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wonderful life - Bring Me The Horizon【和訳】

"僕が生きていようが死んでいようが
世界は顔色1つ変えない
ああ、なんて素晴らしい人生だ"


ダウナーな歌詞なのにすごくポジティブに聴こえる僕がいます。

ネガティブがポジティブの要素を取り入れると最強だと思っていて、
基本ネガティブな人間はものごとが見えすぎているんですよね。理解が早いし多面的に捉えられるし、だけど基本的に見る方が悪い方に比率が偏る人がネガティブになる。そこで「ネガティブもポジティブも捉え方の一つにすぎない」と捉えることで、「多面的に物事が捉えられるポジティブ」が生まれる。
ポジティブは往々にして「周りが見えていないが故に楽観的になる人間」が一定数いるので、「周りが見える上で状況に応じて敢えて楽観視を選ぶ」という器用さがあれば最強に立ち回れると思うんです。
それにネガティブな一面が見えると落ち込んでいる人を上から押さえつけるのではなく本当に親身になれますからね。

いつになく和訳記事の冒頭で語ってしまったんですが、なんかこの曲を訳しているとそういうことを言いたくなってしまいました。

「自分の生き死になんて誰にとっても関係がない」ことを「素晴らしい世界」の要素としている。
沈んだ気持ちの中で、誰も見ていないならもっと思うように生きてもいい、そう捉えるような歌詞に聴こえます。

歌詞だけ追うとクソ暗いんですが音楽があるとすごくポジティブに聴こえますね。音楽と歌詞が真逆の主張をしていることで逆に明るいほうへとシフトされているこの曲、なかなかに面白いです。


Title:wonderful life (2018)
Band:Bring Me The Horizon (2004-present)
Album:6th Album "amo"
Vocal:Oli Sykes & Dani Filth
 add Vocal:Jordan Fish & Lee Malia
Lyrics:Oli Sykes, Matt Nicholls, Matt Kean, Lee Malia & Jordan Fish


Hey, uh, are we rolling?
Yeah, okay; no it’s, that’s fine.
こっちに来なよ
ああ、いいよ

I read a fun fact about the brain
And how it starts to deteriorate when
We get to 27 or there abouts (Yeah)
脳科学に関する面白い文献を読んでいるんだ
27歳から脳は衰え始めるんだって

It got me thinking about my head
And what I can do to help stimulate it
Makes me sad, but...
I've forgotten what I'm on about
Woah!
ちょっと考えさせられちゃってさ
脳を刺激してやるにはどうすればいいのかな
こんなことを考えると悲しくなってくるよな......
はぁ……
……あれ、何をぐずぐず言ってたんだっけ?

Looked on the bright side, got keratitis
And you can't sit there unless you're righteous
I wear a happy face like I'm Ed Gein
明るい面ばっかり見てたら目がどうにかしてしまったよ
君が正しいならそこに座ってくれたらいいよ
エド・ゲインのような笑顔の仮面を被るまでさ

I feel all numb now, is that a feeling?
Like a plastic boxed orange with no peel on
I wanna waste, I wanna waste
I wanna waste away
Yeah!
何にも感じなくなってしまった、これを感情と呼んでいいのか?
皮を剥かれたまま冷たい箱に閉じ込められた果実みたいだ
ああ、いっそのこと弱ってしまいたい
衰弱して小さくなってしまいたいんだ

Alone getting high on a Saturday night
I'm on the edge of a knife
Nobody cares if I'm dead or alive
Oh, what a wonderful life
土曜日の夜、1人でいるとさ
まるでナイフの切っ先に立ってるみたいに、
気持ちが張り詰めていくんだ
僕が生きていようが死んでいようが
誰一人として、顔色1つ変えない
ああ、なんて素晴らしい人生だ

Oi, Debbie Downer, what's your problem?
Don't wanna be here, still call a shotgun
You got the FOMO coursing through my veins (Yo, yo, yo)
なあ、いつもそんなにヒステリーになってさ
何があるっていうんだよ
早くここから出て行ってくれ
僕らは近づきすぎて、僕の憂鬱が君に伝染ってしまったんだよ

This is not a drill, no, this is the real world
Domesticated still a little feral
Well, don't you know to chew with your mouth closed?
(And it's all gone wrong!)
これは訓練じゃない、現実なんだ
野生を保ったまま飼い慣らされている
なあ、口を開けてくちゃくちゃ咀嚼するの、止めてくれないか?
もうさ、何もかも上手くいかないんだよ!

Alone getting high on a Saturday night
I'm on the edge of a knife (Yeah)
Nobody cares if I'm dead or alive
Oh, what a wonderful life
土曜日の夜、1人でいるとさ
まるでナイフの切っ先に立ってるみたいに、
気持ちが張り詰めていくんだ
僕が生きていようが死んでいようが
誰一人として、顔色1つ変えない
ああ、なんて素晴らしい人生だ

(Oh, what a wonderful life)
(Oh, what a wonderful life)
Alright
なんて素晴らしい、順風満帆な人生だろう

I got a Type 2 kinda thirstiness
A far out other worldliness
And one day this might hurt me less
But everybody knows I'm still down
世俗から遠く離れること
少しでも受ける傷が少ない日
この2つを僕は渇望している
ご存知の通り、僕はまだ立ち上がれないままだ

Don't tell me what the butcher does
There's no need for the obvious
So ugly still it's kinda lush
But everybody knows I made vows
生肉の加工法なんて教えないでくれ
今そんな説明を受けたら、二度と立ち上がれなくなってしまう
そんなに群れたって、より醜さが増すだけだぞ
見ての通り、まだ僕は頭を垂れてる

Left feet on the podium
Can't think of an alternate
And hell yeah, I'm the awkwardest
But everybody know I got bounce
表彰台の上に立ったって
代替案なんて思いつかないさ
めちゃくちゃにぎこちない僕が突っ立ってるだけ
ご存知の通り、僕は虚勢を張ってばかりだ

Alone getting high on a Saturday night
I'm on the edge of a knife
Nobody cares if I'm dead or alive
Oh, what a wonderful life
土曜日の夜、1人でいるとさ
まるでナイフの切っ先に立ってるみたいに、
気持ちが張り詰めていくんだ
僕が生きていようが死んでいようが
世界は顔色1つ変えない
ああ、なんて素晴らしい人生だ

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広大で自由な個々の日常を描くMVと退廃的な歌詞、そしてサビの高らかに歌いあげる孤独。この曲BMTHの中ではすっごく明るくて大好きなんですよね。

歌詞をみたら結構びっくりするんじゃないでしょうか。明るい曲なのに歌っていることはいつも通りのナーバスな深淵です。BMTHへようこそって感じ。

これは完全に僕の話なんですが、なんでこの曲の訳をamoの訳の中で最後に回したのかと言うと、単純に言って、検索すると一番和訳がヒットする曲だったからです。
自分より上手く訳す人が複数いるのに需要ないよなっていう。
でもamoの全曲訳と題打って、最後の曲まで完走した今、やっとの思いで訳してみました。
やっぱり自分の言葉にしてみると感じ方が違いますね。そして今まで全曲訳した後のこの曲なので、ただのエゴですが、なんだかすごく清々しいです。
良い曲だなあ(お茶を濁す)

この曲はすごくOliらしい歌詞がたくさんあります。
よければ下記のmemoの内容も見ていってください。この曲はそういうところが一番楽しかった。

あとMVにちょいちょい出るJordan Fishの息子マジで可愛いな。


*memo*

※are you rolling......
https://hinative.com/ja/questions/4746049
ここの回答ではcomingかleavingで訳すっぽいです。hey thereはどっちかというと「ここに来なよ」という呼びかけのような気がする......のでcomingにしました。
ところでこのwonderful life、もとはLimp Bizkitに提供する予定の曲だったらしいんですが、色々あってポシャって、自分のバンドの曲になったらしいんですが、この"rolling"はLimp Bizkitで最も有名な曲らしいです。Genius Lyrics情報です。へえ。

※27 to there abouts...... 直訳だと「27歳で脳が衰え始める」なのですが、
27歳というのはロックスターや世界的なアーティストが薬や自殺などで亡くなっている事例が多い年齢です。
あえて27という数字を選んでいるのもこのことに因んでいるのかも。実際の脳科学の文献では約25歳と書かれているそうなので、恐らく27を選定しているのには何かしらBMTHなりの意図があると思われます。
ちなみにOliは27歳を越えています。正直安心したね......

※karatitis...... 角膜炎。画像検索するとちょっとショッキング。

※Ed Gein...... アメリカの元犯罪者。元っていうのは精神病による無罪と判決されたため。20世紀において類を見ない猟奇殺人として記録されている。彼は一体どんな笑い方をされるんでしょうか。

※with ~ on ...... ~を着て、の意味。no peelだから皮がないんだろうね。

※Debbie Downer...... Saturday Night Liveというドラマの登場人物の名前で、その人柄が転じて「楽しい気分で居る時に悲しい気分にして台無しにしてしまう人」という意味で一般的に使われるみたいです。サビでSaturday Nightって言ってるあたり2つは関連性のある歌詞っぽいですね。
ところで"medicine"に関してGenius Lyricsを見てみると、どうも"Debbie Downer"というのはmedicineの歌詞の冒頭にある"Some People are a lot like clouds"のことみたいで……

これを踏まえるとこの歌詞は「一部の人間はめちゃくちゃ群れるよな」じゃなくて「世の中には周囲を曇らせる人間ってやつが一定数いる」という意味になるんですよね。

世の中にはいるだけで周りを陰らせる人間っていうのがいるんだ。そいつらがいなくなるだけで、世界は少しでも明るくなる

Oliも2016年の時点でこんなツイートをしているので恐らくその通りなんだろうなと。
僕が以前訳したmedicineとまあそう意味が離れてるわけじゃないんですが、とはいえたぶんこっちの方が正しい訳なんだろうな。書き直したくなってきた。たぶんやらないけど。

※FOMO...... “fear of missing out”(見逃してしまうことへの恐れ)。情報を見逃してしまうことへの恐れ、SNS依存。らしいです。現代的社会問題ですね。
歌詞では「僕の血液を通してFOMOが君に伝わった」みたいな意味で意訳してます。

※call a shotgun...... 「助手席に乗る」。俺がそこに座るのに相応しいんだ!って感じで席の取り合いをする時に使うフレーズみたいです。

※what the butcher does...... 「肉屋がすること」が直訳。Oliはヴィーガン(菜食主義)なので彼にとってはかなりセンシティブな話題でしょう。相手がわざとやってるとしたらまあ陰湿ですね。


↓↓↓amo全曲訳しました。興味があれば是非ご覧ください↓↓↓