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協働事業提案って、業務委託や補助事業と何が違うの?(20220112)

こんにちは!公民連携アドバイザーの中島です。
今年も様々な公民連携や自治体提案のヒントをアップしていきますので、どうぞよろしくお願いします。

東京都中央区が協働事業提案の募集を開始

さっそくですが、東京都中央区が「協働事業」の提案募集を開始しましたね。この「協働事業」について、聞きなれない方も多いのではないでしょうか。

業務委託や補助事業との違いや自治体から見た協働事業の狙い、どんな人が協働事業に取り組むといいのか、など、いくつかのトピックをあげてみていきたいと思います。


業務委託や補助事業と何が違うの?

業務委託の概要

業務委託は、行政が市民サービスを行うために、必要な外部資源を調達するものです。たとえば、市民向けの広報誌を発行するために印刷業務を発注したり、公共施設を整備するための工事発注や、執務に必要なコピー用紙の購入、行政課題を明らかにするための調査業務などが該当します。

「どんな事業をやるのか」決めるのは、あくまでも自治体です。そのため、民間企業側は自治体が提示した仕様書の内容に即して業務を行い、対価を得ることになります。
(下記イメージ図の『委託事業』参照)

補助事業の概要

同じように市民向けの公共的なサービスを提供する仕組みとして、補助事業があります。民間が行う公益的事業に対して、一定の基準を満たした場合に自治体が施設運営や整備のための金銭的支援を行うもので、福祉施設の補助金や給付金などが該当します。必ずしも収益性が高いとは言えない事業や、収益が上がるかどうかわからない不確実性の高い事業が対象となります。

この場合、「どんな事業をやるのか」決めるのは民間企業ですが、市民の安全・安心や暮らしやすさを高めるために効果がある事業であれば、行政が税金を投入していく資金面で支援を行うというものです。
(下記イメージ図の『補助事業』参照)

では、協働事業とは?

協働事業は、簡単に言えば「委託事業と補助事業のハイブリッド」です。

地域が抱える課題や、それに対する解決策を、自治体が民間企業(NPO含む)からひろく公募し、選ばれた企業と行政がそれぞれの強みやノウハウ、資金を出し合いながら、ともに地域課題の解決に取り組むというもの。

「どんな事業をやるのか」を提案するのは民間ですが、採用するかどうか決めるのは自治体です。また、提案した民間企業は自分でその事業を実施することが前提となり、行政は民間企業に対して広報・集客支援や会場貸出、イベントの共催、必要経費の一部負担をしたりします。

自治体によって、提案を求める地域課題を限定して公募することもあれば、まったく自由な提案を求めることもあり、かなりケースバイケースです。

業務とお金の流れは、主にこの3パターン(出典:swan作成)


自治体から見た協働事業の狙いとは?

地域の課題は多岐にわたり、相互に複雑に関連しあっています。これらの課題に対して従来の行政サービスでは対応できず、多くの自治体は、自ら解決の糸口を見出すことが難しい状況に置かれています。

多方、一部の先進地域では、地域企業や団体が、これまで培ったノウハウやネットワークを活かし、行政を巻き込みながら複雑化する社会課題の解決に取り組むケースが報告されています。
例えば、文京区の「こども宅食」などはとても成功した事例です。

こども宅食の取り組みを行っているフローレンスの駒崎さんも、最近「政策起業家」という新書を発行して注目されていますね。

「地域課題解決のネタは、行政の中ではなく、ビジネスや支援の現場で当事者たちと接している企業・団体の中にある。広くアイディアを募り、外の知見を存分に活用しよう!」というのが、協働事業の根っこにある思想です。

採択事業にはどんな特徴がある?

自治体ごとにばらつきはあるものの、これまでの協働事業の取り組み内容を見ていると、採択される事業には以下の特徴がありそうです。

・地域密着型で事業を行う企業・団体が多い
・すでに何らかのソリューションを持っており(施設運営、研修メニュー、システム等)、一定の実績がある
・分野横断的な取り組みが多い(観光だけ、福祉だけ、など一つの部署で対応できる事業であれば、「その部署と個別に相談してね」ということ)

該当しそうな企業・団体の方は、ぜひ協働事業を検討してみてくださいね。



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