
入場すると物販スペースがあり、奥にフロアがあるのだか、その前の踊り場でドリンク交換を行う。バーカンは目に入らなかったが、常設してあるのだろうか。格子状の通路が短く存在し、このライブハウスが線路の下にある事を地味に実感させる。とはいえ出来たてのライブハウスなのでら至る所が綺麗なのは嬉しい。
16時半、ほぼ定刻でライブスタート。
後方奥にドラムセットが置いてあり、何事かと思ったら女性ドラマーがセッティング開始。そしてライブスタートと同時にフロアのスクリーンに映像が流れる。女性ドラマーがスポットライトを浴び、リズムを刻む。なんだこの演出は。
バンドセットのライブでは無い。だが、ドラムは激しさを増し、色々なリズムを力強く刻んでいる。私は最後方で観ていたのだが、メンバーが出てくるフロアよりもドラムが気になって仕方なかった。しかも上手い。彼女は専属のドラマーなのだろうか。
程なくして、メンバーが登場。先述した通り、situasionは普通のアイドルでは無い。出てきてのMCも無ければ、顔をスポットライトが当たる事も無い。バックのオケ(とドラム)に合わせて踊り、歌う。これをノンストップで繰り返す。
スクリーンの映像も合わさって激しさは頂点を極め、何よりアイドルのライブの音圧では無い、腹の底を刺激される低音がフロアに響き渡る。
彼女達の歌唱も良い意味で目立っておらず、あくまで曲の一端、スパイスの役割が強い。反響する歌詞とリズム、打ち込みを最大に意識させる楽曲のソレ。彼女達の立ち位置が分からない以上、決めつけは良くないのだが「個のアイドルとしてでは無く、楽曲含めsituasionというユニットを観ている」感覚が強い。まるでクラブである。
活動初期の曲はこの限りでは無く、いわゆる「普遍的なアイドル」の様な曲も存在した。今回のワンマンでも披露され、そちらはある意味安心出来る「あぁ、これってアイドルのライブだったな」と引き戻してくれる役割はあったと思う。
それでもフロアにはペンライトを持った人、リフト、サークルモッシュ、オタ芸を行うグループも存在しており、幅の広さを感じさせた。
セトリは先述した通り基本的にノンストップで進行。今何の曲をやっているのかは分かるが、繋ぎもDJの様にごく自然だ。基本的に私はクラブで踊る様に身体でリズムを刻んでいた。手拍子や拍手のポイントもあるにはあったが、圧倒的に音を楽しむ、体全体でsituasionの楽曲を浴びている時間の方が長かった。
私の両隣は男性と女性で、特に女性はリズムに激しくノッていたと思われる。こういうアイドルの現場は基本的に男性が多いので、女性ファンは目立ちがちでもある。その中で激しめにリズムにノッているのを見ると、何だか新鮮な気持ちと嬉しい気持ちだった。ボーダレスな所もこのグループの良い所だ。可愛さよりも格好良さ、である。
彼女達のライブで特筆すべき点は、スクリーンと照明を存分に活かしたパフォーマンスだ。特にスクリーンの視覚効果は凄まじく、これが無いとsituasionのライブの魅力が半減する程のマッチング具合だったと思う。という事は、通常のスクリーンが無いライブハウスで観たらいけないのかと言えば、そういう事では無い。ただあまりにもスクリーンの変化と曲の親和性が高く、アイドルというのはどういう存在かというのを考えさせられるきっかけにもなった。
ライブ本編は約1時間程で終了し、アンコールは1曲のみ行われた。MCは本編終わりは挨拶のみ、アンコール終了時に本当に少し(先述した普通のアイドルとは違うんですけど、、に続く、それでも着いてきてくれてありがとうという謝辞)と次のライブの告知のみだった。いわゆる自己紹介的なものも無く、個の売り出しは重視していない雰囲気だった。それはそうだ、ライブ本編で意図的とはいえほぼ暗い演出で、グループ全体のダンス、歌唱、トランスティックな進行をしているのだから。
実はsituasionを観るのはこれが初めてだった私は、これまでまことしやかに噂されていた「situasionはヤバい」という噂を真に信じる事になった。確かにこれはヤバいアイドルだ。
これをアイドルと呼んでよいのか、まぁ過去の楽曲はアイドルそのものもあるが、現状の彼女達のパフォーマンスを見る限り、ここで収まっていて良い雰囲気は一切無い。
他ジャンルのライブ、特にDJイベントやクラブイベントとの親和性は抜群だ。表舞台のフェスに出ても面白い。とにかく、ジャンルレスの強いイベントに出るべきだ。
これから大きくなっていくであろうアイドルグループを目の当たりにした私は、余韻をしっかり噛み締めながら帰路に着く。次はいつ観れるだろうか。そういえば来月5月のマワループ大阪に出ていた。必ず観よう。彼女達の音、パフォーマンスを全面にまた浴びたいという気持ち、それは帰路に着く途中の私の身体を支配していた。