桑の葉を摘む
小学生の頃、校庭に実のなる木があって、木登りが得意だった私はよく友達とそこによじ登って手や服をべたべたにしながらその実を食べていました。黒い小さな粒が集まった、甘いのか酸っぱいのかよく分からない実。でも自分たちで見つけた実が食べられる!という発見が嬉しくて、その実のなる頃を毎年楽しみにしていました。いつか誰かに教えてもらったその木の名前は桑の木。「私も食べていた!」という人けっこう多いのではないでしょうか?
5月中旬を迎えて、桑の木は鮮やかな緑の葉っぱと共にぐんぐん枝を伸ばしていました。まだ実は白く固いものがほとんど。子供の頃食べていた実はもっと大きかった気がすると思ったら、桑には1000種類以上の品種があるそう。miatsumuで収穫するのは実が小ぶりで黄褐色の幹を持つヤマグワという種類のようです。
以前はその実ばかりに目が行っていましたが、調べてみると桑は葉にも栄養たっぷり。ビタミンCやマグネシウム、カルシウム、亜鉛、食物繊維などが含まれていて、これらは動脈硬化、便秘の改善、解熱、咳を沈めたり、炎症を抑えたりなどの効果があるそう。また、デオキシノジリマイシンという血糖値の上昇を抑える成分も含まれていて、糖尿病の予防に効果があると考えられているそうです。
そうと聞いたらさっそく摘んでみることに。 この季節の桑の葉には白い小さな虫(miatsumu通称ミニファルコン)がついています。彼らはふわふわした糸のようなものを分泌し、それがたくさん葉っぱの後ろについて風に靡いてます。ちょっと怖い。
でも虫も食べる葉っぱは美味しくて栄養豊富、無農薬の証。ミニファルコンとふわふわを避けながら注意して新芽を摘みました。
摘んできた葉は、まずはシンプルにお茶に。
葉っぱを何度も水に晒し、擦り合わせて丁寧に洗います。茎から葉だけをとり、蒸し器に入れ、1-2分ほど蒸します。
お好みで葉っぱを2-3cm幅にカットし、くっつかないよう広げてザルに並べパリパリになるまで天日干しします。これで茶葉ができました。
5〜10gの茶葉と水1リットルを鍋に入れ、沸騰したら弱火にし2分ほど煮出します。茶漉しでこして完成。
出来上がったお茶は緑茶のような香り。えぐみもなく美味しい。
10月頃までは収穫できる桑の葉。生葉のままジュースにしたり、粉にしてお菓子に混ぜたり。これからレシピ開発が楽しみです。もちろん実の収穫も。
身近にある木から自分の手で採ったものがそのまま食べられる。久しぶりに桑の木に夢中になって、子供の頃に感じたわくわくした気持ちをまた思い出しました。
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