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【詩に至ル病】あなたは何故、詩を書くのか。
WEB詩界隈に厚かましく復帰して半年経ちました。計算したら平均月10篇ペースで詩を書いていることになり、質はともかく文芸投稿サイトに定期的に発表することも出来ています。30歳から33歳までのWEB詩活動期間を第1期とするならば、復帰してからの53歳からは第2期となります。僕の場合は心身身辺が不安定である時期に創作への渇望が湧くようです。第1期の頃はアルコール依存症で精神病院入院・退院・通院・療養の最中だったし、今現在だって休職・退職・通院・訓練となっているので第1期の状況とさほど変わらないのです。詩から離れていた20年間は広告代理店で正社員として働いていて、AdobeのIllustratorとPhotoshopを使って主にパチンコチラシや店内POPのデザインをしておりました。この仕事は当日入稿の当日校了・印刷が当たり前の糞工程だったので毎日夜中まで(徹夜も頻繁に有り)MACとにらめっこしておりました。スロット4号機全盛の頃だったので出玉イベントのチラシのキャッチコピーを考えなければならない事は苦行でしかなく、これに詩を書いていた事は全く役に立ちませんでした。IT土方とはよく言ったものです。まさしくこの頃の僕はIT土方で社畜でworkaholicでありました。そんないっぱいいっぱいの僕に詩情(poésie)が降りてくる余地はありませんでした。実働時間の内(クライアントのOK待ち等)無駄な時間がかなりあったので詩を書こうと思えば書けたのです。もしこのIT土方時代に詩を書いていたら(書けていたら)詩に関してはまた違ったモノになれたかもしれません。(ここらあたりについては第一詩集「詩句と裸夢哉」の序に書いてあります。)
前置きが長くなりましたが「あなたは何故、詩を書くのか。」と問われれば、答えをひとつに絞るのは無理な話です。幾重もの半透明のテグスが僕のアトピー気味の首に巻き付いている感じがします。「承認欲求」「自己愛性パーソナリティ障害」はその答えの大部分を占めます。称賛から得られる多幸感・充足感は合法ドラッグですからね。もっともっとアレが欲しい欲しいで歯止めがきかなくなり、麻痺しちゃって詩のキラーフレーズやアイデアなんか思いつくのです。こういう詩との関係性はやがて破綻することでしょう。今はまだ実生活を犠牲にして詩作に耽るという事はありませんが、何かの拍子でまた陥ってしまうかもしれません。(第1期の頃はそうでした。)なので今現在の答えのひとつは「詩に依存しているから書いている。」になりますね。他にあるとすれば「自己正当化」「過去への贖罪」「強烈な追憶・郷愁」「怨嗟」等、こういったモノを書く燃料として使っています。僕は詩聖にはなれないし、なれるわけないし、なりたくもありません。なので冷たい床の上を這いずり回って白い滓まみれになりながらバリバリ読み手を意識して書いていますものね。俗物でいいのです。俗物でありたいです。
最近つくづく思うのはWEB上には多数のWEB詩人達の屍が転がっているという事。今まで数え切れない程のWEB詩人が傷つき諦めWEB上から去っていきました。僕はそのWEB詩人達の屍の上でまた詩を書き始めたのです。何重にも折り重なった屍の上で!そこに「使命感」は感じてはおりませんが、詩人或いは表現者の「業」「性質(さが)」は痛烈に感じてはいます。足元がおぼつかない屍の上で詩を書いているのか、書かされているのか、書かずにおれないのか、どれなのか分かりませんが、そういった霊的なモノに突き動かされているのも否定は出来ません。これがもうひとつの答えです。アカウント名を変えたら何度も何度も生き返れます。その逆も簡単ですよね。誰が言ったかも忘れましたが(誰も言ってないかもしれませんが)WEB(ここ)はジゴクだぜ!悪意だらけだ!本気になるな!ってね。言った奴も恐らく屍の中にいるでしょう。(そもそも僕も20年間その屍の中の一体でありました。)僕は血統書付きのPUNK崩れアル中汚れ詩人なので、輝かしい詩論や確固たる学識を持ち合わせてはいませんよ。でもそういうちょっとした肩書がある人の詩で心動いた事ないですよ。ホームレスの痰を吐く音の方がよっぽど詩的ですよ。引きこもり中年男が股ぐらを搔きむしる音の方がよっぽど詩的ですよ。
「詩」は「私」であり、僕の「詩」は「私」を形成してる過去・現在・未来を削って削って書いておるので、それは言ってみれば「私詩」であり、とどのつまりやっぱ「私私」で「我我」の有り様になってしまうのでしょうね。
余計混乱してしまいましたが、書いておきたいテーマなので記しておくことにしました。テーマを提示していただいたR氏に感謝します。1年後生きていたらまた同じテーマで「悦生(えつせい)」に書いてもいいですね。乱筆乱文乱心失礼致しました。