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寂しさは温もりをもらった証

未練は、街よりも人に強く残るらしい。

マリナ油森ちゃんが宿泊しているエリアまで会いに来てくれた。一度日にちを決めたが、うちの次男がかるく風邪を引いてしまい、断念した約束。おかげさまでリベンジできてうれしい。

待ち合わせ場所のスタバはホテルから歩いて行ける。外はあいかわらずの快晴。日陰のテーブルに身を置く。最近どうしてる?を皮切りに、いまの書くスタンスやnoteまわりで思うことなど、つらつらと話した。SNSでは交わせない会話を、空が吸い込んでくれる。

マリナちゃんと私は、人間としても書き手としても個性はぜんぜん違うと思うのだけど、「あー同じこと思ってた!」と共感し合える部分も多くて、話しているとすごく楽しい。

ご本人は「物静かで品が良いお嬢さん」といった雰囲気。初めて会ったときはイメージと違って少し驚いた。なんというか、もっとつよつよのズバズバした(?)印象だったから。文章からも分かるクレバーな思考と優しさはそのまんま。

お茶をしつつ、同じ敷地にある韓国料理をテイクアウトしてランチした。辛くて美味しくて、ごきげん。夫が職場から戻ってきたから、ご挨拶がてら写真を撮ってもらう。バイバイのあと、しばらく会えないことにしんみりした。note友達というより、もう友達なのだ。

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オーナーへ返却予定の鍵を失くしたかもしれない。そう夫に打ち明けられないまま一日半が経過した。いよいよ観念して伝えたところ、自分の性格を見越してすでに彼へ渡していたらしい。それすらを忘れている始末。悩み損。

退去した家へ向かい、無事にオーナーへ鍵を返す。しばらく立ち話をした後「ありがとうございます」とさよならした。もうここには戻ってこないんだなぁ。

この前後にコインランドリーで洗濯。両替機で小銭をつくって、一回分の洗剤を自動販売機で買う。イレギュラーな日常はちょっとだけ楽しい。夫との会話もどこか陽気な気がする。ホテル生活は始まったばかりだ。

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ふかふかの洗濯物を車に詰めたら、子どもたちのお迎えへ。スクールに通う最終日。このときが、できればきて欲しくなかった。

アメリカの新学期は8〜9月だから、いずれにせよ長男も次男も転園タイミングだったのだけど、辞めたくないし、離れたくなくて、心がタダをこねていた。

昨晩、子どもたちは先生やクラスメイトに一生懸命サンクスカードを描いた。長男は「Best Friend」「Thank you」「I love you」の文字。次男はイラストを。

アメリカに身寄りのいない私たちにとって、先生や友達の存在がどれほど心強かったことだろう。寂しさと心細さが爆発しそうになる。そう感じるほどに、信頼できる場所に出会えたことがありがたい。

別れ際、私たちはこれからも家族だからね、と言われて涙腺が崩壊しそうになる。後ろ髪を引かれながら、その足で息子が仲良かったお友達の家へご挨拶に行った。

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Aくんのおうちと、Jくんのおうち。どちらも長男よりは一つ年下、次男よりは一つ年上の男の子。止める間もなく子どもたちが遊び出すので、親たちもしばしトークタイム。

転居先のこと、スクール選びのこと、夫の出張のこと、子どもたちのこと。話しているときに、同級生Mくんのママからメールが届く。8月頭のバースデーパーティーのお誘いだった。その頃には、もうここにはいない。

日本、アメリカ、韓国、中国、ベトナム、インド、ハンガリー。いろんな血を持つ私たち。それでも根っこにある悩みなんてものはあんまり変わらなくて。その事実にずいぶん支えられたように思う。

We will miss you. と言い合える関係性を作ってくれたのは、息子たちだ。多国籍な環境でどんどん友達をつくる姿はたくましかった。彼らにとってはこれが日常なのだろうけど、親の私たちも手探りで子育てをしている中、頼らせてもらうシーンも多々あった。

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先週、先々週は、日本人のお友達がお別れ会を開いてくれた。みんなの顔と楽しかった瞬間を思い出す。

あと2日は家族時間と洗濯、準備にあてたので、この日がカリフォルニアで人と会う最後になった。私はもう物理的な距離の大きさを知っている。繋がりたいと願う人とは、ちゃんと繋がれることも。夫と子どもたちが先に寝て、夜の静けさに包まれると、喪失感がずんと襲ってきた。

寂しさは、埋めるのではなく見つめる。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。これからも仲良くしてもらえると嬉しいです。