コラム：ユーロ1992決勝のデンマーク代表とドイツ FOKUS Bundesliga!!! #43
1992年6月26日、スウェーデンのヨーテボリに位置するウッレヴィ・シュタディオンで、ユーロ決勝が行われた。「ベルリンの壁崩壊」を経て統合したドイツ代表が対戦したのは、北欧の雄デンマーク代表。国内紛争の影響で出場権を失ったユーゴスラヴィア代表に取って代わる形で出場機会を得たデンマーク代表は、グループリーグを2位で突破し、準決勝ではオランダ代表を破って決勝に進出した。▲デンマーク代表の勢いは、決勝でも止まらなかった。もっとも活躍したのは、ブレンビーIFのレジェンドであるキム・ヴィルフォルトだった。18分、ヴィルフォルトがアンドレアス・ブレーメから奪ったボールがつながり、ジョン・イェンセンが決めてデンマーク代表が先制。78分にはDFのヘディングでのクリアを拾ったヴィルフォルトが、トーマス・ヘルマーを鮮やかにかわし、左足のミドルシュートで得点した。デンマーク代表の優勝を決定づける得点だった。▲デンマーク代表躍進の歴史とドイツには、つながりがある。1978年2月、ビール醸造会社カールスバーグとスポンサー契約を結んだデンマーク代表は、その資金をもとにドイツ人のゼップ・ピオンテックを監督に招聘。同監督の下で攻撃的なサッカーを披露したチームは、1984年には20年ぶりにユーロ、1986年には史上初のワールドカップ出場を果たした。▲その躍進ぶりから「ダニッシュ・ダイナマイト」の愛称で知られた同代表には、ミカエル・ラウドルップというスター選手もいた。残念ながら、1990年にW杯出場を逃したことでピオンテックは監督を辞任するが、その後を引き継いだリチャード・メラー・ニールセンが、代表をユーロ1992でデンマーク代表を優勝に導いたのだ。デンマークとドイツ。隣国であることもあり、ドイツ・ブンデスリーガでも数多くのデンマーク人選手が活躍する。今後も、デンマークや同国出身選手の活躍から目が離せない。
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