知らずに営業するのはムダばかり! ~成約率を上げる「スケジュール」
今回は、私が自治体営業17年の経験で獲得した、成約率を上げるための「スケジュール」の考え方についてご紹介します。
むやみにアプローチしても時間の無駄
あなたの団体が取り組んでいる事業内容や実施体制、自治体との関係性などで、営業にかけるべきタイミングが異なります。極論すると、これまで自治体担当者と何のつながりもない場合は、いまから営業しても年内の受託は困難です。というのも、今発注されている業務は、大半が昨年度の議会で承認されているのですが、議会に提出するために、自治体職員がどこかの事業者からヒアリングをしていることがほとんどです。
まったく「初めまして」の団体が、先行する企業を打ち負かしていくためには、よほどのオリジナリティや実績など、強みが求められます。他方、あまり突飛な提案だと、自治体職員の理解を超え、そもそも受け入れられなくなってしまいます。
自治体営業はスケジュールとタイミングが命
そもそも自治体の業務委託ってどのような種類があり、いつ頃・何を・やっていけばいいのでしょうか。業務発注のピークは年3回あり、それぞれ委託内容や金額に次のような違いがあります。
第1ピーク:7~8月
・調査・研究に関する業務委託が多い。
・業務期間は半年程度で、年度内に結果を出すことが求められる。
・自治体の年間予算計画に基づき委託されるので、新しい提案は受け入れられないことがほとんど。
・金額は、業務内容にもよって数十万~数千万円と様々。
第2ピーク:11~12月
・年度内の予算が余り、残り数か月で予算を消化するために発注。
・業務期間は3か月程度で、研修やマニュアル作成など比較的簡単に行える業務委託が多い。
・チャレンジングなテーマにも取り組みやすいので、お試しで提案してみると採用される可能性あり。
・残予算なので、金額は多くて100万円程度。
・すでにつながりのある自治体担当者などから声をかけられたり、こちらから提案したりすることで、案件化されていく。
第3ピーク:2~3月
・年度初めの4月から1年かけて行うような業務が中心。
・施設の運営や相談業務、通年調査など、少しでも空白を作ってはいけない業務が対象となる。
・金額は業務内容にもよりますが、数百万~数千万円と多様。
・だいたい、前年の7月頃から予算要求に向けた準備が始まり、半年かけて承認されるので、今から新しいテーマの提案は100%無理。
今できることは?
第1ピークも終盤を迎えた今、できることは第2ピークへの備えです。つまり、自治体担当者と顔見知りになり、自団体のサービスことを知ってもらい、継続的に意見交換できる関係を作っておくことです。
リレーションの作り方
この時期、様々な自治体が昨年度行った調査報告書を公表しています。その報告書を見たり報道記事を調べたりして、自治体が抱えている課題を理解し、自団体が提供できるソリューションの仮説を立てて意見交換を申し入れてみましょう。悩みが深い自治体の担当者ほど、様々な人からの意見を聞きたいと思っています。
全く面識がなくても、コールドコール(見ず知らずの人に電話する)をかけて、面会の約束を取りつけることもできます。実際に、私が新規案件を獲得する際は、新聞記事→コールドコール→意見交換→案件提案という流れが多いです。
いろいろなアンテナを張り、自分たちの取り組みと親和性の高い自治体を探し出したら、恐れずに電話してみましょう。職員は本当にあっさりと会ってくれますよ。ぜひチャレンジしてみてください。
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