古本とカレーとケーキと
中央線が好きだ。ってどこかで聞くキャッチコピーだけど、やっぱり好き。すごくいい古本屋とカレー屋やケーキ屋さんをめぐった日なんて、ああやっぱり自分の好きなエリアに家を建ててよかった…と心から思う。
国分寺古本屋めぐり第1回
昨年秋、夫が調べてくれて、連れられて4店まわった。
■行程:PANAS(カレー屋)でお昼→古本屋→「ほんやら洞」でコーヒー
初めてのお店ばかりだったので、そしてどのお店も素晴らしくて興奮状態だった。フレンドリーなインド人の経営するカレー屋さんもおいしかった~。
『クーネル(ku:nel)』のバックナンバーやら伊藤まさこさんの書籍やら手に入れてほくほく。
国分寺古本屋めぐり第2回
今回は行ってみたいケーキ屋さんが第一目的(前回、お昼のカレーでお腹いっぱいで断念した)。雨降る寒い1日だった。
■行程:前回気に入ったカレー屋さん(PANAS)でお昼→古本屋(七七舎、早春書店)→多根果実店(←第一希望のケーキ屋さん!)
早春書店は『クーネル(ku:nel)』のバックナンバーが豊富で、また2冊手に入れてしまった。ちびちび読むのにいいのよ。10年も20年も前のものだから、今は亡き佐野洋子さんのエッセイに、お!となるし、広告に出ている女優さんを見て若いなーとか思う。
でも時代に関係なく楽しめる記事も多くて、ムーミンの作者トーベ・ヤンソンが過ごしたフィンランドの島のこととか、京都でずーっと合唱の会を主宰している夫婦のお話とか、読むとほんと心がほかほかしてくる。
アートディレクター平林奈緒美さんの、自分だけの審美眼(「国連グッズ」愛とか、「ドイツ軍の古い包帯の包装の色や質感がかっこいい」というセンスとか)でものを集め、徹底的に自分好みの住居を作り上げる様子とかもおもしろかったなあ。
古本屋さんて、買わなくてもね、本を眺めているだけで楽しい。
地元住民の趣味が反映されてもいるのも面白い。婦人之友社の古い古いお菓子の本(『続・家庭でできる和洋菓子』(←青色の『家庭でできる和洋菓子』も赤色の続編も、どちらもうちにある。昔、ブログで紹介しました)とか『ベックさんのドイツ菓子』とか)、福音館の「こどものとも」とか見つけると、親近感というか、そういう方が住んでおられるんだなあと想像して、お友だちになれそう、とか、ああだから自分にとって居心地がいいのか、とかいろいろな意味で納得したりして。
多根果実店
さて、念願の多根果実店。これが素晴らしかった。
ガラスケースには大きめのケーキがずらり。眺めているだけで幸せ(って古本と同じだけど)。
迷った末、わたしは「紅玉りんごのタルト」、夫は「バナナラムクリームタルト」。コーヒーとともに注文して、2階でいただくというシステム。
3時間も煮込んでいるという紅玉のスライスがたっぷり! しっかり甘くてこっくりとしたカラメル味に恍惚となる。
あああ、なんて幸せなのかしら。
* * * * * *
この日は後日談があって。帰宅して手袋がないことに気づく。
電話で問い合わせたら、「ありますよ! それが面白くて、1つは2階にあったの。もう1つは隣のお店の前に落ちてたらしくて、雨で濡れちゃっててね。こちらのお客さんじゃないですかって持ってきてくださった方がいて」。
えーどういうこと? 自分。何やってんの?? ポケットに入れていたはずの手袋が……
あぁでもよかったーー、拾ってくださった方にもお店の方にも感謝! ありがとうございます!!
受け取りに行ったときにまたケーキを。
チーズケーキは珍しくないけど青かびチーズのチーズケーキとは珍しい!!
はたしてお味はしっかりゴルゴンゾーラ味。甘いゴルゴンゾーラ。おいしい。ワインとともにいただきました。
ああ楽しい。遠くに行かなくてもこのあたりをめぐるだけで幸せ。おばあさんになってもこんなふうに過ごしていたいな。
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