カリフォルニアの空と、物思い
くコ:彡 くコ:彡 くコ:彡💦ピューン
午前7時半。2階の寝室。ブラインドを開けて今日の表情を見つめる。
ぜんぶ、違う色。平塗りの日もあれば、グラデーションの日もある。筆が困りそうなほど粘性が強い日もあれば、さらさらの水分をたっぷり含んだ日もある。
視線をほんの少し上に向けた先の先、空平線は見当たらない。
陽気で、爽快で、終わりと始まりが曖昧なその光景に、異国で暮らす私はいつだって励まされてきた。
実感を持てないまま数字だけが増えゆくウイルスは、私たちが、空の下で自由に振舞う権利も、空を渡って家族に会いに行く権利も、奪った。
長い人生の、ほんの4ヶ月。ただし終わりではなく未だ闘いの途中なのだ。にも関わらず、人類の耐性を試すかのような不穏なニュースが畳み掛ける。
晴れやかな景色と対比するような、ふるさとを襲った雨。
晴れやかな景色が悪の一手となる、数百マイル先の山火事。
この空とつながっている、あの空。
たくさんの感情を背負う、この空。
ブラインドの陰をそっと増やす。
あまりに美しく澄み渡る様は、ときに微かな罪悪感を生むらしい。そんな取るに足らない想いなんて、まるで無かったことにする勝気さには敵わないのだけど。
*
「青色」をイカしてみました。
もっとハッピーハッピー♪な文章になるはずが、昨今の状況で思うところが反映された感じです。カリフォルニアの空はもっといろんな角度で切り取ってみたいなぁと思っています。
イカ変態の仲間入りしたぞ…(企画趣旨つかめているか不安)。
▼こちらの企画への参加です。
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