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『ブルーバレンタイン』観てしまった

※ネタバレです※


切ないラブストーリー、という触れ込みだったので、気軽に観れるかしらなんて、映画『ブルーバレンタイン』を観てしまった。

観てしまった……

ラブストーリーなんてものではなく、代々脈々と受け継がれる、トラウマとトラウマ再演の物語でした。

(私のトラウマケアがある程度進み、割と客観的に観れたので、タイミング的には良かったけれども。)

子供のいる夫婦が離婚を決めるまでの二日間の物語で、結婚前の回想シーンなども織り込んだ内容。映像も構成も演技も、映画としてとても良いんです。何より、ここまで繊細に、心の傷からくる行動を描いた映画は、他に知りません。

家族間でのわかりやすい暴力などはないものの、家庭内での恫喝や支配、会話が噛み合わない家族のもとで育った妻は、フラットな関わりが出来ず、支配・被支配の構図を作ってしまう。母親が幼少期に去ってしまったという夫は、家族を囲い込むようになってしまう。二人とも、不安からくる行動を、とってしまう。家庭を保とうとすればするほど、そうなってしまう。

一番きつかったのは、離婚を決め、夫が立ち去る場面。

これ、私も幼児期にやられた事が有って、見捨てられ不安の象徴的出来事として、今も鮮やかに記憶に残ってます。

絶望の、感覚記憶というかな。騙されて、見捨てられたと感じてしまう。言葉を信じなくなるし、人を信頼出来なくなって、親しくなっても、「この人も自分をいずれ見捨てる」と思ってしまう。傷付きたくなくて、愛着が育ってくると、見捨てられる前に離れたり。

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これほぼラストシーンなんですけど、この映画のテーマは、ここに凝縮されているのかな、、、と思いました。

この子供の傷が早い段階で癒されて、幸せな人生を送ってくれる事を、願ってやみません(フィクションだけど)。


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